特1 3 『金さんと特急旅行電車』
そうしているとあからさま、バナナを生産している、フィリピンの高台近くに着底した。そのため、車掌が連絡してきた。
車掌「金さん。着きましたよ。上がってきてください。」
金「おい、俺様のパソコンはどうなるんだ?」
車掌「大丈夫ですよ。コピーしますから。」
金「そうか。」
俺様は仕方なく上に上がる。上がったのだが、エレベーターのように床が下がった。そして運転士が、ドアを開けてくれた。目の前には木が立ち広がり。左も右も、路があるだけのようだが、右手から、オレンジのセスナが飛んできている。俺様たちの前を通り過ぎていくとき、茶色い粉を撒いていった。・・・これが農薬散布か。
車掌「では、行きますよ。」
金「何処へ?」
車掌「読んだでしょう?クリニックにですよ。」
金「あぁ、これでか?」
車掌「そうです。駄目ですか?」
金「いや、よろしく頼むよ。」
俺様たちは再度この電車に乗った。しかし、作とは並ばず、対して座った。冷菓ちゃんが奴の近くに座っているのも気に食わない。チンチンっと鐘が鳴り、セスナが飛んできた方向を路に沿って走りだした。
道なりに、一番近いクリニック・・・
ここは、新聞どおりに門が、閉められてはいなかった。作と冷菓ちゃんは順に降りていったので、俺様も続く。車掌も降りてくると、作が門をいじった。門はどうやら開いていたようだ。と言うことは、クリニック自体は開いているのだろうか?そんな疑問を抱えながら、列になって進む。茶色い両開きの扉を握ると、奴は奥へ進めなかった。なぜなら奴の前で、中年男性と中年女性が口げんかをしていたからだ。
中年女性「あんた、待っとくれ。うちにはまだ仰山仕事がある。これをほっぽりだすんか?」
中年男性「うるせぇ、医者なんて辞めだ。」
そう言ってかれは、こちらにズンズンと歩いてくる。作たちは恐ろしいのか、扉の脇に逸れた。
中年男性「あん!?何じゃいおめぇ。うちはもう終わりだ。」
金「す、少しお話を伺ってもよろしいでしょうか?」
中年男性「ケッ、これだよ。」
彼は右手平を上にして、親を人指しに付けた。そのポーズに俺様も青ざめるのだった。
金「か、金ですか・・・」
中年男性「なんだ?悪いのか?」
金「いえ・・・やはり金は、人にやる気を与えるんですね。」
中年男性「ハッ、おめぇ。どっから来た?」
金「日本ですけど。」
中年男性「だったら分かるだろう。」
作「ま、待ってください。」
中年男性「あ?」
金「おめぇ・・・」
作「それが貴方の仕事をする理由ですか。」
中年男性「おめぇまで言うんだな。はぁ・・・おめぇも日本人か。」
作「はい。」
中年男性「だったら伝えておけ、俺達のような人間も居るってな。」
作「はい。」
中年男性「あ~おめぇとは気が合いそうだ。また何かあったらこのはい病院に寄ってくれ。」
金「はぁ。」
中年男性「じゃあな。」
結局誰だったのだろうか?
車掌「もう一つのクリニックへいってみましょう。」
コトンコトンと数秒揺られた。今度のクリニックは解放的だった。人が雪崩のようにまでは流れ込んでいないが、それなりに人が居た。例のごとく進入したが、誰に聞けばいいのだろう?看護師のような人は多く居る。その中の一人が声を掛けてきた。
看護師「あの、今日はどのようなご用件で?」
金「取材です。」
看護師「取材?アポとって無いですよね。」
金「あ、あぁ。」
看護師「少々お待ちください。暇になった医師を呼んできますから。」
金「ありがとう。」
少しソファーに座っていると、さっきの看護師が、中年医師を連れてきた。
看護師「ではこちらへ。」
俺様たちは、医者の休憩所に連れてこられた。
看護師「こちら、チャング医師です。」
チャング「どうも、チャングです。日本の方ですか?」
金「はい。」
看護師「では。」
チャング「ありがとう。・・・そうですか。それで、何を見せてほしいんですか?」
金「この国のお金事情を。」
チャング「あ~ん・・・無くなりましたね~」
金「無くなったと言えば、この先のクリニックも無くなりましたね。」
チャング「は?あそこの医院長アングって言うんですけど、おいらの兄なんですよ。」
金「は~そうだったんですか~」
作「聞きたいことがあるんです。」
チャング「はいどうぞ。」
作「貨幣が無くなった今、貴方はなぜこの仕事を続けているんですか?」
チャング「お~なるほど~・・・生きがいですかね。」
作「生きがい?」
チャング「はい。この国の人を安心させたいと思って続けています。」
作「お、おぉ~」
チャング「すみません。そろそろ仕事に戻りますが、見て行きますか?」
金「いえ、参考になりました。ありがとうございました。」
作「ありがとうございました。」
チャング「そうですか・・・もっと聞きたければ、おいらの弟。ペトリコフを尋ねてはどうです?」
金「何処にいるんですか?」
チャング「此処のふもとの役所に勤務しています。」
金「そうですか。ありがとうございました。」
チャング「いえ、こちらこそ。」
レンガ作りの役所・・・
???「私が環境取り締まり役のペトリコフです。」
金「どうも。」
ペトリコフ「どんなご用件で?」
金「貨幣が無くなって、この辺りはどうなったかを教えてほしいんです。」
ペトリコフ「・・・質のいい農薬が手に入りました。」
作「おぉ。」
ペトリコフ「おかげで、環境はよくなりますよ。」
金「あ~悪いことは無いんです、か。」
ペトリコフ「うむ、ありますよ。外国からの輸入品が増え、プラスチック製品が溢れかえりつつあります。」
金「消費が増えましたからね。」
ペトリコフ「ん~さらに多くは機械を欲しがっています。」
金「機械?」
ペトリコフ「農耕機械やバイクですよ。」
金「うまくいきましたか?」
ペトリコフ「それは、上手くいってません。」
金「ほほ~う。何故かとかは。」
ペトリコフ「みんな取り合うんですよ。」
金「あ~皆欲しがれば、欲しくても手に入れにくいですもんね~」
ペトリコフ「は~い・・・私たちもどうしていいのか。」
金「なぁ、作。お前はこの問題、どう思うよ。」
作「う~ん、冷菓ちゃん。ノート。」
冷菓「はぁ。」
作「皆が欲しがれば取り合いね~う~んと・・・」
金「ハハッ。お困りのようだね。」
作「ん~すぐには思いつかないな~」
車掌「問題ありませんよ。友達を呼んできますから。」
作「友達?」
車掌「はい。社幸次 順湖と言うんですよ。」
作「へ~それはどんな・・・あれ?」
金「行っちまったな。」
作「何か嬉しそうでしたね。」
金「なぁ、本当に案がないのか?」
作「う~。」
金「待ってる間、俺様の仕事の話でもしようか?」
作「いえ、気にはなりますけど・・・」
車掌「連れてきましたよ~」
彼は水色のショートヘアだ。幼いながらも、白いジャケットをはおり、ボタンがある位置には、多色の玉がある。ズボン・・・ウロコのように段のついた、変わった赤いモノだ。
さらに、いまどき草履なんて履いている。
順湖「始めですね。社幸次 順湖だす。・・・です。」
車掌「この子は最近知り合ったんですけど。親の影響か、変な口調になっているらしいのです。」
順湖「ハハッ、すみません。」
金「きっと大丈夫だろ。」
車掌「では、順湖さん、あれは持って来ましたか?」
彼の後ろ髪の端から何か生えている。赤い布のようだった。それは彼の腰まで伸びている。
順湖「あぁ、原星として持ってきたお。」
車掌「分かりました。では、役所の外で行いましょう。え~ペトリコフさん、バイクが欲しい人を集めてください。」
ペトリコフ「はぁ、何も読めないのですが・・・」
車掌「大丈夫です。悪いようにはしませんよ。」
俺様たちは役所の前に立っている。太陽は夕日に変わっていた。
ペトリコフ「どうするんですか?」
車掌「順湖さん。」
順湖「我、此処にあり。うんらは何処にあり?」
彼がそう尋ねると、赤や白、たまに黄色の光の粒が、彼の前に集まった。そして造られたのは、黄色い筒が付いた、六角形の物体だった。そして懐かしい、あの魔女の様に、右に使役しているようだ。
順湖「それで、何を決めればいいんすか?」
車掌「・・・この人たちの順番を決めて欲しいのよ。」
順湖「ふに、その順番に・・・制約はあるのけい?」
車掌「そこまではちょっと・・・」
ペトリコフ「それなら・・・必要と不必要で分けます。」
順湖「わかた。では、始めましゅ。」
つまり、ビジネスは10人。プライベートが15人に分かれた。そんな中、少年順湖は黄色いつまみを後ろに回し始めた。どうやらこれは、抽選のガラガラだった。彼が手を離しても、それは、まだ、早く廻り続けた。5秒ほどで反応があった。上に、何か打ち出されたのだろう。それは、何にも当たることなく、彼の手に舞い落ちてきた。
順湖「はい、3番です。」
舞い落ちたものは、番号付きの赤い玉だった。しかし、前半の意味は無い。なぜなら、スーパーカブの輸入台数が15台だったからだ。当然ビジネスは、カブをお持ち帰りとなった。
順湖「10番・・・4番・・・以上。」
五名「ウェ!?~」
ペトリコフ「何ですか。抽選すれば良かったんですか。」
順湖「大体は良いんじゃなかいですか。」
ペトリコフ「そんなものですかね。」
車掌「さぁ。そろそろ出発しましょうか。」




