第六百六話 最終話?とある世界のどこかの風景!?
「お休み~!」
「「「「「「お休み~」」」」」」
「未来は健康的だな、こんな時間に寝るなんて。」
「いや、どうだろうな?
ちょっと前に部屋を通ったら電気が点いてたぞ。」
「宿題でもしてたんじゃない?」
「かもしれないな。
まあ、ちょっとの夜更かしぐらい許してやれよ。高1だろ?」
「それもそうだな。
俺も昔は夜更かししてゲームとか、割とよくあったもんだ。」
「あの日までは、か?」
「………まあな。
あんまり思い出させないでくれないか?今思い出してもちょっと辛いんだ。」
「あ、そっちだったか…悪い、異世界に行った日だと思ってたんだ。」
「あんなに落ち込んだ原因お前らにもあるんだからな。」
「追撃をかけたことに関しては悪いと思ってる。
だが、愛し合って結婚したことについては謝らん!!」
「よっ!旦那!愛してるー!」
「止めろぉ!俺の前で惚気るな!!
大分慣れたとはいえまだ背筋がゾクゾクするんだよ!!」
「私も惚気たいな~」
「しょうがね~な~!」
「おやおや、いつまでも17歳のままだねぇ。
見た目も。」
「ちょっと気にしてんだから止めろよ!
父親の威厳が無いって近所でささやかれてるんだぞ!!」
「いいじゃん、永遠の若さなんて人類の夢だし。」
「お前も永遠の17歳だろうが!他人事な反応すんな!!
おじいちゃん、ビール。」
「ヤケ酒でもする気か?
だが、17歳にはやれんな~」
「何十年前に成人したと思ってんだ、ついにボケ……ごめんなさい。」
「あ、俺には下さいお義父さん。」
「良いぞ。」
「なんでお前だけ…!
そのビールを俺に寄こせ!」
「うま~い!」
「無視すんな!」
「あ、いるか?
間接キスになるけ」
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「あっぶねえな!何すんだ!!」
「お前が何言ってんだ!血の気がゼロになったぞ!!貧血で倒れるかと思ったけどなんとか意識を保って」
「私の旦那さんに何する気なの!!」
「あぶなっ!?」
「あー!避けたー!!」
「ふざけんな!当たって骨砕かれるのなんて御免だ!!」
「あ、喧嘩ならよその世界でやってね。家が持たないから。」
「「はーい!」」
「……マジでどっかいったな。」
「どうせすぐに帰ってくるでしょ。
それと、今のはアンタが悪いんじゃない?
真っ青なすごい顔で蹴ろうとしてたわよ。」
「ジョークのつもりだったんだが…」
「元自分を娶った男だからね。
アンタ、自分がどう思われてるかを考えた方が良いわよ?
実はアンタに襲われないかって内心超不安とか、ちょっと前に旦那が言ってたし。」
「しねーよ。
ってか、しようとしたらアイツ自身に消されるか、お前に殺されるだろ。」
「ええ、その時は躊躇も遠慮も無くやらせてもらうわ。
友達だからとか、旦那の元親友だからとか、関係ないからね。」
「元親友、か…今や義兄さんだからな。世の中分からんものだな。」
「そうね。私もまさか……いえ、なんでもない。」
「「ただいま…」」
「おかえり、怪我一つ無いな。口喧嘩で終わったのか?」
「なわけないでしょ。旦那を攻撃した男に。」
「ああ、本気で殺しにかかってきたコイツに手加減は出来ないからな。」
「風呂なら湧いてるよ。多分もうぬるいけど。」
「「入るー!」」
「……自分同士で行ってらっしゃい。」
「「いや、それはやめとく。」」
「おお、息ぴったり。」
「じゃあ先にお前行ってこい。俺は後で良…ん?」
「もう行ったぞ、譲られることを知ってたみたいだ。」
「知ってたんだろうさ………ん?そう言えば今日は…」
「どうしたの?」
「………いや、なんでもない。」
「えー!気になるじゃない、教えてよー!!」
「えーどうしよーかなー」
(今日は確か未来が……
…明日になったらいろいろ話を聞いてやるか。)
彼女は森の中に居た。
彼女が数分前に居た場所、時間から遠く離れた世界に。
「待っててね、お父さん…!
必ず助けに行くから!!」
「………」
独り言のつもりだったが、誰かに聞かれていたことに気付いて恥ずかしくなったのは数秒後のことだった。
こうして、新たな冒険が幕を開けた。
後書きは活動報告にて。
完結まで読んでくださった読者様、本当にありがとうございました!!




