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第八十九話 リセスは何者?これも運命か!?

今日は休みなので執筆。

一話目です。


 俺の手紙を読んだ後、皆は呼び出される前のようにしていた。

 しかし、俺はリセスを呼び止めた。目的は…

 

「リセスさん、あなたは何者なんですか?」

 

「…しがない旅人ですが?」

 

「そうですか…では、そのしがない旅人をなにやら只者ではない人に追われているんですか?」

 

「!?」

 

 そう。目的はさっきの事を踏まえて、リセスの正体を訊く事だ。

 

「さっき、私は出かけていましたよね?その時、黒服の人に言われたんですよ。”勝手に家出なんてしないでください”って。」

 

「!!」

 

 リセスが驚いた表情を見せる。俺は更に続ける。

 

「それに、リセスさんは私が出かける前に”今は外に出ないほうが”と言った。まるでこうなるのが分かっていたかのように…

 しがない旅人にしてはいろいろとおかしいです。それを踏まえて、リセスさん、あなたは何者なんですか?」

 

「……」

 

 リセスは思いつめたような表情をし、黙っている。

 

「…訊きたい事があります。」

 

「なんですか?」

 

 突然リセスが表情を変えないまま、話した。

 

「ルーマさんは、その人に私のことを話しましたか?」

 

「いいえ。」

 

「…そうですか。では、もう一つ。ここの皆は口が堅いですか?」

 

「少なくとも私は。」

 

 皆は分からないが、少なくとも俺は他人の秘密をわざとばらすような事はしない。

 そんなことをしたら自分の秘密も言われて、痛いしっぺ返しが来るだろうと思っているからだ。

 

「なら、良いでしょう。私は、アンカー王国の王女、リセス・アンカーなんです。」

 

「………え?」

 

 い、今何て言った?王女?リセスが?マジで?

 

「ええええええええええ!?」

 

「静かにしてください!!」

 

「す、スマン…じゃない、ごめんなさい。でも、なんでこんなところに?」

 

「…それは…」

 

 ボロを出してしまったが、話題を早急に変えることで事なきを得る。危ない危ない。

 

「…無理に言わなくても、良いんですよ?」

 

「でも……やっぱり言います。私のこれまでの経緯を。」

 

 何かを決心したような目でこちらを見て、言った。

 

「私は…王女としての自信が無いんです。何をしてもうまくいかず、上手くいったと思っても注意を受け…

 そんな生活が嫌になって、置手紙を残して城から逃げてきたんです。

 そりゃ、王女が逃げたんですから追っ手が来ます。

 その追っ手から逃げるために、いろいろな村を転々としていき、

 ここに来た時には宿代も無くなっていました。ですが、諦めて帰ることだけはしたくなかった。

 そんな時、フォルフさんを捜しているルーマさんを見つけたんです。そこで思いました。この人を手伝って恩を売れば、泊めてはくれるかもしれない、と。」

 

「……ちなみに、家を出てどれくらいですか?」

 

「一週間くらいです。」

 

 一週間、か…俺がこの前ここに飛ばされてた日数と同じだ…これも何かの運命なんだろうか?

 

「…一週間、ですか。私も、似たような事はありましたよ。一週間、誰にも言わずに家を出て行ったことが。」

 

「え?」

 

「帰ってきた時、自分の意思ではなかったとはいえ、周りにどれだけ心配かけたか分かっているのかと、父さんに言われましたよ。」

 

「………」

 

「アングさんとアークさん…でしたか?その人達も心配してるんじゃないですか?」

 

「何でその名を…!」

 

「黒服の人に聞いたんですよ。その二人が心配してる…ってね。もう、帰って顔を見せたら良いんじゃないですか?」

 

「知った口を利かないでください!!」

 

 そう言って、リセスは出て行こうとした。

 が、

 

「うわ!?」

 

 バタン!

 

「い、いや~、あ、あははははは…」

 

 扉が倒れて、皆が出てきた。乾いた笑いは光のものだ。

 え?今の会話全部聞かれてたのか?マジで?

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