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第五百七十一話 守の宿命?三人称だと思ったか!?

「出てきたな。」


「さっきよりも覇気が無いような…」


「というよりも落ち込んでるって言った方が正しいね。」


 三人は引き続き物陰に隠れ、男の様子を伺っていた。

 タムの家に入った後、見つかる危険性を考えてその場から動かずに出てくるのを待っていたのだが…


「やっぱり、僕に用があるだけじゃないのか?」


「だから、危ないってさっきから言ってるでしょう。」


 さっきからタムが隠れるのをやめようとしている。

 積もる話もあるのだろうが、今接触するのは危険と判断した2人が止めることで早まらずに済んでいるのだが…


「危ないとは言ってるけど、具体的にどう危ないの?」


「よくない感情を持ってる時の気配…らしい。

 だー!俺に気配関連であんまり期待すんなよ!ギーナがそう言ってたんだ!」


「本当かい?」


「ええ…それだけならまだ虫の居所が悪いとかそういう可能性もあるんだけど……」


「だけど?」


「……ここから先を聞きたいなら覚悟して。」


 唐突に覚悟を求められ、困惑する2人。

 それでも聞かなければ進めないと判断し、覚悟完了の旨を伝える。


「……じゃあ言うわ。

 あの荷物の中から誰かの気配がする。」


 荷物の中に人間が入っている。

 気配がするということは生きていることだと分かっているのだが、それではまるで誘拐だ。

 何故友人を訪ねるというのに誘拐紛いのことをしているのか、また、何故その人間を連れてきたのか。

 どちらも知りえないことだが、2人には一つだけ分かったことがあった。


「仲良く談笑…なんて全く考えてないね。」


「ああ、むしろ人質を取って何かしようとしてるってとこだろうな。」


「ええ。

 そして、あの荷物の中に居るのはタムの知り合いの可能性が非常に高いわ。

 見ず知らずの他人を人質にするよりも、知り合いを人質にした方が効果は高いから。」


「となれば………誰だ?」


「タム、よく誘拐される知り合いに心当たりは無い?」


「無いよ!

 こんな時にツッコミを待たなきゃいけないボケかまさなくても……」


 ピタリ、とタムが動きを止める。

 パソコンの画面をほうふつとさせるその様は、周りに不自然さを感じさせた。


「……何?」


「ああ…ちょっとさ。

 ふと、守ならありえるなーと…」


「はぁ?守が?」


 あんなチートをどうすれば誘拐できるのだろうか。

 そんな疑問と同時に過去の記憶が浮き上がってきた。


「そういやアイツ、何回か誘拐されてたな。」


「吸血鬼とか?そう言えばそんなこともあったわね…私達もさらわれてたけど。」


 そして2人とも納得した。

 騒動に巻き込まれた数は数え切れない。その中には確かに誘拐の被害者になっていたことも含まれていた。


「でも、アイツはあの時よりも力をつけてるはずだ。

 今更誘拐されるなんてヘマ……」


「否定しきれないでしょ?大丈夫、私もだから…」


「奇遇だね、僕もだよ…」


 いくら強くなっても厄介ごとには巻き込まれ続ける。

 そんな守の宿命に同情し、間もなく3人は男を見失ってしまったことに気付いた。







「……撒けたか。」


 自分を追ってくる気配には気づいていたらしい。

 それが誰なのかまでは分からなかったが、その事実が分かっただけで充分のようだ。


「おい、どうせ起きてるんだろ。」


 男が足を止め、足音が止んだ。

 静寂が時を刻む。


「………起きている訳も無いか、我ながら阿保らしいことをした。」


 誰にも向けられていない声が消えると、足音が再び響く。


「……俺は感情に振り回されて取り返しのつかないことをしているんじゃないか?

 こんなことをした後でアイツが許して…いや、許されるわけがないか。そうだろう?」


 男は意識が無いと分かっている相手に話しかける。

 気絶したまま話せと言いたいのだろうか。


「無茶なことを頼むなよ…」


「!?

 いや、俺の気のせいか……」


 気のせいではない。

 が、そんなことを知る由もない男は再び歩みを進めた。

 さて、もうしばらく寝たふりを続けておくか。果報チャンスが来るまで。

いつも静寂が流れるだと飽きるなーと思って書き方変えてみました。

なんか厨二っぽいですね。

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