表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

115/257

第115話 ブランの元婚約者登場です

 私が総務事務省に寄って自分の宮殿に帰る途中で声をかけられた。


「ちょっとあんた! 待ちなさいよ!」


「え?」


 私が声のした方を振り向くと美しい女性が立っていた。

 金髪に紫の瞳で豪華なドレスを着ている。


 うわあ、紫の瞳って初めてみたけど綺麗ね。


 でもその紫の瞳には憎悪が宿っているのにすぐに気づく。


 え? なに? 私何かこの人にしたっけ?


「えっと。私はアリサ・ホシツキ・ロゼ・ワインですが失礼ですが貴女はどなたですか?」


 私は彼女とは初対面であったが王宮の奥宮に近いところでの遭遇だったのできっと身分が高いのだろうと思って丁寧に質問した。


「私を知らないの? 本当に失礼な人ね。それでよく首席総務事務官なんてやってるわね!」


 女性は紫の瞳を燃え上がらせるように私を睨む。


 睨んでも私はこの人のこと知らないんだけど。名乗ってくれないかなあ。


 するとサタンが私に小声で教えてくれる。


「……この方はキャサリン・アマゾン・ダイアモンド様です……ブラント王太子の元婚約者です……」


 ブランの元婚約者!? ってことはブランのイトコの王族の姫よね!?


 私は初対面で私のことを睨んでる女性がなぜ睨んでるのか理由が分かった。


 なるほど。私のせいでブランと婚約解消になったから怒っているのね。


「失礼しました。キャサリン様」


 私は頭を下げる。


「ふん! ブラントが好きな女性って言うから見に来たけど貧相な体の女じゃない」


 貧相な体? 確かに私は胸とかあまり大きくないけど。


 キャサリンはドレスからはみ出る勢いの大きな胸を揺らしている。


 う~ん、確かに彼女に比べたら貧相って言われても仕方ないかな。

 でも巨乳だからって威張らないでよね!


「あんた。ブランとの求婚を渋っているだけじゃなくて結婚をネタに首席総務事務官になったそうじゃない」


「いえ。そんなことはありません」


 たとえ噂でブランやゼランの力で首席総務事務官になったと言われようとも私からブランやゼランに首席総務事務官になりたいと言った覚えはない。


「嘘おっしゃい! 二人の王子を手玉にとって今度は国を乗っ取る気なの?」


「そんなことは考えていません。私が首席総務事務官にいることがご不満なら国王様にその旨を言ってください。私を首席総務事務官に任命したのは国王様なので」


 私がそう言うとキャサリンは一瞬怯んだ。

 国王はこの国の最高位にいる人間だ。王族の姫と言えども国王に逆らうことはできない。

 私はそう考えて言葉を発したのだが効果はあったようだ。


「ふん! あんたみたいな女は早々に王宮から追い出してやるわ!」


 キャサリンはそう捨て台詞を吐いて行ってしまった。


「……大丈夫ですか……」


 サタンが私を心配してくれる。


 これぐらいの攻撃は別に想定内だもの。

 でもやっぱりキャサリンはブランとの婚約解消を根に持っているのね。


「大丈夫よ、サタン。それよりキャサリン様は王族よね?国王様から見てどういう立場なのか教えてくれない?」


「……はい……キャサリン様は国王様の弟の娘になります……国王様から見れば姪です……」


 なるほどね。国王様の弟の娘か。

 王族の人間の情報も頭に入れておかないとだわね。


 それにしても名前にアマゾンって付くぐらいだから気の強そうな人だったなあ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ