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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第12話 クリスは天才児のようです

 リビングのソファにクリスと座っているとメイドさんが紅茶を淹れてくれた。


 う~ん、紅茶を飲んでゆったりしていると貴族感が増すわね。

 それにしてもあの報告書類には驚いたわね。


 何かの実績を出して比較するためには同じ様式に記入するのが普通だ。

 一目で他の村との比較ができる書類でなければならない。

 それに収穫量がどのくらいかなどを比較する時は過去3年間分の実績と比較する必要性がある。


 予算を要求する場合も同じ。

 過去3年間の実績に基づいて新年度の必要な予算を計算する。


 後で、過去の書類も調べないとだわね。


「クリス。去年とか一昨年の報告書は保存してある?」


「はい。資料倉庫に過去5年間分はあります」


 5年間分あれば充分よ。

 だいたい役所の書類も重要書類以外は5年ぐらいで廃棄するからね。


「後でその資料倉庫にも行ってみたいんだけど」


「いいですよ。お付き合いします」


 ふう、異世界に来てまで事務をやるとは思わなかったわ。

 事務職が私の天職なのかしら。

 それはそれで夢があまりないようで悲しいわね。


 でもクリスって普通にワイン伯爵と事務整理してたけど、まだ12歳よね?

 書類の内容が理解できてるのかしら。


「ねえ、クリス。さっきワイン伯爵の執務室で見ていた報告書の文字は全部読めた?」


「はい。文章は読めますよ」


「何が書いてあったか内容は分かった?」


「はい。各村で収穫された物などの数量や売買記録ですね」


 クリスは笑顔で答える。

 すごいわ、ちゃんと内容を理解してる。

 クリスって天才児なの?


「クリスって勉学の成績は良いの?」


「ええ。家庭教師からはもうほとんど教えることはないと言われてますけど。文官になるためにはもっと知識が必要だと思うので自分でも勉強してます」


 マジですか!? 家庭教師が教えることがないと? 小学6年生に?

 クリスはマジで天才児かもしれない。

 日本で言ったら同じ事務職でも国の省庁に勤められる実力あるんじゃない?


「クリスなら絶対文官になれると思うわ」


「ありがとうございます。アリサ。アリサに言われるとなんか嬉しいです」


 クリスは心から嬉しそうな笑顔になる。


 うわ!クリスの顔が輝いて見えるわ! さすがイケメン予備軍ね!


 でもクリスが私の事務を手伝ってくれるなら鬼に金棒かもしれない。


「クリス。私の助手になる気ない?」


「アリサの助手ですか?」


「うん。勉学の知識はクリスの方があるかもしれないけど、文官としての心得は教えてあげられるわ」


「本当ですか? それならぜひアリサと仕事したいです」


 これで優秀な人材がゲットできたわ。

 仕事には優秀な人材が必要不可欠だもんね。

 「少数精鋭」を掲げる人事制度のもとで働いてきたから即戦力になる新人確保が大事なことは知っている。


「それじゃあ、資料倉庫を見せてくれる?」


「はい。分かりました。こちらです」


 私はクリスに資料倉庫に案内してもらった。

 そして私はその資料倉庫の書類たちを見て本日二度目の怒声を上げた。


「なんじゃこりゃああああああああ!!!!」


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