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第147話 恋事情はいろいろです

「ねえ、クリス」


「はい。何ですか?」


「このお店ってデリアと来たのよね?」


「は、はい、そうです。彼女がお肉を食べたいと言うので」


 へえ、デリアはお肉が好きなのか。

 もしかして肉食系女子?


「デリアって今何歳?」


「デリアは13歳です」


 まあ、見た目からクリスと似たような年齢だとは思ったけど。

 年齢的に見てもクリスとはお似合いね。


 それにしてもクリスも6月で13歳よね。

 こうやって改めて見ると出会った頃より身長も少し伸びたわね。

 イケメン度がますますアップして来たわ。


 そういえば中学生ぐらいが一番成長期よね。


 私はふと自分の中学生の卒業アルバムを思い出した。


 中学一年生と中学三年生ではみんな顔立ちも体も別人のように成長してたっけ。

 これはますますクリスの成長が楽しみだわ。


「デリアは貴族なの?」


「はい。男爵家の三女だって言ってました」


 男爵家か。まあ、貴族であるならワイン伯爵も反対しないだろう。

 そもそもワイン伯爵の性格からしてクリスが自分で選んだ相手に結婚反対なんて言う訳がない。

 素性も分からない私を養女にするぐらいだもん。 


「それでデリアとは付き合っているの?」


「え? それは……まだ、正式にお付き合いを申し込んでいなくて……」


 あら、両想いなのに?

 そうか。両想いなのを知ってるのは私だけか。


「ちゃんと自分の気持ちを伝えて付き合った方がいいわよ」


「はい。今度、デリアには自分の気持ちを伝えてみます」


 クリスは顔を赤くしながらも答える。


 それがいいわ。両想いだからきっと彼女も受け入れてくれるはず。


 そこへステーキが運ばれてきて私たちはお肉を食べる。


 なかなか美味しいお肉じゃない。


 サタンも大きなステーキを豪快に食べている。


 そういえばサタンは孤児だったみたいだけど今は多分独身よね?

 サタンに好きな人はいないのかな?


「ねえ。サタン」


「……はい……」


「サタンは独身よね?」


「……はい……」


「結婚はしないの?」


「……結婚は……好きな人としたいので……」


 ん? なんか意味深な言葉ね。

 好きな人がいるってことなのか、好きな人をこれから見つけたいのか。

 両方の意味に取れるわ。


「それって好きな人がいるってこと?」


「……はい……でも私とは釣り合わないので……」


 釣り合わないって、それは身分のことかな。


「それって身分が釣り合わないってこと?」


「……はい……相手は貴族なので……」


 まさかの「身分差恋」ってこと!?

 う~ん、サタンは高給取りだけど身分は貴族じゃないもんね。

 この世界特有の恋愛事情だけど応援したくなるわ。


「大丈夫よ、サタン。貴方の気持ちはきっと届くわ。諦めちゃダメよ!」


「……はい……」


「私に協力できることは言ってちょうだい。私も一応伯爵令嬢だし協力できることは惜しまないわ」


「……はい……」


「お相手の爵位とかは?」


「……秘密です……」


 サタンの表情はいつも通り変わらない。


 う~ん、サタンの恋事情も気になるけど、サタンは口が堅いからこれ以上の追及は無理ね。


「そう。もしサタンが結婚式する時は私も呼んでよ」


「……はい……」


 だってサタンの新郎姿なんて想像しただけで素敵だもん。

 ブランとゼランが太陽ならサタンは月って感じ。

 まあ、月というか悪魔なんだけどさ。


 私は先ほどの騒動を思い出した。


 本当に気をつけないとサタンが暴走したら死体の山ができそうね。

 あ、そうか。それぐらい強いから三大国にも警戒されているのか。


 私はステーキを食べながら思う。


 サタンにも幸せになってもらいたいわね。

 奥さんもらって子供が生まれて家族ができたらサタンも一人じゃなくなるし。

 それにサタンの子供は絶対イケメンだわ。


 私はまだ見ぬサタンのイケメンの子供を想像しながら休日を満喫した。


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