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第122話 支払いはこれが主流です

 私は他のスイーツ店みたいな場所も確認したがやはり「イチゴ大福」はなかった。


 やっぱりこの国には「イチゴ大福」はないのかなあ。


「次はツキ市場を見てみるかい?」


「はい。ブラン様」


 私たちは商人たちが取引をするツキ市場に向かった。

 ツキ市場に行くといかにも商人らしき人たちの姿が増える。


「ここには外国からの商人たちも多く集まるんだ。だからダイアモンド王国以外の特産物も多く扱っている」


「そうなんですね。ここも広いですねえ」


「商人たちが売買する荷物の量は多いからね。どうしても広い場所が必要になるんだ」


 そうか。個人で売買するような物の単位じゃないもんね。


 私は商人たちの売買を見ていたが彼らは商談がまとまると何やら相手に紙を渡している。


 何を渡してるんだろう?


「あの、ブラン様。商人たちが渡しているあの紙切れは何ですか?」


「ああ。あれは「小切手」だよ」


 小切手!?

 この世界には小切手があるの!?


「商人たちは小切手で支払いをするんですか?」


「そうだよ。多額の現金を持ち歩くのは大変だからね。この国では小切手払いが主流だ。文官の給与とかも基本は小切手だよ」


「え? そうなんですか?」


「法律では給与は原則「現金払い」ってことになってるけど、必要と認めた場合は「小切手払い」ができるって書いてるよ」


 私は荷物の中からダイアモンド王国の法律書を取り出す。

 何かあった時のために私はダイアモンド王国の法律書を持ち歩いているのだ。


 私は文官の給与の項目の中にブランが言ったとおりの言葉が書かれているのを確認する。

 法律書には『文官の給与は原則現金払いとする。ただし必要と認めた場合は小切手払いができることとする』と書いてある。

 これは「できる規程」のひとつだ。


 日本の公務員の給与も原則は「現金払い」だが日本の場合はただしの後が小切手払いではなく「口座振り込み」ができるになっている。

 公務員の大部分は口座振り込みで給与をもらうが一部の職員は「現金払い」を希望して未だに現金で受け取っている人もいると聞いたことがある。

 まあ、原則は現金払いなのだから職員に「口座振り込みにしてくれないかな」とお願いはできても強制的に全員口座振り込みにすることはできないのだ。


 だけど小切手払いができるということはこの世界にも金融機関があるってことね。


「ゼラン様。この国に金融機関はあるんですか?」


「もちろんあるよ。この国では「金行」ってところがあってそこに小切手を持って行くとお金に換えてくれるし、お金を預けたりおろしたりできるんだ」


 ハハ……。「銀行」じゃなくて「金行」ね。

 この際、名前が多少違っても金融機関があることが分かったのは収穫だわ。


「それでここで商人たちは商品を仕入れて他の町とかに売りに行くんですか?」


「基本的にはそうだね」


「荷物を運ぶのは馬車ですよね?」


「うん。そうなるね」


 馬車がこの世界の主流な乗り物なら物流や人流をスムーズにするためにも街道整備は必要よね。

 ん? 人流で思い出したけどこの国の国民って他の町に行くのは馬や馬車を使うのが主流なのかな。


「ブラン様。この国の民は町と町の間の移動って馬を使うんですか?」


「そうだなあ。収入に余裕のある民は馬を飼っていてそれを使うけど、ほとんどの民は歩いて移動してると思うが」


 歩いて移動かあ。なんかこの世界にもバスとかの代わりになるようなモノが欲しいわよね。

 移動にかかる時間を短縮できたらその分他のことに時間が使えるし。


 『乗合馬車』とか作ったらどうかな?

 乗合馬車に少しお金を支払えば次の町まで連れて行ってくれる方が民は楽よね。

 お年寄りや子供に歩いて移動させるのは大変だしさ。


 ちょっと検討してみようかな。



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