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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第57話 勇者の募集はありません

「ここが職業紹介所です」


 ジャッカルは私に向かって声をかける。

 私がその建物を見ると看板に「職業紹介所」と書いてある。


 私とジャッカルはその建物に入った。

 中はそれなりに広いが仕事を求めて来ている人たちで混んでいる。


 けっこう仕事を探している人が多いのね。


「このファイルに求人募集の紙があってそれを見て自分の条件にあった仕事を見つけるんです」


 ジャッカルは棚に置いてあるファイルの一つを取って見せてくれた。

 ファイルは職業別になっているようだ。


 へえ、ちょっと中身を見てみましょうか。


 私はファイルの求人募集の紙を見てみる。


「清掃作業員募集、年齢25歳以下。男性限定。経験者優先採用か」


 あまり日本とも変わりがないようだが貴族が募集している紙もある。


「メイド募集。年齢30歳以下。身分証明書持参すること。住み込みも可能」


 ふむふむ、貴族宅で働くから身分証明書が必要なのね。

 まあ、普通に考えて身元の分からない者が貴族宅で働くってあまりないわよね。


 私は庭に倒れていた身元不明者だったけど、今更ながらワイン伯爵が私を養女に迎えるってよく決心できたわよね。

 やっぱりワイン伯爵は人が良すぎる。

 そのおかげで私は助かったんだけどさ。


「こっちは馬番募集。30歳以下。男性限定。馬を好きな人歓迎ねえ」


 この世界特有の職業かもね。

 日本で馬番募集ってのはあまり見たことないし。

 そうだ! ここは異世界だったわ。

 「勇者」募集とかないかな?


 私は職業別のファイルを探してみたが「勇者」の職業はなかった。


 ちっ! 勇者ぐらい作りなさいよ! その方が面白いでしょうが!

 ノリの悪い神様ね!




 そんなこと言われてもないものはないのである。




「ジャッカル。この求人募集に応募したい場合はどうするの?」


「希望のものがあったらここの職員にそのことを話して応募用紙をもらって指定された場所に送るんです」


「そうなの。それで面接するってこと?」


「はい。人気の高い職業の場合は応募人数も多いので普通は書類審査をして数名に絞って面接することになります」


 基本的にはそんなに日本と大きな差はないわね。

 そういえばクリスは文官になりたいと言ってたけどここには文官募集ってないけどどうやって文官になるんだろう。


「クリスは文官になりたいって言ってたんだけど文官とかもこういうところで募集するの?」


「文官は高位職になるので町の職業紹介所ではなく王宮へ貴族からの推薦状を持って申し込むのが普通です」


「それで文官の試験とかあるの?」


 私は自分が試験を受けて公務員になった時のことを思い出していた。

 ものすごい人数が応募していて自分が合格した時は私よりも親の方が喜んでた気がする。

 その時は私も「公務員神話」をまだ信じてたし。


「基本的には文官を目指して貴族の推薦状をもらうぐらいの人物は読み書き計算はできる者なので面接で合否を決めるって聞いたことがあります」


 ふ~ん、推薦入学のような感じなのね。


「でも見る限りやっぱり女性がなれる職業は少ないわよね。男性限定って書いてるものが多いし」


「まあ、基本的には女性は結婚して育児中は仕事ができませんし、雇用主にしてみればそのたびに仕事を辞める女性より長く勤めてくれる男性を選ぶのが多いってことじゃないですかね」


 やっぱり子育て支援は早急な課題ね。


「とりあえずなんとなくこの国の仕事が分かった気がするわ。今日はこれで帰ることにするわ」


「分かりました。じゃあ、屋敷へ戻りましょう」


 私はジャッカルと屋敷に戻った。

 ジャッカルのところで着替えて私は伯爵令嬢の姿に戻り伯爵家へ戻る。

 するとクリスが私の部屋にやってきた。


「アリサ。町の視察はどうでしたか?」


「そうね。とても参考になったわ。新しい課題も見つかったし」


「そうですか。父上と母上にはアリサが不在だったことはバレていないので安心してください」


「ありがとう。クリス」


 クリスが優秀で助かるわ。


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