青春と天の邪鬼
お題「青春」「天の邪鬼」
「お前って天の邪鬼だよな」
一日に一回はその言葉を向けられる少年がいました。
天の邪鬼とは、素直になれず、周囲と反発する人のことを言います。つまり、思っていることと反対のことを言ってしまったりするということでもあります。
「僕は天の邪鬼じゃない」
「いや、その言葉が天の邪鬼っていう証拠じゃん。自分でも認めてるってことっしょ?」
「……僕は天の邪鬼だ」
「あ、デレた。認めてくれたのか!」
天の邪鬼扱いされている少年は無言で彼に正拳付きを放ちます。なかなか勢いがある拳でしたが、彼は焦ることなく手を捉えてしまいました。
「チッ」
「怖い顔しないって、ほら、笑顔笑顔!」
ドヤ顔を浮かべた彼に、少年は蹴りを繰り出します。しかし、その足も彼はつま先で対応してしまいました。人をおちょくる彼は、案外運動神経がいいようです。
「当たってほしいんだけどな」
もう一度殴りかかるかと思ったら、少年はため息をついて動きを止めました。彼はさらに少年をいじるのかと思いましたが、何も言いません。二人とも、どこまで手を出していいか弁えているのでしょう。
「さて、ゲーム作るか」
「ああ。僕たちが頑張らないとね」
ここは、少年の家のようです。少年は、机に置いてあったパソコンを起動し、何やら操作をし始めます。すると、ゲームのタイトル画面のようなものが表示されます。
「目標は一万ダウンロードで」
「ストーリー書籍化もいいかもね」
二人は確認するようにそう言いました。そして、プログラムを開いて作業し始めます。
「お邪魔しまーす」
「邪魔するぜ!」
その声が少年の家に響きます。声の主はともに男のようで、四人とも男ということは、彼らが灰色の青春を送っていることが容易に想像できます。
「ほら、ゲーム作るぞ」
「うっし! やってやるぜ!」
高いテンションを保ちながら、それぞれ作業に明け暮れていった。
続くかもしれないし、続かないかもしれない。
手抜き打ち切り風味で申し訳ないです。
特に友人に謝罪したいです。