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第239話 旦那が行方不明ですか?

「え? シャンデリア?」


 エディは突然現れた私に驚きながらも困惑した表情になる。


「そうよ。エディは王宮の使用人でクレイ男爵家のシャンデリアを知ってるわよね?」


「は、はい、知ってはいますが……」


「そのシャンデリアとあなたがどういう関係かを教えて欲しいのよ。できればそこにいらっしゃるロゼッタさんとの関係も教えてもらいたいわね」


 私は笑みを湛えたままエディを見つめる。


 さあ、白状しなさい! エディ。

 あなたがデリアの恋人なのかそれともこのロゼッタという女性が恋人なのか。ハッキリしてもらおうじゃないの!


「わ、私とシャンデリアの関係ですか? なぜそんなことをアリサ首席総務事務官様が知りたいのですか?」


 エディは逆に私に質問してくる。

 私はコホンッと咳払いをして言葉を続けた。


「シャンデリアは私の弟のクリスタルと恋人同士なのよ。でもその弟からあなたがシャンデリアに髪飾りを贈っているところを目撃したと聞いたの。だからあなたがシャンデリアの恋人なのか確認したくてね。見たところそちらのロゼッタさんとも仲が良さそうだしいったいどういうことなのか真実を知りたくてあなたを探していたのよ」


 エディはロゼッタと呼んでいた女性と顔を見合わせている。

 そしてハッキリとした口調で私に断言してきた。


「私はシャンデリアの恋人ではなくロゼッタの恋人です」


「じゃあ、なんでシャンデリアに髪飾りを贈ってたの? いつも優しくしてくれるお礼だよって言ってたらしいじゃない」


「それは……シャンデリアは私とロゼッタの恋を応援してくれていていつも私に絶対にロゼッタを諦めないでって慰めてくれて優しくしてくれるのでそのお礼をしただけです」


 え? ロゼッタとエディの恋をデリアが応援してるの?

 ロゼッタを諦めないでって、ロゼッタが人妻だからかしら?

 いえ、まずはデリアとロゼッタとエディの関係を整理した方がいいわね。


「ちょっと待って。何か行き違いがあるような感じはあるけどそもそもシャンデリアとロゼッタさんはどういう関係なの?」


「ロゼッタはシャンデリアの叔母です」


「シャンデリアの叔母さんなの?」


「はい」


 なるほど、そうなるとシャンデリアは叔母とエディの恋を応援していたからそのお礼にエディが髪飾りを贈っただけだったのね。

 それならデリアはクリスとエディに二股をかけていた訳ではない。


 とりあえず二股疑惑は解決ね。でもロゼッタが人妻でエディと不倫しているならそれは一人の女性として私自身が許せないわ。


 このダイアモンド王国では複数の婚姻を結べるのは王族のみ。

 一般貴族や平民は夫や妻は一人だけだ。


 それでなくとも不倫は家庭を壊す原因だ。いくらエディとロゼッタが愛し合っていても私は見過ごせない。


「分かったわ。シャンデリアはあなたとロゼッタさんの恋を応援していただけなのね。でも先ほどロゼッタさんとの会話でエディと会うのに家族に迷惑がかかるとか子供が寝てからしか会えないと話してたけどその理由は何なの? ロゼッタさんは人妻じゃないの?」


 するとそれまで黙っていたロゼッタがぶわっと涙を溢れさせて泣き崩れそうになった。

 慌ててエディがロゼッタの身体を支える。


「ご、ごめんなさい! わ、私が、悪いんです…デリアにもエディにもクレイ男爵家にも迷惑かけてしまって……」


 やっぱりロゼッタは不倫していたのかしら。


「ロゼッタ、泣かないで。君が悪いんじゃない。君を裏切って行方不明になった旦那が悪いんだ」


 泣きじゃくるロゼッタの背中を撫でながらエディは憎々し気な表情をしてロゼッタを慰める。


 行方不明? ロゼッタの旦那って行方不明なの?

 なんか訳ありな様子ね。詳しく話を聞く必要がありそうだわ。

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