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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第67話 生き残れるように頑張ります

 その後は王子たちとワイン伯爵の家族と一緒に夕飯を食べた。

 その時もブランとゼランは私の横に座ると言い、私はまた二人の王子たちに挟まれながら夕飯を食べることになった。


 さすがに王子様を迎えた夕食だけあっていつもより格段に豪華な料理が並べられた。

 でも私は王子たちに挟まれて緊張して味なんか分からなかったわよ。

 右見ても左見ても超絶イケメンなんてそれだけでイケメン好きの私はお腹がいっぱいになる。


 でも王子たちを観察していると二人ともナイフやフォークを持って食べる仕草が一言で言えば「優雅」である。


 やっぱりこういう食事のマナーは王子ともなると徹底的に教え込まれるんだろうなあ。


 いつもは出てこない食後のデザートを食べ終わり、夕食は終了する。

 その後は王子たちの希望で私と二人の王子だけで応接室で少し話をすることになった。


「アリサ。今回はつまらない仕事だと思っていたけれど貴女に会うためにここまで来たのなら私は神に感謝するよ」


 ブランが私を見つめて微笑む。


 う! 私には貴方が太陽神のように見えます!


「そうだな。私もブランとの旅は退屈だと思っていたがアリサに出会えるための仕事だったのなら王宮から来たかいがあった」


 ゼランも満足そうに微笑む。


 そうだ! 太陽神はもう一人いたわ!

 それにしても王子たちが自らやらなければならない仕事って何だったんだろう?

 このワイン伯爵家に来たのは偶然だものね。


「ブラン様、ゼラン様。お仕事が終わって王宮に帰る途中でここに寄られたんですよね? 何のお仕事だったんですか?」


 私は興味を引かれて聞いてみた。

 ブランとゼランはお互いの顔を見合わせている。


 あれ? 聞いちゃいけないことだったかな?

 もしかして国家機密に関わることとか?


「あの、もし話せない内容なら別にいいですよ」


「いや、もう終わったことだしワイン伯爵家にもいずれ噂は流れるだろうからかまわないさ」


 噂が流れる?

 興味深いわね。


「実はここから西に二つ行った先の領主貴族がクーデターを起こす計画をしている情報が入ってね」


「ブランと一緒にその領主貴族を血祭りにあげて来ただけさ」


「へえ、そうなんですか……ん?」


 ブランもゼランも「今日はいい天気だね」っていう感じで話すので私は一瞬話の内容に気付くのが遅れた。


 今、「血祭り」とか言った!?

 クーデターを起こす予定の領主貴族を殺したんですか!?


「えっと……。クーデターを起こす計画をした領主貴族をこ……いえ、罰したんですか?」


 私は「殺したんですか?」とは聞けず遠回しに聞き返す。


「うん、そうだよ。国王へのクーデターは何より重い罪だからね。私たちが自ら首を刎ねてやっただけだよ」


「まあ、王国軍も連れて行ったんだけど王国軍は領主を失った領内の後始末もあるから、私たちは先に王宮へ戻るところさ」


 ク、首を刎ねたってマジっすか?

 この国では確かに王族へ反旗を翻すことは最も重い罪だって前にクリスとの雑談で聞いていたけどさ。


 こんな天使のような姿で人間の首を刎ねるとか普通にやっちゃうの!?

 やっぱりこの二人はモンスターなんですか!?


「せっかく私が自ら出向いて来たのにたいした抵抗もせず捕まえられたからつまらない仕事だったよ」


 ブランは心底「物足りない」って表情だ。


「もう少し抵抗してくれたら遊びがいがあったのにさ」


 ゼランも「つまらない」って表情だ。


 ハハ……。この二人に逆らうのは危険過ぎるわね。

 もし、半年後私が「王宮に行かない」なんて言ったらワイン伯爵が首を刎ねられるんじゃないの!?

 それだけは絶対阻止しなきゃ!


「それは……お疲れ様でした」


 私にはその言葉しか言えなかった。

 そしてようやく二人の王子から解放されてその日は就寝した。


 次の日。二人の王子は馬車に乗る前に私の手を取り手の甲に口づけをしながら言った。


「半年後、王宮で会えるのを楽しみにしているよ。アリサ」


「王宮に帰ったらすぐに手紙を書くからね。アリサ」


 二人はとびきりの笑顔で私に言ったが私はその言葉が「悪魔の囁き」に感じた。


 私、王宮に行ってもこの二人の王子に挟まれて生き残れるでしょうか? 神様。




 それは神の私にも分からん。




 なんかこの世界の神様もこの王子たちを止めることはできない気がするのは気のせいかしら。


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