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第238話 二股も不倫も許しません

 私とサタンは馬で夜の王都を進んで行く。

 王都は夜でもそれなりに明るい。


 開いているお店はやはり酒場のようなお店が多そうだ。


 ああ、私も居酒屋でお酒飲んでストレス解消したいなあ。

 美紀と一緒にお酒飲んで馬鹿話していたことが懐かしいわ。


 そうは思うものの今回はエディに会うのが目的なので酒場でお酒を飲むのは諦める。

 とにかくクリスの恋がうまくいくようにエディとデリアの関係をハッキリとさせる方が先決だ。


 しばらく街の中を馬で走り一つの建物の前でサタンが馬を止めた。


「……ここです……アリサ様……」


「ここが特殊部隊の外番の人たちがいる建物なのね」


 見た目では二階建ての少し大きな建物だがそれ以外に建物に変わったところはない。

 看板とかも出てないし一見普通の住宅のようにも見える。


 まあ、特殊部隊が仕事するところだから目立っても仕方ないわよね。

 だけどどうやってエディに会おうかな。


 とりあえず馬から降りて私は建物の前で悩む。

 サタンは馬を近くの夜でもやっている馬屋の預けに行った。


 直接エディに会ってデリアとの関係を問いただしてもエディに嘘を吐かれたらそれでお終いだ。

 サタンが戻ってきても私はこのまま建物に入ってエディを直撃するか悩んでいた。


 私が悩んでいると建物の扉が開いた。

 慌てて私はとっさに建物の陰に隠れる。

 サタンも軽い身のこなしで私と一緒に隠れた。


 すると中から三人の男性が出て来る。

 そのうちの一人は茶髪で眼帯をつけている男性だ。


 あ! きっとあの人がエディだわ!


 三人の男性は私やサタンには気付かず建物の前で話をしている。


「それじゃ、これで今日の仕事は終わりだからエディも飲みに行かないか?」


「いや、俺は今夜は彼女と会う予定だから」


「そうか。エディも頑張るよな。エディの恋を俺も応援するぜ」


「ああ、ありがとう」


 え? エディはこれから恋人に会うの?

 その恋人がデリアに違いないわね。

 よし! エディとデリアが会ってるところに突撃してデリアに真実を聞いてみよう。


 二人の男性と別れてエディは歩いて行く。


「サタン。エディの後を追うわよ」


「……はい……」


 エディの後を追う私はドキドキしてくる。


 人の後を尾行して問題解決するなんて自分が探偵にでもなった気分だわ。


 しばらく歩くとエディは小さな公園に入って行く。

 私もサタンもその公園に入るとエディはベンチに座っていた女性に声をかけた。


「お待たせ。遅くなってごめんね」


「大丈夫よ。お仕事お疲れ様、エディ」


 その女性はデリアではない。

 金髪の女性だが年齢はエディよりも年上に感じる。


 え? この年上女性がエディの恋人なの?

 もしかしてエディもデリアとこの女性と二股をかけてるとか?


「こんな夜しか会えなくてごめんなさいね。エディ。家族になるべく迷惑かけたくないから」


「仕方ないよ。ロゼッタ。君にはまだ幼い子供がいるんだし、子供が寝てからじゃないと俺と会えないのは分かってるから」


 ちょっと待ってよ! このロゼッタって女性は子持ちなの?

 家族に迷惑かけたくないってもしかしてこの二人って不倫してるとか?


 デリアとロゼッタと二股かけててしかも片方の女性と不倫関係なんて許せないわ。

 ここはハッキリさせた方がいいわね。


「行くわよ、サタン」


 私はエディとロゼッタに近付いて声をかけた。


「ちょっと失礼します、エディさん」


 エディは驚いたように私の方を振り向く。

 そして片目を大きく見開いた。


「あなた様は、アリサ首席総務事務官様!」


 特殊部隊のエディは私の顔を知っていたらしい。

 エディの顔には「なぜこんなところに首席総務事務官が」という文字が浮かんでいる。


 私のことを知っているならちょうどいいわ。

 ここで真実を明らかにしてやるわ!


「エディ。あなたに聞きたいことがあるの。あなたとシャンデリアとの関係をね」


 私はニコリと笑みを浮かべる。


 絶対に嘘は許さないわよ、エディ!

 二股も不倫も絶対許せることじゃないんだから!

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