表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/257

第23話 やはりドレスより書類です

 買い物が終わったが私はこのまま帰るのではなく少し町を歩いてみたくなった。


「お母様。少し町を歩いていいでしょうか?」


「まあ、町を散策したいの? なら、この先に町で一番広い広場があるの。そこには植物園もあるしそこに行かない?」


「そうですね。行ってみたいです」


 正直「植物園」にはあまり興味はないが散策する許可を得るためには仕方ない。


 私とローズ夫人はゆっくりと道を進む。

 道は馬車が通る道だからかきちんと石を使って整備されているがチラリとメイン通りから外れた道を見ると普通に土の地面の道になっている。


 伯爵家のある町でも全てが整備された道路ではないってことね。


 行き交う人々を見ると私たちのようなドレスを着た者もいたが庶民だと思われる人たちは地味な服装をしている。


 特に買い物籠などを持っている女性を見てみたが彼女たちはスカートを履いてるがヒラヒラしたものではなく動きやすい感じの服だ。


 本当ならあんな感じの作業しやすいスカートがいいわね。


 だが、私は伯爵令嬢だ。

 たとえ美紀に笑われようが今の私は伯爵令嬢。

 なので粗末な恰好で出かけるとワイン伯爵の顔を潰すことになってしまう。


 そして路上に敷物を敷いて商品を並べて売ってる人もいる。

 集まって売ってるわけではないから市場というわけではない。


 そう言えばここに市場とかあるのかな?

 後でクリスに聞いてみよう。


 私とローズ夫人は町の広場に着く。

 そこの広場はかなりの広さだ。

 なぜこんなに広い場所なんだろう。


「お母様。この広場の空間は何かに使用されるんですか?」


「ええ。時々旅芸人の一行がやって来るの。ここにテントを張っていろんな芸を見せてくれるのよ」


「へえ。そうなんですね」


 移動サーカスみたいのが来るのかな?


「今度旅芸人が来たらアリサも見るといいわ」


「そうですね。楽しみにしてます」


 そういえば美紀からチケットもらってサーカスを見にいったことがある。

 動物の芸やピエロの芸が面白くて楽しかった。


 この世界の動物はまだ馬しか見てないけど変わった動物とかいるのかな。

 ユニコーンとか翼の生えた虎とか。


「お母様。この世界にはユニコーンや翼の生えた虎とかいますか?」


「まあ、アリサったら。冗談が上手いわね。そんな動物はおとぎ話の中にしかいないわよ。アリサは夢を見るのが好きなのね」


 いえ、真面目に聞いたんだけど……。

 やはりユニコーンとかはいないか。

 異世界感が足りない世界だもんね。


 そして広場の奥に「植物園」があった。

 そこでは薔薇の花が咲き乱れていた。


「すごく綺麗ですね」


「そうでしょう? ここの薔薇はこの国にある全ての品種が集まってるのよ」


「そうなんですか」


 植物と思って甘く見てたけど、ここまで多くの薔薇の花に囲まれていると嬉しい気分になる。

 ここにイケメンがいたら絶対にバックには薔薇の花が描かれているはずよね。

 白馬の王子様もいいけれど薔薇の王子様もいいわ。


 私の妄想は広がっていく。


 それにここは本物の王様がいる世界だもの。

 王子様だっているに違いないわ。

 そういえばここの国王って何歳ぐらいなんだろう。


「お母様。このダイアモンド王国の国王様って何歳ぐらいの方ですか?」


「そうねえ。50代半ばくらいだったかしら」


「王子様はいるんですか?」


「ええ。お二人いらっしゃるわ」


 国王が50代なら王子は20代くらいよね、きっと。

 いつか会ってみたいわね。


「さあ。そろそろ帰りましょう。アリサ」


「そうですね」


 そろそろ村長たちの提出書類も集まっている頃だ。

 ああ、やっぱり私はドレスより書類を気にする悲しい事務職なんだわ。

 その現実に涙が出そうよ。


 でも村長たちの報告書が気になるのは事実。

 よし、急いで帰りましょう。

仕方ないわ。『天下統一』するのが私の使命なんだから。




 お前は戦国時代の大名か。




「お母様。今何か言いました?」


「いいえ」


「そうですか」


 私はローズ夫人と屋敷に帰った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ