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貴方という物
?「リンネ、大丈夫?」
『リンネ』と呼ばれた私は、目の前に居るものにどう反応して良いのか分からなかった
?「...リンネ?」
私は目の前の「物」が分からなかった
人なのか?
でも
右腕が無い
腕があるであろう場所にはぽっかりと穴が開いていて、よく見ると中は空洞のようだ。
しかも関節はロボットのようにギシギシと音がして、動くたびに壊れそうだ
?「もしかして、覚えてな、い?」
その「物」は綺麗なガラス玉の様な目を見開き、何故か聞き覚えのあるような声を震わせ、訴えてくる。
?「うそ、でしょ?お願い答えて!!!!」
私は分からなかった
何を答えるのかも、何をそんなに訴えてくるのかも
?「...分かった」
目の前の「物」はすっと立ち上がり、細い左腕で私の肩をぐっと掴んだ
?「私が貴方を守るから」