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打倒魔王の魔術学校生徒  作者: 野河マコト
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20話 風属性

「というわけで、風属性の担当になった志越圭人(しごえけいと)だ。よろしくな。」

少し愛想無さげに、冷静そうな声で挨拶した志越先生は、先程の主力属性の授業と同じように話を進めていく。

すると訪れるのだ。

恒例の「暇タイム」が。

俺は頬杖をついたが、そこから顔が落ち、顎が顔についた。

あぁ〜〜〜暇だ〜〜〜。

弱く風を起こしてみようかなー。

あーそれも面倒かー。

どうせすぐ実習に入るだろうしー。

「…何やってんのあんた。」

俺と周りの2人(つまりさっきの4人が近くに座ってる)に聞こえるくらいの声で俺に話しかけてきた。

「いや〜暇だからさ〜。」

当然気の抜けたような声で応える。

「暇になるだけでそんなにたるむの?」

「だってー別に身体動かせるわけじゃないしー。」

「まあまあ、後ちょっとで実習だと思うから、もうちょっと頑張ろ?」

「そうだよ。内容もちょっとずつ違うところがあるし。」

そうかな〜〜?

まぁ確かに詠唱聞かないのはまずいか。

使わないにしてもテストとかに出るかもしれないし。

「ふぅ〜〜〜…、よいしょっ。」

深呼吸するように息を吐き、再び頬杖をつく。

そして暇モードになりそうな意識を何とか持ちこたえ、先生の話を聞く。


やっと実習だ…。

いや内容ほとんど変わってなかったぞ零央…。

「っし!やっと魔法が使える。」

そう言ったのは隣の麗沙。

どう見ても目がやる気に満ちている。

絶対戦闘狂だこいつ。自身は否定してるけど。

それはそれとして、今回の実習は机に置いてあるティッシュを風の魔術で飛ばすというものだ。

まぁ風は目に見えないから、視覚化するためにティッシュを使うのだろう。

上達すれば風で物を切り裂くこともできるらしい。

正直この使い方やってみたいんだよなぁ。

でも上達しなきゃいけないみたいだし、まずは目の前の課題をクリアしないとな。

「それじゃあ魔法を使ってみてくれ。詠唱は知っているな?」

あー…俺詠唱要らないんだよな。

起詠唱は必要だけど多分上手くなればそれも使わなくてよくなるだろうし。

さてと、始めるか。

俺は起詠唱を唱えて、先程の氷の魔術と同じようにイメージした。

風の方向は上向き。でも進み方は指定しない。

風は真っ直ぐ動くものではないと思うからだ。

あとは威力だが…ティッシュを浮かせるだけならそこまで強くなくていいだろ。

そしてその風は、身体を巡っていた魔力が指に集まることで発生する。

魔力が集まった指を上に曲げれば、風が——

案の定、俺のイメージした通りの手順で、俺のイメージした通りの風が吹いた。

それは目の前のティッシュを容易に浮かせた。

ティッシュが机に落ちる頃に周りを見ると、零央、麗沙、川満さんの3人も出来たらしい。

てか麗沙は今上がった感じだけど、川満さんもう落ちてるぞ。

さっき全属性出来るって言ってたけど、つまり魔術得意ってことか?

零央もまだティッシュが宙に浮いてるし、2人は上手いのかな。

麗沙は見た感じちょっと苦手だけど、多分剣か何かの戦闘技術が強いのだろう。

じゃなきゃ自信持って他人に勝負挑めねぇし。

「あぁもう!ほんっと上手くいかない!火属性の時は結構上手くいったのに…。」

見立ては合っていたらしい。

でも火属性は上手く使えるらしい。

なんだっけなそういうの…、確か「魔法特性」だとか何とか。

人それぞれ違うらしいけど、ない人もいたりだとか…。

昨日の1時間目のことなので、そこまで覚えてない。だって知りたいことだけ聞いてたから。

色々と復習しとかないといけないな、と思いながら時間を潰すためにまたティッシュを浮かせた。

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