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第五百五十四話 魔物に司法?万全な対策!?

 

「だから、やっぱりそうするしかないんじゃない?」


「さっきからずっと言ってるけど、それは…」


 我が家のリビングでは、現代からも異世界からも集合した元中二病の集団をどうするかということで会議が開かれている。


「あのな、異世界人おまえらはともかく、現代組おれたちは明日学校もあるんだぞ?

 なのに友達の家に泊まるなんてまずいだろ。特に、知り合ってそう経ってない津瑠は両親が認めると思うか?」


「一応週末なら女友達とお泊り会っていう名目で許されてるけど…さすがに平日は怪しまれるから困る。」


「しかし、皆が帰れば…

 また精神操作を受ける事になる。

 あまり離れ離れになるのは…

 好ましくない。」


 開始直後からずっとこんな感じで、見えてこない終着点をただただ追い求める無意味な行動でしかない。

 ふと視線を逸らすと、開けっ放しのドアに気付いた。

 誰が開けたのかは分からないが、最後に通った奴は閉めてほしい。

 もう11月なので、残暑も収まり肌寒くなってきた。なのに開けっ放しとは…


「どうしたの?」


「ドアを閉めるだけだ…ん?」


 ドアに近付くと一枚の紙片が見えた。

 電気が消え真っ暗な廊下からそれを手に取り、元の席に戻りながら紙を観察する。


「なにそれ?」


「紙みたいだ。

 お、なんか書いてあるぞ。」


 座ると同時に裏返してみると、何か書かれていた。

 しかしながらそれを読むことは適わなかった。


「誰か頼む。」


『異世界の言語か。

 どれ、見せてみろ。』


 紙を覗き込んだデュアにそのまま紙を手渡す。

 こういう時は翻訳魔法が掛かっている異世界組の誰かに見てもらうに限る。

 以前、俺も翻訳魔法をかけてもらったことがあったが…英語の授業で地獄を見たのでやめた。

 ちゃんと英語で言ったのに何度英語で読め英語で読めと言われたか…本当にユニバーサリティ溢れる人材を育成したいなら翻訳魔法を研究すればいいのに。


『ご協力感謝するわ。アンタのおかげでピエロ魔物をとっつかまえて牢屋送りにできた。』


「牢屋…?」


 あのピエロ何か余罪でもあったのだろうか。

 いや、そもそも魔物に司法とかあったのだろうか。まあこの際置いておこう。


『アンタのお友達も早く帰してあげなさい。特にアンタの彼女の両親なんかはとんでもなく心配してるわよ。

 誘拐とか物騒な単語が色々出てきたから転移させてでも…むしろ私が転移させるからはよ帰れ。』


「かかか彼女!?まだそん」


 津瑠は台詞の途中でリビングから消えた。


『なお、この手紙は今の一文を読むと彼女を転移させます。』


 よく分からん機能つけんな。


『更に、この手紙は読み終えたら半径一キロ吹き飛ぶほどの大爆発が起きます。』


「誰でも良い!その危険物を処理」

『嘘です。』


「人騒がせすぎるだろ!!」


 ツッコミ役の気質がある太郎が素早くツッコミを入れる。

 津瑠を転移させたせいで信憑性が増していたため、あと少しデュアの続きが遅れていたら誰かが混乱して暴れだしていたかもしれない。手紙の主…というか例の彼女に訴訟したくなった。


「もうその手紙読むの止めてくれない?恐すぎるんだけど…」


『なお、この手紙は読むことを止めれば手紙を持っていた人に電気ショックを与え、気絶させます。

 その後誰も読まなかった場合は手紙に雷が落ちます。』


「対策が万全すぎるだろ!!」


 というかそんな余計な機能付けんな。

 手紙の特殊な機能なんて読んだら消滅する程度でいいのだ。

 デュアが冷や汗をかきながら続ける。


『ピエロを捕まえた証拠はその内見せるから、早いところ集めた皆を帰してあげなさい。

 実感がわかないのは分かるけど、証拠なら言ってくれれば見せるから。

 …これで終わりだ。』


 デュアは額の汗を腕で拭いながら手紙をテーブルに置く。

 皆揃ってしばらく眺めていたが、電流が流れる事も、雷が落ちる事も、爆発する事も無かった。

 せめて消滅くらいはして欲しかった。こんな危険物。


『お~疲れちゃ~ん。』


『労う気ならもっと普通に言え。』


 デュアもそうだが、ルソードの声も久々に聞いた気がする。


「まあ…そういうことだ。

 よく分からんが、帰っても良いみたいだぞ。」


 俺の夕食が終わったあたりから帰ってきていた父さんがそう言うと、異世界組も現代組もすぐに帰っていった。


「どうした?タカミ。」


 しかし、その中でタカミだけは残っていた。

 精神操作が解けていないことを疑ったが、あの時うずくまっていた事を思い出してその疑いは打ち消される。

 何が言いたいのかは分からないが、言いづらい事らしい。なかなか口にしない。


「えっと…実は私…」


 ようやく口を開いた。

 次の句を覚悟して待つ。


「実は、もうすぐ帰れるらしいの。

 元の世界、元の時代…元の姿で。」



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