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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第40話 一年は365日です

「友引があるってことは大安や仏滅とかもあるの!?」


「はい。ありますよ。ダイアモンド王国の古い暦の一つですね」


「じゃ、じゃあ。大安の日に結婚式するとか祝い事するとか、逆に仏滅の日は避けるとかするの?」


「ええ。そうですよ。僕の成人の儀も大安の日にしました」


 クリスはニコニコと笑顔を浮かべる。


 私も今時の若者だけどさ。

 今の世の中で「六曜」を気にする若い人ってあんまりいないんじゃない?


 あ、でも私の友人は大安に結婚式したっけ。

 普段の生活ではあまりカレンダー見て「今日は大安だからいいことありそう」とか「仏滅だから大人しくしてよう」とかは思わないけど、まだ日本の冠婚葬祭には影響はあるわね。


 私のおばあちゃんも結婚のご祝儀を渡す日をちゃんと大安の日にしていたのを思い出す。


 しかも友引に死刑ができない理由は「火葬場が休みだから」とかなくない?

 ここは異世界でしょ!?

 異世界ファンタジーじゃなくて現代ファンタジーにジャンル変えてもいいんじゃない!?




 いえ、異世界転移したのは事実ですから。




 まったくどこまでも異世界要素のない世界よね。


「ねえ、クリス。この国のカレンダーとか持ってない?」


「カレンダーですか? 僕の手帳に書いてあるものでいいですか?」


「かまわないわ。ちょっと確認したいだけだから」


 クリスは私に手帳を渡す。

 私は手帳を見て、溜息をついた。


 手帳のカレンダーは1月から12月までありそれぞれの月の日数も同じ。

 つまりはこの国の一年は365日ということだ。


 そしてご丁寧に六曜も記載されている。

 だけど私はあることに気付いた。


「クリス。このカレンダーって曜日の記載がないけど……」


「ようび? ようびって何ですか?」


「へ? 日曜日とか月曜日とかあるじゃない?」


「いえ。そんなのは初めて聞きました」


「はあ!?」


月が12月あって六曜があるのに曜日がない!?

 何でそんな中途半端なことをするのよ!!

 ここは普通に曜日があっても誰も文句言わないわよ!!


「本当に曜日ってないのね?」


「はい。聞いたことありません」


「ハハ……」


 この世界って微妙にやっぱり私といた世界と違うのね。

 でもその違いが微妙過ぎてよく分からんわ!


 これからもこの微妙な違いに気をつけないと命取りになりそうだわね。

 ある意味これも異世界感なのかな。


「とりあえず話を元に戻して。ここにいる囚人たちを労働力として活用できないかな?」


「囚人を働かせるんですか?」


「そう。殺人のような重罪人が死刑なのは致し方ないとしてもそれ以外の窃盗とかの罪で死刑は重過ぎると思うの」


「まあ。それは僕も思いましたが……」


「だからそういう囚人は労働させて一定の年数働いたら刑務所から出してあげるってことはできないかな?」


 クリスは「う~ん」と考えている。

 まあ、この国では前例のないことでしょうから悩むわよね。

 クリスはここの領地経営を国から任される立場の人間だし。


「すると囚人に畑仕事をさせるということですか?」


「そうね。できればそうしたいけど……」


「でもそうなると囚人が逃げ出さないように見張る人物が必要ですよ。警備隊の人数を増やすにしても限界が……」


 そうねえ。村人が警備隊になったらそれはそれで畑仕事する人がいなくなるわよね。

 それでは本末転倒だわ。

 何かいい案ないかなあ。


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