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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第53話 季節が地球規模です

 私はジャッカルと市場に向かいつつ先ほどの本屋で漫画本が高値で売っていたことを思い出す。


 この間のお金の印刷技術については神様に誤魔化されたけど、この世界に普通に本が売ってるってことは印刷する機械が存在するということは間違いない。


 だがあの漫画本の値段から見ておそらくそういう機械は高額なのかもしれない。

 だからきっと漫画本があんなに高い金額になってしまうのだろう。


 それにしてももし漫画本が一冊二千円もするなんて100巻とかある漫画本を揃えるのって到底子供にはできないわよね。


 お兄ちゃんなんか毎月何冊も好きな漫画本を買っていたけどお兄ちゃんがこの世界に異世界転移しなくて良かったわ。

 間違いなく破産への道をまっしぐらに進んでいくこと間違いなしだもんね。


 お兄ちゃん! 間違ってもこの世界に来るんじゃないわよ!


 それにしてもお金は「円」で日本と同じだけどお金の「価値」は日本と微妙に違うわね。

 村長たちの年収が100万円ぐらいというのも考えると日本にいた頃の感覚でお金を使うと大変なことね。

 これがこの世界の微妙な異世界感だから気をつけないと。


 あまりに微妙な異世界感で涙でそうよ。


 そんなことを考えていると私たちは市場に着いた。


「ここは果物の市場です」


 ジャッカルの言葉に私は市場にある果物を見る。

 葡萄や桃やりんごやみかんなどいろんな果物がある。


 でもちょっと待って!明らかに今の時期に取れるわけない旬じゃない果物たちが一緒に売られてる。


 今はスーパーで旬じゃない野菜とか果物が普通に売ってるけど、それはハウス栽培などをして作っているからそんなことができるのだ。

 ここにもハウス栽培みたいな高度な農業が発達しているってこと?


「ねえ、ジャッカル。これって今が収穫時期ではない果物が一緒に売ってるけどどうしてなの?」


「え? ああ、それは他の領地などからも商人たちが売りに来るからですよ。ダイアモンド王国は地域によっては涼しい土地もあれば逆に暑い土地もあるので」


「でもこの国には春夏秋冬はあるわよね? 夏に寒いとか冬に暑いとかって土地があるの?」


「ええ。ダイアモンド王国の北の土地と南の土地では季節が逆になりますから」


「はあ!?」


 それって私のいた世界の日本が夏の時にオーストラリアは冬っていう意味と一緒ってこと!?


「それってダイアモンド王国の北の土地が夏の時は南の土地は冬ってこと!?」


「そうですよ」


「一つの国の中で!?」


「はい。それがどうかしましたか?」


 どうかしたじゃないわよ!!

 なんで一つの国の中で地球規模の季節の違いがあるのよ!!

 それともなに? このダイアモンド王国って地球規模の国土の広さでもあるって言うの!!??


「ダイアモンド王国ってもしかしてとてつもなく大きな国土を持っているの?」


「いいえ。大陸の中の国では最も小さいですし、周囲の三大国はこの国より遥かに大きいですよ」


 ちょっと、ここは落ち着こう。

 まずは距離感の感覚を教えてもらおう。


「例えばだけど、ダイアモンド王国の北の端から南の端まで行くのに馬車で何日かかるの?」


「そうですねえ。馬車だったら10日もあれば着くんじゃないですかね……」


 馬車で10日で端から端まで行けるならそんなに大きな国ではない。

 なのに北と南で季節が逆転するなんてあり得る?


 く! この世界に春夏秋冬があるって聞いて油断したわ!

 やはり異世界ね! 侮れないわ!


 これからは言葉通りに受け取るのは注意した方がいいわね!



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