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銀髪の漁師

 


「……アッツーイ!!」


 僕の意識は火のブレスを浴びて強制的に身体に戻った。風に意識をのせた時は痛覚など無い。けれども、見た感じ熱かったのだ。


 目を開けた僕の目の前には、苛ついてる銀髪の青年がいた。


「やっと目を覚ましたか! たくっ勝手に居なくなるし、親父に見守ってやれと言われるし、何なんだよっ!」


 ……あっ。そういえば、何も言わずにここまで来てしまった。それに、無防備に意識のない身体を放置していた。見張っててくれてたと思うと少しだけ申し訳なくなった。


「えっと……すいません 」


「本当になっ!」


 謝っても銀髪の青年は相変わらず苛ついていた。……心が狭い。


 銀髪の漁師がこっちに来た。


「で。坊主。ドラゴンはどんなだった?」


「いました。とても大きな……二階建ての家並の大きさでした。それに、火のブレスを吐きます」


 ……って、おかしいなぁ。僕が魔法使ってるって悟られてる。何にも言って無いのになぁ。息子に聞いたのかなぁ。


 銀髪の漁師は僕の情報に「そうか」と頷き、集まった男達に指示を飛ばす。どうやら対ドラゴン作戦を立てた様だ。この慣れた様子に唯の漁師では無いと思った。


「あの人は一体何者ですか? まるで軍師ですね」


 銀髪の青年は「何言ってんだ?」と飽きれた。


「元親衛隊総隊長様だから当たり前だろ」


 脳天に電撃が走った様な衝撃であった。


 そ、そうだったんだっ! じゃあ、あのブルーノさんの前任者なんだね! それは凄いに決まってるね! だから、僕の事を見ただけで家出した事や魔法使える事を当てれたんだね!


 僕は銀髪の漁師に尊敬の眼差しを向けた。タイミングよく銀髪の漁師がこっちを向く。ワイルドながら真剣な表情はカッコ良かった。ブルーノさんの次に目指すべき男だね!


「坊主も協力な」


 僕は「喜んで!」と元気よく返事をした。





 呼ぶ時に不便だという事で僕達はお互い名を名乗る事にした。


 銀髪の漁師の名はローガン。銀髪の青年の名はロイだそうだ。


 ローガンさんは僕の名を聴いて「へー……。へー? へー……」と空を見たり僕の顔を見つめたりしていたがあれは何だったのだろう? 尊敬するブルーノ総隊長の前任者だからきっと何か深い意味があるに違いない。それが理解出来ない僕はまだまだ未熟だから頑張らなくては! 何を頑張れば良いのか全く分かんないけどね!


 目を輝かせた僕にロイは「あの馬鹿親父の何が良いんだか……」と飽きれた。


 ロイは馬鹿だから理解出来ないんだね!


「……おい。今俺の事馬鹿にしたか?」


 ロイが指を鳴らしてくるから、僕は「まさか〜」と誤魔化した。


 ロイは「何で俺にはタメなんだよ」と愚痴っていたが仕方ない。僕は人となりを見て口調を変えるからねぇ。


 そんなこんなでドラゴンを迎え撃つ準備は整いました。ローズ親衛隊に知らせた兵士が戻ってきたが「此方も別のドラゴンの対応に追われるので、元親衛隊総隊長様に其方のドラゴンを任せたい。との事です」とどうやら親衛隊は来ないそうだ。


 ローガンさんは「俺はもう唯の漁師だぞ? 一般民をこき使うとは鬼だなぁ」と苦笑いを浮かべてた。それだけ、ブルーノさんからローガンさんへの期待は大きいって事だね。流石ローガンさんだ。


 益々僕の中でローガンさんへの評価が上がった。それに比べてロイの評価は底辺を彷徨っている。


 僕はロイにずっと気になってる事を訊ねた。


「そのズボン縫わないの? 穴だらけじゃん」


「これはダメージジーンズだわっ!! この田舎者!!」


 益々、評価が底辺にのめり込んだのであった。




ズボンじゃなくてパンツかボトムスって呼ぶ方が洒落てる気がしますね。以上、田舎者からの感想でした。

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