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第五百三話 村長のせいで?勝手に混乱!?

お盆はたっぷり休めたので、また執筆を頑張る所存です。

 長老との戦いの後、俺はリタイアした。

 魔力も体力もほぼ使い切っていたし、例え村人が1人でかかってきても負けていただろう。立つのがやっとな状態で戦っても勝ち目が無い。

 で、この訳の分からん大会の結果は…


「今回の優勝は、村の外から来たギーナさん。おめでとう。」


「え、ええ…なんで倒れてるの?」


 この大会は長老が優勝者に賞賛の言葉を送るのがしきたりらしい。

 例え戦って立つ力さえ残っていなくても。


「おい…いつもは村長の優勝だろ?」


「ああ、まさかアイツが村長を…!」


「マジかよ…」


 いや、村長は俺の仕業だけど。

 ってか、毎回村長一位って、しきたりに従ったら自画自賛じゃね?


「くっ…まさか負けるとは…!」


 タカミは悔しそうに1位の横に立っている。しかし誰にも見られてない。

 誰もが一位に釘付けだ。視線の発生源からは人は見かけによらないとか、村の外にはこんなに強い奴が、とか色々聞こえてくる。


「…で、優勝特典とかは?」


「もちろんあるぞい。

 この村の店の商品、施設の利用代は今日限定で無料じゃ。」


 おお、普通に良い。太っ腹すぎる気がしないでもないが。


「本当は、村長が無銭飲食を合法にするためだけに作った特典なんだけどな~。」


 ああ、村長は毎回優勝とか言ってたしな。

 優勝にかこつけて、そんな事をするために…


「やかましいわい!後、客人の前でそんな話をしたらわしゃあ株が大暴落するわい!」


 負け惜しみ吐きまくってた時点で既に下がりに下がってるんだが。


「…という訳で、解散。

 あ、特典は彼女だけだから注意しとけ~。」


 さすがに20人全員とか言ったら村が大赤字だな。それは納得だ。

 その後はと言うと…


「私のおごりよ、ありがたく食べなさい!」


「おごりって手があったか。なるほど。」


「店が潰れる…」


 ギーナの手によって、


「これと、これと、これと…」


「もう止めて!とっくにうちの利益はゼロよ!」


「ついでに御代も、ね。」


 村の危機が訪れてしまった。







「昨日は村の損害で気が気じゃなかったんだが…」


「ああ、ご馳走になってる側も悪い気しかしなかったな。お気の毒に。」


 部外者が見ているだけで損害のチェックをしそうになってしまうほどだった。


「使えるものは使う、そのどこが悪いの?」


「だからと言ってやりすぎだろ!?

 お前どんだけお土産と称して買ってるんだよ!移図離でも1回じゃ無理じゃないか!?」


 ギーナの後ろには山のように詰まれたお土産がある。

 それも山は一つだけじゃない。2、3…これだけあるとむしろおびただしい。


「村の物資空になったんじゃないか?」


「いえ、さすがにそこまでは買ってないわ。自重した方よ。

 あ、移図離。このお土産守の家に転移させといて。」


「自重してそれか…あと、勝手に人の家を土産置き場にするな。俺の家は保管庫じゃない。」


 移図離が黙々とお土産を転移させているのを見ながら、ふと疑問に思ったことがあったので訊いてみる。


「この村どんだけ物資があるんだ?いくらなんでも村一つだから限界があるだろ?」


 この村の物資の量である。

 そのほとんどが食料で、とてもじゃないが一つの村に必要な量には見えないが…


「ああ、ここの住人は基本大食いだからな…こっそり黄金族であることを隠して近くの村から食糧とかを買っているんだ。」


「村を飛び出して、なんでこいつらそれしか食わないんだ?って疑問に思ったくらいだ。」


 やっぱり2人が特別大食いって訳じゃないのか。

 飯のとき、ルーもルドもお代わりを頼まない事は無かった。

 飯の後に腹八分だと呟いていた回数は、一体何回だろうか。本人を含めて、それを知るものはいないだろう。

 …知っても意味は無いが。


「それで、もう出てくのか?」


「そうだな。昨日たっぷり満喫したし。」


「別れ際になんかあると思っていたが、特に何も無かったな。これから起きるかもしれないけど…」


 縁起でもない事言うな。

 しかし、別れがあっさりだったのは俺も意外に思っているのは事実だ。


「じゃあ、なんか起きる前に出てくか。

 妙な騒動に巻き込まれるのはゴメンだ。」


「珍しいわね、自分のものでも他人のものでもトラブルが好きな俊太がそんな事を言うなんて…」


「いや、さすがの俺も死ぬのは御免だからな…

 って、さすがってなんだ?俺は何を言ってるんだ…?」


 俊太が勝手に混乱している中、俺たちは俊太を置いて村から出て行った。

 ちなみに、置いていかれた俊太は普通に追いついてきた。







「……ねえ、さっきから疑問に思ってたんだけど…」


「なんだ?」


 ギーナがなにやら深刻そうな顔をしてそんな事を言うので、嫌な予感を働かせながら訊いた。


「大体、異世界を2日旅しては5日守の家に戻るわよね?」


「ああ、そうだが?」


 そりゃ、学生だから土日しか休みが無いからな。

 休みとして2日が不十分…なんて言ったら世の中の社会人を敵に回す気がするので言わないが、異世界を旅するにはというとどうしても少なくなる。(旅は半分強制なので休みに入らないとして)

 学校にも有給があればなー…


「で、今日はそれを超えた3日目なんだけど…」


「…ギーナ。」


「何?」


「それを知らないとでも?

 今日は祝日だ。」


 さすがに、平日だと騒いで休みだったということが何度もあれば祝日も確認する。

 そして、今日は11月3日。文化の日だ。


「学習したって事?」


「そう言うことだな。」


 人は常に成長するものだからな。良い方向にも、悪い方向にも。


『それじゃ成長じゃなくて変化じゃない?』


 …そうとも言う。釘をさす前に言うな。

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