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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第66話 クリスは弟です

「ワイン伯爵よ、今の話は聞いていたな?半年後に王宮から迎えの馬車を寄越すのでそれまでアリサに縁談や男を近づけさせないように」


 ブランは穏やかな口調であったが目が笑っていない。


 う! これはマジに脅してるわよね!


「そうそう、私たちよりもアリサに相応しい人間がこの国にいるなら話は別だけど」


 ゼランもワイン伯爵に釘を刺す。


 この国で王太子と王子以上の人間は国王ぐらいしかいないじゃない。

 ゼランも本気ね。


「も、もちろんでございます。アリサは必ず半年後王宮に向かわせます」


 ワイン伯爵は慌てて二人の王子に返事をする。


 まあ、ワイン伯爵にはそう言う以外選択肢はないわよね。

 でもこの王子様たちはけっこう俺様タイプな人たちね。

 上に立つ者は皆こんな感じなのかなあ?


 私の視界にワイン伯爵の姿が映る。


 いいえ、違うわね。この王子様たちは元々こういう性格なんだわ。

 でも超絶イケメンにプロポーズされるなんてこれから一生ない経験だもん。

 ありがたい話よね。


 私はブランとゼランを見て思う。

 これからこの二人のどちらかと恋をして結婚するのだろうか。


 超絶イケメンとの恋は夢のようだが同じ顔の二人のうち一人を選べるだろうか。

 私はちょっと不安になる。


 でも双子でも付き合ってみれば性格も違うだろうし、きっと決められるわよね。


 私の日本にいる双子の弟たちも見た目はそっくりだが性格は微妙に違った。

 双子だからといって同じ人物でない以上どこかに違いはある。


 それにしても王宮に行くまでにワイン伯爵領の改革をしなければならないとなるとハードね。

 とりあえずできる事業は早く開始して時間がかかる事業は計画を作っておいてシラーとシャルドネを中心に頑張ってもらうしかないわ。

 クリスもいるし。


 私はそこまで考えてあることを思いつく。


 そうだ! クリスも王宮に連れて行けないかな?


 領地改革に関しては引き継ぎ書でワイン伯爵とシラーとシャルドネに任せてクリスは私の助手として王宮に連れていけば私も王宮で誰も味方がいないよりはいい。

 それにクリスは文官を目指しているならいずれ王宮で働くことになるだろう。


「あのブラン様、ゼラン様。王宮には弟のクリスも連れて行っていいでしょうか?」


「弟を?」


 ブランはクリスを見る。

 クリスも私の言葉に驚いたようだ。


「クリスは文官になることを希望しているので王宮に行って文官の仕事をさせてあげたいんです。ね、クリス、貴方も文官の仕事をしたいでしょ?」


「は、はい。できれば王宮で文官として働きたいです」


 クリスは戸惑いながらも自分の希望を話す。

 だがブランの顔は険しい。


 ダ、ダメかしら?


「まさかとは思うがそのクリスという弟はアリサの恋人ではないだろうな?」


「はあ!?」


 クリスが私の恋人!?

 んなわけないでしょうが!

 クリスと私の年齢を考えなさいよ!って、そうかまだ私の年齢を王子たちは知らなかったわね。


「クリスは私とは血が繋がってないですけど弟ですよ? それにクリスは成人したばかりの12歳です。私は23歳なので年齢的にも恋人ってことはありえません」


「え? アリサは23歳なのか!?」


「本当に? そうは見えないけど」


 やっぱり年齢を聞けば驚くわよね。

 これで私とは結婚しないと言われても仕方ないがそれはちょっと悲しいわね。


「本当ですよ」


「そうか、ではますます半年以上の猶予は与えられないな」


 まあね、人間は歳をとるからね。


「それでクリスのことは認めていただけますか?」


「ああ、認めよう。弟も王宮に連れてくればいい」


 ブランから許可の言葉をもらって私はホッとした。

 これで王宮に行っても強い味方ができたわ。


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