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第五百四十三話 不吉なナレーション?四者四様!?

書ける内に書いときたいと思う今日この頃。

 次にまたこの世界に来るのは、一週間後だろう。

 俺は影武者の役目を終え、ギーナの家に戻るときにそう思った。

 しかし…俺は失念していた。

 事件が必ずしも一度で終わるわけではないという事を…


「おい、俺の口調で不吉なナレーションをするんじゃない。」


「…フュー、フュー。」








「…到着。」


 移図離の能力により一瞬でギーナの家の前に戻った俺たちは、迷う事無くギーナの家に入る。

 日は沈みかけている。

 それを見て、今日も大変な一日だったと振り返る。沈んでないのに一日の終わりを思わせる。

 帰ったら飯食って早く寝よう、明日は学校だ。


「おーい、そろそろ帰るぞ~!」


 早く帰りたかったこともあって、ギーナの家の前から皆に呼びかける。

 数秒沈黙が流れた。


「早くしないと、俺達だけで帰るぞ~!?」


 俊太が急かす。

 また沈黙が流れる。


「…帰りたくないの?」


 沈黙。というか多分聞こえていない。

 移図離の声が小さいからだ。


「じゃあ私、授業アンタ達の代わりに出るわよ~!」


「止めろ!」


 俊太と組んで騒動の種を撒き散らす様が脳裏に浮かんだので全力で止めた。

 抑止力が俺だけでは確実に足りない。止めるには少なくとも、火太郎の1人や2人は欲しい。


「………おかしいわね。」


「……ああ、俺もそう思う。」


「…何かあった?」


 ここまで玄関前で騒いで全くのノーリアクションというのはおかしい。普段なら誰かが気付いて来るはずだというのに。

 待ちの姿勢をとり続ける必要も特に無いので、お邪魔しますとだけ言ってギーナの家に上がる。

 何か起きたのか、それとも単に出かけているのか。

 後者である事を願いながら居間のドアを開くと、そこには。


「くっ…」


「どうだ?我がフレイムオブロードは?」


「それがどうしたと言うのだ!スコールレイ!」


「ぐあああああああああ!!」


 部屋の中でドンパチやってた。

 しかも、英語の羅列を叫びながら。

 痛え…


「うわあ…何あれ?」


「…なにこの惨状。」


 後からやってきた2人も呆れ顔だ。当然俺もだ。


「か、かっけえ技名だ…」


「「「え?」」」


 1人だけ反応がおかしい。

 次の瞬間にはそれを忘れることにし、状況の分析を図る。

 え~と、

 外から呼びかけても返事が無くて、

 見に来たらなんか皆叫びながら能力を部屋で使ってて、

 部屋がボロボロになってて、

 俺たち全員呆れ顔。

 ……ああ、わかんねえ。


「おい!アウトオブヒューマンが帰ってきたぞ!」


「それだけではない!スピードマスターとインフィニティマジシャンもだ!」


「待て!ワープマスターも忘れるな!」


 英語の羅列、2つ名、二年前…うっ、頭が…


「ふっふっふ…このナイトオブレイに勝てると思う?」


「相手はこやつだけではない!このフレイムロードもい…

 な、なんだ…突然眼前暗黒感が…」


「わ、我も眼前暗黒か…」


 どさどさと倒れていく居間を暴れまわっていた連中。

 その内倒れる音すら無くなり、静まり返った。


「なんだこりゃ…」


「まるで意味がわからんぞ!?」


「…意味不明。」


「毒ガスではない…魔法でもない…この感じはあの時の…?」


『大丈夫でしたか!?』


「あれ?この声はいつだかの…」


 四者四様の反応を繰り広げる中、脳内で女神様の声が聞こえる。

 それが俺だけでないことを俊太の反応が教えてくれた。


「今、何をしたの?」


『皆さんを一時的に気絶させました。

 このままではあなた方が危険だったので…』


「あの状況について何か知ってるの?」


『はい。

 彼女らは集団催眠のような状態に陥っています。』


「集団催眠?」


『そうです。

 とある…人間の仕業です。

 彼女はあなた方の友人に、とある暗示をかけたのです。』


「暗示って?」


「ああ!」


『分かってもいないのに口を挟まないで下さい!今は真面目な話をしているんですよ!?』


 俊太が怒られた。当たり前だ。


「それで、その暗示って言うのはなんだ?」


 暗示の内容が分かれば、それを解く鍵になる。だから訊いた。


『暗示の内容ですが…攻撃的にすることと、精神年齢を二歳若返らせる、のようです。』


「…精神年齢を?」


「二歳?」


 二歳若返らせる?

 前者はともかく、なんで十数年とかではないのだろうか。

 目的は分からないが、悪事を働きたいのなら生まれた直後辺りの精神年齢にすれば、日常生活に支障が出るほどの被害が出るというのに。


『その理由ですが…守さん、勘付いているのではありませんか?』


「え゛っ?」


 いや、確かに薄々こうじゃないかなーというものには気付いている。

 ただ、そうだとするならあまりにもくだらない。しかもますます目的が分からなくなる。


『認めたくないという気持ちが分からないわけではありませんが、もう認めてしまってはいかがでしょうか。』


「い、嫌だ…認めたら俺の犯人象がもの凄くチープになってしまう…!」


『犯人像なんてどうでもいいじゃないですか!!』


「そ、そうなんだけどな。

 なんかこう…精神操作してまでこんなことをするってのは釈然としないって言うか…」


『では私が言います!あなたは黙っていて下さい!』


「止めろ!お前が言ったら認めるだろ!?

 犯人が単に皆を中二病にしたかっただけってことを!!」


「「「…え?」」」


『…はい、よくできました。正解です。』


「嘘だあああああああああああああ!!」


 目の前で中二病にされてしまって気絶している友達が倒れている事を忘れて、俺は叫んだ。

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