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第五百四十話 騒動拡大?鍛えてますから!?

作者が物語が進まないからって痺れを切らしてはならないと誰が決めたァ!?

というわけで、早めの投稿。別に明日世界が滅ぶわけでもないので安心してお読みください。

「ひ、人が飛び降りたぞー!!」


「キャーーーーーーー!!」


 先程の破砕音、そして雄叫び。

 これほど上空でドンちゃか騒いでおいて注目を浴びない方がおかしい、ということを完全に失念していた。

 更に人が飛び降りたとするならその騒ぎは拡大するだろう。やっちまった。


「飛び降りてるのってリセス様じゃないか!?」


「王女様が高所から飛び降り!?そんなはず無いわ!!」


 しかも誤解された。やっちまったぜ。

 ここで普通に着地すると足首をくじきましたーとなってもおかしくないので、毎度お馴染み障壁クッションを利用して衝撃を和らげる。

 トランポリンのように少し弾かれ、着地する。


「さて、では行きましょうか。」


「……同じことでも、守がするのとリセスがするのでは全然違うわね…」


「実は俺、一瞬冷や汗が出た。」


「私も…」


「…今のリセスはいつもとは一味も二味も違う。」


 リセスとしてこの祭りに参加している以上、民衆の注目を浴びている中演技をしないわけにはいかない。

 それがこの3人の前だったとしても、だ。

 後で事情説明してもなんか言われるんだろうな~…







「見つけたぞ!」


 覚えのある気配にうんざりしながら振り返る。

 のんびりリセスのフリをしながら3人と出店を回っていると、しれっと残っていたリベルが現れた。仕事が早い。


「あ!お前はいつぞやの!」


「むっ、王女モドキだけではありませんでしベルッ!?」


 聞き捨てならないあだ名を聞き、すかさずヘッドロックを掛ける。


「おい、いつそんなあだ名思いついた?」


「ば、ばかな…動きが…見え…なかった…!?」


「言え。」


「やめ…たす……しぬ…」


 おっと危ない。

 タップの力が徐々に弱まっている事に気付いたので、リベルを解放する。

 一般人の力とはいえ、スポーツ選手並みの力ではこうも効くか…


『スポーツ選手にあなたの様な化け物はおりません。』


 うるさい、一般人ったら一般人なんだい。


『あ、それだけを言いに来たのでツッコミ無しで戻りますね。』


 おい聞いていけ。


「お前は…いつだかのリベルとか言う奴じゃねえか。大丈夫か?」


「ゲホッ、敵に心配されるほど…落ちぶれたつもりは…無い…ゲホッ…」


「リセス、アンタいつの間にそんな力を…」


「き、鍛えてますから!日頃から!

 それに、今日はちょっと調子が良かったのかもしれませんね!

 それより、今度はなんですか!?」


 テキトーにごまかして話題を変え、力に関しては触れないようにしておく。


「お前は大事な事を忘れている。

 王家は民衆に偽らない…ということをな。

 つまり、もし俺が今ここでお前が偽ぐううううう!!??」


「学習しろ。」


 確かに、今ヘッドロックをかまさなければ3人に、ひいては周辺の民衆に俺がリセスのふりをしていることがばれていただろう。

 王家は民に偽らない、だったか…そんな伝統があり、王家の人間は化粧などを禁じられている。

 今、王様はその伝統を破っている。それを祭りに参加している人々が聞けば王家の信頼は落ちるのは避けられない事態だ。

 そこからレジスタンス的な勢力が生まれ、この国が…ということがおきてもおかしくはない。故に止める。


「お…俺一人ではないと…いうことを忘れたか…?」


「何?」


 重要そうな事を言ったのでパッとリベルを解放する。

 リベル以外の敵。

 それを思いついた俺はまさかと思いすぐさま気配を探る。

 …無い。


「あー!お前は!?

 こいつ化粧して王女様に化けているぞー!!」


「なんだって!?」


「リセス様の偽者!?」


 当然だが、俺は化粧などしていない。

 それでも、いつの間にか復活していたマフォーの言葉は辺りの民衆を騒がせるには充分だった。

 王様への報告を完全にほっぽりだして遊んでいた事をかつて無いまでに後悔した。

 というかマフォーの事を完全に忘れていた。アホか。アホなのか俺は。


「なに!?リセスじゃなかったのか!!

 誰だお前は!?」


「…気付いて。」


 まさか俊太まで真に受けるとは…本当の事だけど。


「皆の衆、落ち着くのだ。」


「ああ!?なんだテメェ!黙っ……」


 黙れ、と言いたかったのだろうが、黙り込んだのは発言しようとしていたマフォーの方だった。

 マフォーだけではない。あれだけ騒いでいた民衆も言葉を無くし静まり返った。

 その持ち主は、ゆっくりとこちらに歩み寄る。


「彼女は…リセスではない。

 この者の言うとおり、な。」


 そして王様は、真実を話した。

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