第1章 幼少期
いやーやってるわこれ。
死んだわこれ。
だって目の前真っ白だもん(笑)
何も見えないし、何も聞こえない。
そう。何も感じない。
と、思ったら視界が少しずつ色を帯てきた。
ん?誰だ?人がいる?よく見てみよう。
おー!美人さんだ!少し明るめの茶色い髪で、腰に届く程の長くて綺麗な髪!
そして大きなお胸!
お目々はパッチリ二重で少し垂れ目な所も良い!
一目惚れしました。よし。告白する勇気は無いからストーカーから始めるか。
ん?もう1人見えてきた!
こっちは男だ!…興味無いや。
で、なんで2人して俺の事マジマジと見てるんだろう?
あれ?身体が動かないぞ?なんで?なんの羞恥プレイ?
ニートで引きこもりの俺からするとこれはヤバい。恥ずかしいし怖いし泣きそう。
とりあえず混乱しながらも、必死に冷静になる様自分に言い聞かせた。
恐る恐る周りをもう少し見てみる事にする。
とは言え首が動かないので頼れるのは目線のみだ。
目の前には美人さんと男がいる。
2人は俺を見て笑っている。怖い。
とりあえず俺は俺を見てみる事にする。
ん?ん???!!
赤ちゃん????これ俺?!
どうやら俺は赤ちゃんプレイの最中だったようだ。
いや。 正真正銘赤ちゃんなのだ。
どんな夢だよ!
と、笑いながらツッコミを一応いれておいた。脳内で。
意識が少しだけはっきりとしてきた。
今に至る前の事を思い出す。
確か俺は、天性のスキル「スティーーール!」を使ってくすねた金で夕飯。基、夜食を近くのコンビニに買いに出て…
出て…あぁ死んだんだ。
なんとなく覚えている。
だが今こうして赤ちゃんとしての意識を確立してきている。
これはもうあれだ。
現実だ。。。
とするとこれはなにか?
もしかしてもしかするとあれなのか?
俺の頭の中に「転生」の2文字が浮かんだ。
状況を少しながらも理解した事により、混乱状態から立ち直った事で少し余裕が出てきた。
まぁ前世に微塵も未練が無いのは、事今に至っては有り難き事かな(笑)
余裕が出て来たのでもう1度今を見詰める。
やはり目の前には美人の巨乳のお姉さんが1人と、男がいる。
あぁー。とするとこの2人が今の俺の母親と父親っぽいな…
転生して初めての恋は5分程で脆くも崩れ去った………
気を取り直して、暇だしとりあえず男の方も見てみる事にする。イケメンだった。
赤い髪で、ゲームとかの主人公として出て来る様な男だ。歳は20そこそこか。
母親の方はもう少し若そうに見えた。
なんてリア充だ。。。
殺意が芽生えたがとりあえずしまっておこう。
2人は何やら俺に向かって一生懸命に喋ってはいるが、まあ当たり前だが何を喋っているのか全く理解は出来ない。
父親らしき奴はイケメンだし、母親らしき人は美人さんなので、恐らく俺はイケメンになるだろう。
あれ?俺って男の子だよね?
ーーーそれから6ヶ月が過ぎた
今では少しここでの知識が付いた。
俺は大丈夫。ちゃんと男の子だった!
名前はまだ分からない。
ただ、俺の愛称はレイで間違い無さそうだ。
母親の名はミリル。
父親の名はまだ知らない。何を隠そう興味が無いからだ。
多分貴族?ってやつなのかな。
両親の他にもこの家には存在している。
メイドのイリア。
髪の色は赤。お胸は控えめだけどまぁまぁの美人さんだ。
年齢は父親と同じぐらいだろうか。
他にもメイドは居るけどあまり会う機会が無いので覚えてはいない。
後は執事?かな?50代ぐらいの白髪のダンディなオジ様も良く見かける。
名前は知らない。何を隠そう興味が無いからだ。
それから、転生して(生まれて)6ヶ月が経った事により、俺はハイハイを習得した。
あまりウロウロしているとメイドに捕まり部屋に戻されてしまうが、最近の散歩コースは3つ隣の部屋。
書斎である。
まぁドアが開いている時にしか行き着けないが、そこにはこの世界の知識が詰まっているので熟読してみたいのだ!
自分が生きていた世界とは全く違う世界。
もう、今からウキウキなのだ!
と言うのも、なんとこの世界には魔法がある!おそらく。
前に俺が家の中をハイハイで歩き回っている時に、1度手を滑らせ頭を打った事がある。
タンコブ程度ではあったが。
それをたまたま見つけたメイドが俺を抱き上げ、血相を変えてミリルの所まで運んで行った。
ミリルは凄い慌てて俺のおでこに綺麗なお手てを乗せて、何やら唱えたのだ。
すると俺のおでこが少し発光し、熱を帯び、痛みが消えた。タンコブもだ。
あれは普通では有り得ない。
間違い無く魔法だろう。
先ず発光の時点でおかしい。
俺は勝手に魔法と断定した。
そんな物を見せられてウキウキしない筈が無い。
あれは治癒魔法というやつなのだろうか?
他にはどんな魔法があるのだろうか?
火の魔法?水の魔法?風の魔法?土の魔法?
大体魔法と聞けばこの辺りだろうか?
元世の知識ではこんな感じだ。
もう今から楽しみでしょうがない!
俺には魔法の才能はあるのだろうか?
心配だぁー。凄く心配だ…
いやなに!頑張ればきっと大丈夫だ!
努力をした者全てが必ずしも報われるとは限らない。しかし、成功した者は皆努力をしているのだ!
的な事をどっかのボクシングジムの会長が言っていたのを見た気がする。
頑張ろう。その言葉に、今初めて感銘を受けた!そう頑張るのだ!
故に、今の俺はもっぱら書斎と言う秘密の園にご執心な訳で。
あぁ。まぁ…当たり前だけど読めなかったけどね…