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第四百八十九話 地味な誤解?見事命中!?

 女神様の説明が終わる頃には、完全に包囲されていた。

 戦える人は構え、戦えない人は構えた人の後ろに隠れる。


「初めまして…ですね、王女様。」


 いつのまにか包囲するロボの後ろに、1人の人物がいた。


「あ、さっきのおっさん。」


「俊太、知ってるの?」


「なんか守を追ってたから、手伝おうと思ったんだが…転移する時に置いて来ちまったらしいな。」


 守を追ってた?

 そしてこの状況。まさかこの人が…


「もしかして…あなたがリベル?」


「そうですよ。

 では、早速ですが…あなたのお仲間を蹴散らして誘拐しようと思います。」


「何がではだ…何が早速だ!

 俺達をそう簡単に蹴散らせると思うな!」


「リセスは絶対に攫わせない!

 むしろ、私たちがロボを蹴散らしてあなたを捕まえてやるわ!あなたは自分の心配でもしてなさい!!」


 …地味に私がリセスだと誤解されてる。

 でも、いざって時は私が捕まることになるし、そうなってもどうにかして脱出するから別に解かなくていいか…

 最悪、守に頼ろう。きっと割と早く復活してくれるから。


『でも、今回の戦いはかなり厳しいですよ。

 もし貴女の仲間に何かが起きたら、守さんが…』


(心配無いよ。

 皆なら無事にロボを倒して、リベルを捕まえるくらいできるはずだから。)


 ロボの戦闘能力がどれほどのものかは分からない。

 でも、私には信頼できる仲間がついてる。だから迷う事も、ためらう事も無い。


「行くよ…皆!」


 私の掛け声が、戦いの火蓋を切る合図となった。






 攻撃が当たらない。

 ロボはこちらの攻撃を的確にかわしてカウンターを撃ってくる。

 その的確さは機械そのもの。作業のような戦い方のように見える。

 カウンターの多くはなんとかかわせてるけど、いくらかクリーンヒットを貰っている。この状況が長引いたら確実にまずい。


「なんだこいつら…まるで俺達の攻撃が分かってるように避けてきやがる。」


「強力な魔法も撃ってるんだけど、当たらなければ意味も無いわね…」


 あのギーナでさえ攻撃を当てられないらしい。


「もういっそ広範囲の魔法でも…」

「撃ったらまずいよ!町まで吹っ飛ばす気!?」


「…やっぱり?」


「やっぱりじゃないよ!最悪王城まで無くなるって!」


 という事情があるので、広範囲の魔法が封じられている。

 それも現状打開が出来ない要因のひとつだろう。


「このままじゃジリ貧だな…

 ……ちょっと待て。」


「何?」


「アイツ本人狙えばいいんじゃね?」


 ……革新的な考え方をするね。

 カードで戦う話でリアルファイトをする、戦えないはずのヒロインが前に出てきて敵に一撃…に似たような感じがする。

 …前者は割と多い気がするけど。


「でも、本人を狙ったからと言ってロボが倒れると決まった訳でも」

「いけ!奴らを1人残らず蹴散らせ!」


「…そうだね、まずは狙おう。」


 ロボの陰に隠れて言いたい放題のリベルに、引っかかるものがあったので賛成した。

 虎の威を借るって、されるともの凄くいらつくよね。


「せーの、」


「「「いっけええええええええええええ!!」」」


 3人で一斉に魔法を放つ。


「え、ちょっと待…」


 魔法は真っ直ぐリベルに向かっていく。

 もちろん、何を言われても待てないし待たない。待つ必要も無い。


「よし!」


「当たれー!」


 リベルに魔法が当たる事を確信した。


「あ、やべ!」


 ドオオオオオオオン!


 魔法は見事命中した。

 ただしロボに。

 別の戦闘で下がったのか、射線上に入ってしまったらしい。

 直撃前の声は俊太のものだった。拳を振り切った姿勢になっていて、その拳は赤い。

 どうやらロボを殴ったらしい。金属だったから痛そう…


「くっ…逃げるとしましょうかね…」


 リベルはどこかへ去って行く。

 追うにもロボが足止めをしてくるので、近付く事すら出来ない。


「ならもう1回!」


「待って!あの位置じゃ民家に当たる!」


「う…」


 当たれば問題は無いかもしれないけど、避けられたら周りの民家に被害が及ぶ。

 だから下手に攻撃も出来ない。不要な恨みは買いたくないからね。


「現状の打破は難しい、何か良い案は…」


「…瑠間、一つ頼んで良い?」


 ギーナが真剣な口調で訊いて来る。

 ロボと戦いながら聞き耳を立て、一字一句聞き逃さないように聞く姿勢を整えてから訊き返した。


「何?」


「あのね、………」


「…分かった。」


 ギーナの話を聞き終えた私は、またロボとの戦闘に意識を向ける。

 しかしそれは一瞬遅かったらしく、切り替えると同時にロボの攻撃が目の前に迫っていることに気付いた。

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