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黒魔導士の逆召喚(アンチサモン)  作者: 王立魔法図書館
シンギュラリティ
1/12

プロローグ 〜最強は怠惰〜

シンギュラリティーー。諸君も耳にしたことがあるだろう。人間が生物界の頂点に立って数千、数万年のときを経た現代。そんな今、時折耳にする人工知能のニュース、異星人の存在。近い将来、生物界の頂点に立つのは一体何者だろう。ひょっとしたら俺様でちょっぴり天然な黒魔導士様だったりして。

 ーー前略、最強というのは実に怠惰だ。

 

 高め合うに値する相手もいなければ目標もなく、生きがいとやらのない生活。幾度月日が頭上を舞っても、心は沈むばかり。

 魔界統一の思わぬ弊害といえよう。軍部の仕事は今や交番の紛いもの。実に怠惰だ。


 そうやって毎日虚無感に襲われていた。


 まさに最強の中の最強だった。

 セレネー王国、今となっては魔界唯一の国家となったこの国最強の魔導士。旧魔導連合軍、現セレネー王国軍総司令官。その強さは今や史上に名を刻み、民衆の娯楽たる闘技場の闘士として名乗りをあげれば、対戦相手は見つからないわ、賭けにはならないわ。


 我の存在意義は戦争だけなのかーー。

 そうやって愚痴を垂れる魔導士は、毎日新しい魔術を考えるくらいしか暇を紛らわせる手段を持たなかった。怠惰も気づけば一年と少しを数えた。



 新暦二年三月三十一日。そんな怠惰が太陽と共に沈んだ。

 異世界召喚(サモン)の魔術がついに完成したのである!

 ひ弱で、この魔界では到底生きていけるはずもないうさぎ型の小動物が地上の魔法陣に昇った。ひ弱な動物の住む世界とはいえ、魔界とは違う世界が存在するという事実だけで、魔導士は胸が高鳴った。


 昔読んだ文献の伝える限りでは、この世界は神界、魔界、人界の三界から成っている。

 思うにこのうさぎ型は人界の生物。この世界が神によって創造されて以来、閉ざされた魔界と人界の扉。ついに禁忌の扉を開いたのだ!


 うさぎ型だけで異世界召喚(サモン)魔術の検証は充分だった。もう愚痴垂れ最強魔導士はこの世界から姿を消していた。


 いつもなら無詠唱で唱えるはずの魔術を、全身が鼓動で震えるほど昂ぶった今このときだけばかりは、大声で唱えた。


「我が名のもとに命じ我を遣わす。汝、其方を人界へと召喚せよ!逆召喚(アンチサモン)!」


 それは一度の練習もなされず対人利用された、魔界初の逆召喚魔術だった。

実はまだ主人公出てきてません!w

公式略称は「黒あん」です!今後ともよろしくお願いします!

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