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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第25話 領主の権限はどこまでですか

 私はシラーが持って来てくれた書類を前にして予算要求の金額を出すために過去3年間の事業に使用した経費を計算し始める。


「アリサ。僕も手伝います」


 クリスも書類と算盤を持って私のやり方を真似ながら手伝ってくれる。


 まだ12歳なのに計算も完璧にできるなんてやっぱりクリスは天才よ。

 天才でイケメンなんてそう出会えるものではない。

 ああ、クリスがせめてあと5歳ぐらい年齢がいっていれば良かったのに!


 私は黙々と手を動かしながらもそんなことを考えていた。


「アリサ様。我々も手伝えることは致しますが」


 シラーがそう言ってくれた。


「いえ、シラーとシャルドネは引き続き、まずは実績報告書の作成をしてちょうだい。そっちも大事だから」


「分かりました」


 事務は基本的に分担してやった方が効率がいい。

 やる人が多ければいいというわけではないのだ。


 事業の過去の経費が計算されると私はそれを元に一定の率をその金額にかけて予算額を決めていく。

 そしてその日も夕食の報せとともに作業を終わらせた。


 さすがに一日やそこらじゃできないわね。

 でもこれぐらいの量なら深夜まで残業してまでやることはないわね。


 私は事前にワイン伯爵が王都に出発する日を聞いておいた。

 ここから王都までは馬車で二日ほどかかるらしい。


 そして国王への新規事業の説明と首席財務事務官と財務事務官への実績報告と新規事業以外の事業の進捗状況などを説明する。


 それが終わると首席財務事務官と宰相たちとの会議で各領主たちに配布される予算金額が決まるらしい。


 そしてその日は夕飯を食べて私は自室に戻る。

 まだ就寝の時間には早いので私はクリスから借りた「ダイアモンド王国の法律書」を開いてみた。


 私が最初に探した法律は「領主貴族の権限」という項目だ。

 日本では国が決める案件とそれぞれの都道府県知事の権限で決められる案件というものがある。


 ワイン伯爵は日本で言えば知事のようなもの。

 ならばワイン伯爵の権限で決められることがあるはずだと思ったのだ。


 そして私の考えのとおりに「領主貴族の権限」の項目が書いてあった。

 まずは領主貴族の身分に関することが書いてある。


 『領主貴族になるためには伯爵以上の爵位を有する者であること』。

 

 なるほど。領主になるためには伯爵以上の爵位が必要なのね。


 そしてそこには領主貴族の権限で決められることが書いてある。

 私はその部分を読み始める。


 なぜ私がそこに注目するかというと領内のいろんなことを改革するのに後で国から「それは違法だ」と言われないため。


 ワイン伯爵の権限でできるということが法律で決まっていればそれを根拠にしていろんな政策を打ち出すことができる。

 逆に言えば法律違反じゃなければワイン伯爵が領内でどんな政策をしても国は責められない。


 全てを読むのは時間がかかるがこれはこれからのワイン伯爵領にとってはとても大事なことだ。

 私は就寝時間までの時間を使ってその日から法律書を少しずつ読むことにした。


 私の公務員(事務職)スキルは異世界でも通用することを証明してやるわ!


 だけど事務処理をすると頭が疲れる。

 日本にいたらこんな時こそモチ大福屋のイチゴ大福を食べて疲労回復するところだがここにはそれが無い。


 あ~、イチゴ大福食べたいな~


 その日の夢もイチゴ大福が出て来たことは言うまでもない。


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