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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第60話 家族の協力は大切です

 筆記試験の上位6名の面接が行われた。

 面接するのはワイン伯爵、クリス、私である。


 最初の二人の男性を面接して私は心の中で溜息をつく。

 今面接した二人は言わば「公務員神話」を信じて伯爵家の事務員になりたいという考えの持ち主だった。


 やっぱり「公務員神話」は「神話」だけあって強いわね。


「次の方、どうぞ」


「はい。失礼します」


 私たちの前に一人の男性が現れる。

 金髪に青い瞳のちょっとイケメンタイプである。


 あら、なかなかいい顔してるわね。

 私の基準のイケメンには足りないが充分イケメン要素は持っている。

 名前を確認した後に志望動機を聞いてみる。


「私は領民のために働きたいからです」


 おや? 今までの二人とは明らかに違う動機ね。


「でも貴方がやることは事務作業ですよ? それが領民のためになるんですか?」


 私はわざとそう言ってみる。


「はい。それは分かっています。しかし伯爵家で事務を行うことは領地内の出来事に対しての事務になるので私の仕事は領民のためになるはずです」


 へえ、なかなか公務員ってものが分かっているようね。

 好感が持てるわ。


 私は彼の履歴書を確認する。


 え~と、年齢は24歳。前職は「家庭教師」か。


「前職は家庭教師みたいですが、なぜ家庭教師ではなく事務員になろうと思ったのですか?」


「自分が言うのもなんですが、家庭教師になるために身に着けた知識を生かして事務をしたいと思ったからです」


 なるほど、家庭教師になるぐらいならいろんな知識を持っているのは事実だろう。

 この人は有力候補ね。

 えっと、名前はドナルド・シャンパンかあ。


 私に好印象を与えたドナルドはその後の質問もよどみなく答えて面接が終わる。


 さて次は女性ね。

 名前はターニャ・レインボーか。


「次の方。どうぞ」


「はい。失礼します」


 部屋に茶髪に緑の瞳の女性が入って来た。


「貴女の志望動機は何ですか?」


「はい。私は女性の活躍の場を広げたいんです」


 ほお、志望動機としては好感が持てるわね。


「でも、貴女にやってもらうのは事務作業でワイン伯爵領の改革とかはできませんよ」


「それは分かっております。しかし私がワイン伯爵家で事務官の仕事をすればそれだけで民は女性でも事務官になれるんだと思うでしょうから私はそれでいいんです」


 ふむ、あまりワイン伯爵がやろうとしていることに口を挟んでくるようでは困るが自分が事務官として働くことで他の女性も事務官を目指す者が現れることをこの人は期待しているのね。

 好感が持てるわ。


 私が彼女の履歴書見ると彼女は既に結婚しているようだが子供はいないらしい。

 年齢は21歳だ。


 くっ! やっぱり10代で女性は結婚するのが普通のようね。


「働くことに対して旦那様は何か言ってはいないですか?」


「はい。夫は働くことには協力的です。女性が事務官になっても実力でなるなら問題ないと」


 その旦那さんは理解があるわね。


 働く女性にとって家族の支援は大切なことだ。

 おそらくターニャに子供ができてもその旦那さんなら育児に協力してくれるかもしれない。


「もし子供ができたらこの仕事は辞めるつもりですか?」


 私はわざと意地悪な質問をする。


「いえ。できれば続けたいです。ワイン伯爵様が認めていただけるならですが……。夫も子供ができたら二人で子供の世話をしようと言ってくれてますし」


 その旦那さん、理解あるわ~。

 日本では男性が育児を手伝うのも珍しくなくなってきたがこの国でそんな柔軟な考えを持ってる旦那さんは貴重よ。


 そして他にも質問をして面接が終わる。

 残りの人たちも全て面接が終わってその日は帰らせた。



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