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第五十六話 ジルムの用事?言うだけ言って帰るな!?

 俺たちは道中何事もなく、村に戻ってきた。のだが…

 

「おお!久しぶりだなジルム!」

 

「お前こそしばらく見ない間に長になったんだってな!?偉くなったもんだなオイ!」

 

 ここは長の部屋だ。

 …なんか、長とジルムが和気藹々(わきあいあい)としている。

 

「…キャラが崩壊してやがる…」

 

「……ああ…そういうことね…」

 

「キャビ、自己完結しないで俺たちにも分かりやすく言ってくれ。」

 

「ええ、あの二人、昔から仲のいい友人同士だったらしいよ。」

 

 …マジで?となると、ここに来たのは、長に会う為だったのか、なるほど。

 

「まあ、邪魔しちゃ何だし、俺たちは出てくか。」

 

「そうだね。」

 

『そうだな。』

 

 俺たちは長の家から出て行った。

 

 

 

 

 

 

「そう言えば、キャビはなんの獣人なんだ?」

 

 ふと気になったので、訊いてみる。

 

「え?あたし?猫だけど?」

 

「猫?尻尾とか、耳とかは?」

 

 勝手かもしれないが、どうも猫の獣人は尻尾や耳がつきものだというイメージがある。

 だが、それらが見当たらない。耳は帽子をかぶっているからだと思うが。

 

「尻尾は服の中、耳は帽子の中だけど?」

 

「なんだ、そうだったのか。」

 

 真実って、つまらんもんだな…まあ、なんかあっても困るか。

 

『で、これからどうするつもりだ、守?』

 

 フォルフが訊いてきた。まあ、そんなのは決まってる。

 

「もちろん!スタッド村に向かう!」

 

「スタッド村?どこなの?」

 

 ………あ、場所分からん。

 

「…その辺も、情報収集しないとな!じゃあ、長の家に行くぞ!」

 

『大丈夫なのか?これは…』

 

 大丈夫…だろう…

 

 

 

 

 

 

『ちょっと待ってくれないか?』

 

 長の家に向かっていた時、路地裏を通ると、そんな声が聞こえた。この声は…

 

「誰!?どこなの!?」

 

 キャビは戸惑いながら辺りを見回している。

 

『僕はそこにはいないよ。僕はこの世界の意思。この世界の中なら、どこにいても会話が出来る。』

 

 電話みたいだ…

 

『何をする気だ?』

 

 フォルフが警戒している。当然、俺もキャビもだが。

 

『そう身構えなくともいい。君達に渡し忘れたものがあってね。』

 

「俺に?」

 

 何を渡し忘れてたんだ?

 

『まあ、道しるべのような物だ。という訳で、これを与えよう。』

 

 世界の意思がそう言うと、方位磁石のようなものが一つ落ちてきた。ただ、針が一方だけを指す矢印になっている。

 

「これは?」

 

『それは、君が行く場所を矢印で示してくれる物だ。今はスタッド村を指している。』

 

 なかなか便利な品物らしい。さて、その方角は…海じゃねえか。

 

「おい、海を向いてるんだが?」

 

『ああ、そこは島国だからね。君達が行くスタッド村は、その先にある大陸にあるからね。まあ、移動手段は任せるよ。

 では、そろそろお暇させてもらうよ。』

 

「おい!待てよ!」

 

 俺は叫んだが、返事が聞こえることは無かった。

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