第七話 帰る目処が立った?まだ出発できない!?
『では言おう。俺が知ってる異世界に行く方法は、ダーフォの森の奥にある洞窟の中の門だ。
そこに異世界人が行くと勝手に門がその異世界につながるらしい。』
「ダーフォの森?」
「守が倒れてた森。情報源は?」
『マルフに伝わる言い伝えだ。もっとも人間にも伝わっているかもしれないがな。残念ながらその門を通った後通った奴が本当に帰れたかは分からんが…』
「充分だ。すぐにでもそこに向かうぞ。」
これで帰れる!
「ちょっと待って。まさか怪我したままいくつもり?」
…そういえばそうだった。走り続けたせいで疲れも残っている。頭もまだ痛い。だが…
「ああ、そうだ。俺は今すぐにでも帰りたい。」
「…無茶よ。ダーフォの森は魔物も、獣もいる!そんな状態で行ってもさっきの二の舞を踏む!いえ確実に死ぬ!
だからその怪我を治してからでも…」
「俺はこの世界に長居できない。この世界に愛着がわいてしまったら、帰るのが辛くなる。だから早く帰らなきゃいけない。わかってくれ。」
『…ではせめて完治まではいかなくともある程度治してからならどうだ?それならすぐに帰れる。それに、能力の練習をしてものにすれば、帰れる可能性もグンと上がる。』
「…じゃあ、それで行こう。これなら文句は無いだろ?」
「まあ、それならいいわ。」
こうしてこれからの方針は決まった。
「じゃあある程度滞在することになるのか。じゃあ、俺が異世界人であることは隠しておこう。ばれると騒ぎになりそうだし。」
「わかったわ。」
『わかった。』
これはこれまで読んできた小説を参考にしたが、否定が無いところをみるとこの方針は正解らしい。
「あ、そうだ。どうせならこのマルフに名前をつけましょうよ。」
「まあ、いつまでもマルフって呼ぶのはな。」
『変な名前でなければなんでもいい。』
というわけでこのマルフに名前をつけることになった。
なんか良いのは無いかな…
「じゃあタマで。」
「猫かっ!」
『当然却下だ。』
タマって異世界でも定番なのか…タマすげえ…却下されたが。
「じゃあポチ?」
「それも定番!?」
『却下。』
その後もギーナの考えた残念な名前が次々と出てきては却下の繰り返し。さながらマシンガンを連想させた。
マルフの目が恐くなってきたころ…
「なあ、フォルフなんてどうだ?」
フォルフ。ダーフォの森とマルフからとった名前だ。
「いいんじゃない?」
『それならいい。』
あっさり許可された。もうフォルフの殺気のこもった空気なんてごめんだ…
R15とか残虐な表現とかいらなくね?
と思う今日この頃。