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第五百五十一話 遠慮の必要なし?頭が冴えているのか!?

『ようやく…ようやくゆっくりとお話ができますね。

 奪った世界のエネルギーは何に使ったのか、お答えして頂きましょうか。』


 脳内に響く言葉にこもった感情は暗く、そして重い。

 余程この名無し(少なくとも俺の中では。名前聞いてないし)を恨んでいたらしい。

 そりゃ、世界からエネルギーを奪い続けた犯人だしな。そのことで色々と苦労したのだろう。


「答えるわけないじゃない。

 目的を答えたら阻害されやすくなっちゃうでしょ?」


『貴女はそれを言える立場でしょうか?

 私がその気になれば、貴女をどうとでもできるんですよ?』


「それはどうかしらね。

 とりあえず、口うるさい神様にはご退場願います。」


『神様じゃなくて、女神様です!

 それに、たいじょ』


 勝手に話が進んでいく。俺関係ないしいいかー。

 とか思ってたらプッツリと女神様のテレパシーが途切れた。

 女神様のこだわりは気にしないことにした。


「何をした?」


「この空間に細工をさせてもらったわ。

 神の力が干渉できなくなるようにしたのよ。」


「勝手に人の家に細工するな。」


 思ったことを遠慮なく口に出す。

 こいつのせいで世界の歪みが大量発生し、俺の苦労が増えたのだ。遠慮する事なんてない。

 でなきゃ10円スナックトラップなんて仕掛けていない。


「さて、この空間が完全に他の空間から切り離されたところで。」


「なに人の家の一部を切り離してんだよ!」


 唯一の出入り口から出られない、女神様も干渉できない。この部屋は確かに切り離されている。

 早く部屋に戻って休みたい。そう思うのも自然な事なのだろうか。


「今度こそ邪魔者は居なくなったし、会議を再開しましょ。」


 そうだった。

 女神様のプレッシャーで吹き飛んでいたが、これは元々俺の胃袋の無事がかかっている重要な会議なのであった。

 早く中二病を直さなければ、胃潰瘍になってしまう。


「そうだな。

 確か、あいつの洗脳はあいつ自身を倒す事によって解かれるって言う漫画みたいな設定だったな。

 アイツを直接倒すのはどうだ?」


「居場所はどうやって突き止めるの?」


「お前任せ。」


「………ハァ。」


「なんだそのため息は。

 お前アイツを部下って呼んでたろ。上司じゃないのか?」


「上司でも分からないものは分からないわ。

 それにね、上司ってのは部下の行動を全て管理するもんじゃないと思うけど。」


 そう言うものなのか。社会人とは難しいものだ。


「じゃあこれでお開きか?」


 今回の会議により、俺は事件の真の首謀者が誰かと言う事と、ついでに俺が彼女に狙われる理由が分かっただけだった。

 例の彼女にはなんの得も無い。あえて言うなら持っている情報を共有できたことくらいか。


「いえ、まだ続けるわ。

 あのピエロの精神操作だけど…実は、一つだけ解く方法がある。」


「マジで!?」


 続けるという言葉にうんざりしたのも束の間、俺はテンションを180度回転させてその話題に食いついた。


「ええ。でも、私には不可能。アンタにしかできないけど…」


「なんでもいい!それを教えてくれ!」


 俺の勢いに気圧されたのか、若干身を引いて目を逸らしながら答え始める。


「……精神操作には無駄に集中力を使う上、普通の手段では解くのも難しいの。

 アイツはそれを簡略化する方法を作って、一瞬で精神操作を止めることができるようにした。そしてその方法が…」


「その、方法が?」


 前置きはいいから早く言え。それしか頭に無かった。

 だからこのときの俺は、彼女が妙にもったいぶっていることに苛立っていた。


「…男のぶりっ子。かわいこぶる方の。」


「はああ!?」


 本当は言うのをためらっていた事を知らずに。







「………」


「どうしたんだい?食べないのかい?」


 夕食の席。今の俺は母さんやタカミからは無言で夕食を見つめているだけのように見えるだろう。

 俺の頭では葛藤が繰り広げられていた。

 プライドを棄てるか、平穏を棄てるか。

 俺は衝撃の精神操作解除方法を教わった後、彼女からの作戦を聞いていた。


『いい?

 アンタが精神操作を解けば、アイツの事だから絶対精神操作を掛けなおしに来るわ。

 そこを狙ってピエロを倒す。いい?』


 冗談じゃない。

 誰がそんな気持ち悪い事をする。

 マソーがぶりっ子している様が浮かんできて吐き気を催した俺にはそんなことをする気が起きなかった。

 代表的な男の体格のイメージはあんな感じだろう。

 じゃあ俊太に頼むか?

 信用されないだろう。

 どこの情報かを疑われるし、そもそも元凶の告げ口とあらば罠ではないかと疑うだろう。奴にそこまでの賢さがあるかどうかはともかくとして。

 そうだ。あの証言はデマだ。俺を陥れるために仕掛けた罠なのだ。ああ、間違いない。今日の俺は頭が冴えている。

 …だが。

 唯一の手がかりはそれしかない。

 罠にあえて掛かるか、それとも別の方法を捜すか…

 …タカミで試すか?

 2人から確実に白い目で見られるが、被害も少ない。

 いや、しかし…


「どうしたの?さっきから人をじろじろ見」

「や、や~だ~!そんなわけないじゃな~い!」


 …死にたい。

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