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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第34話 お金の隠し場所は同じようです

 イリン村に近付くと景色は畑や果樹園などが広がる。

 だけど私はあることに気付いた。


 畑や果樹園で働いているのはだいぶ年配の男性たち。

 しかもその人数は思っていたより少ない。


 土地も畑として使われてない荒れた土地も目立つ。

 水路とかはあるからもしかしたら昔は畑を作っていたけど今は作るのはやめている土地なのかもしれない。


 畑にできる土地があるのに畑として活用してないなんて。

 それじゃあ、農作物の収穫量が少なくなるのは当たり前じゃない。

 何で畑にしないんだろう。


 私たちの馬車がイリン村に入ると村人が驚いたように馬車の方を見る。

 この馬車にはワイン伯爵家の紋章が描かれている。

 だから馬車に乗っているのがワイン伯爵家の人間だと気付いたのだろう。


 そして村の中央にある広場に馬車を停める。

 私とクリスは馬車を降りた。

 すると前から慌てて走ってくる中年の男性がいた。


「これはワイン伯爵家のクリスタル様ではありませんか!」


 その男性はクリスに頭を下げる。


 そういえば普段クリスって呼んでるから忘れがちだったけどクリスの本名はクリスタルだったわね。


「こんにちは。ウッド村長さん。今日は姉になったアリサが村長さんに会いたいというので連れて来ました。突然、お邪魔してすみません」


 クリスはそう言って笑顔で村長に話す。


「私にアリサお嬢様が会いたいと?」


「ええ。そうなの。ちょっとお話を聞きたいんだけど家の中に入れてくださる?」


 私たちが来ることは村長には言ってない。

 だって来るのが分かったら証拠を処分されてしまうかもしれない。


「わ、私の家にですか?」


「ええ。そう。貴方の家よ。それとも私たちに外で立ち話をしろと言うのかしら?」


 私はわざと貴族令嬢らしく上から目線でものを言う。

 村長の顔は明らかに動揺していたが私たちを自分の家に案内した。


「ここが私の家です。散らかってますがどうぞ」


「ありがとう。村長さん」


 私とクリスは部屋の中の木でできた椅子を勧められる。


「どうぞ。お座りください」


 私とクリスが座ると村長は立ったまま私たちの次の言葉を待っている。


「村長さんも座ってください」


 クリスが村長に椅子に座るように言う。


 あ、そうか。私たちの方が身分が上だから許可しないと座れないのね。


「それで御用というのは?」


「実はこのイリン村の農作物の収穫量が隣り合う二つの村より遥かに少ないんですけど、何か理由があるんですか?」


「え? あ、いや。ここ数年は不作でして……。ハハ……」


 村長は誤魔化し笑いをする。


 これは当たりね……。


 私は椅子から突然立ち上がると近くにあった棒を手にして椅子の上に立ち上がる。

 そして一気に棒を使って天井の一部を壊した。


「な、何を!!」


「アリサ!?」


 驚く村長とクリスの前に天井からバサバサと何かが落ちてきた。


「こ、これは!? お金!?」


 クリスが落ちてきた札束を拾う。


「次はここね!」


 私は今度は床の色が一部変わっている場所を棒で破壊する。

 床は壊れて中は空洞になっておりその中にも札束があった。


「な、なぜお金の隠し場所が!?」


 フッ、税務課の知り合いからよく滞納者が現金を隠すところって言って教えてもらった知識が役に立ったわ。


 視察なんか来るはずないと思ってる素人だからあまり深く隠し場所を考えなかったのだろう。


「ウッド村長さん。このお金は何かしら?村の売り上げにしては額が多すぎないこと?」


 私のドスの聞いた声に村長は震え上がった。


「す、すみません!!! これには深いわけがあるんです!!!」


 へえ、その深いわけとやら聞かせてもらいましょう。


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