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第四百八十一話 遅刻の噂?混ざった!?

「な、なあリセス、そろそろ終わりに」

「何を言っているのですか!まだ説教は終了していませんよ!?」


 外が暗くなってきたのが見えたので、リセスの説教を止めて帰ろうと思ったのだが…聞く耳を持たない。

 実は精神分析チョップで気絶した後から夜が明けている。なので今日は日曜日だ。

 つまり、今ここで帰ることができなければ明日の学校に遅刻するかもしれないという訳だ。

 ちらり、とまた窓を見る。

 しかしその行為はなんの解決にもならず、ただ焦燥感を増していくばかりだ。それだけでなく…


「説教の途中で余所見なんて、どういうつもりですか!

 人の話はしっかり聞いて…」


 更にリセスを刺激してしまった。

 これではますます帰れる可能性が低く…くそっ…


『なんかシリアスっぽいけど、悩んでるのは説教の事なんだよね…』


(悩むには充分だろ。明日の遅刻がかかってるんだからな。)


『遅刻くらいで…ああ、あの噂の事?』


(そうだ。)


 あの噂、と言うのはとある不良の話だ。

 ある日、その不良は夜更かしが原因で寝坊し、登校時間を一時間以上過ぎてから登校した。

 遅刻を全く気にしていないような様子で、悠々と歩いてきたとのこと。

 日常的に万引きやカツアゲを行う奴だ。遅刻で罪悪感など感じるわけも無いだろう。

 それを見た校長は、無表情でその不良を捕まえて校長室に引きずり込んだ。

 その翌日。その不良はきちんと制服を着こなし、金に染めていた髪を黒くして登校していた。

 それ以降は授業態度も良く、休み時間には復習、爽やかな笑顔が似合う好青年…と、すっかり真面目になった元不良。

 その訳を聞くと、校長は、


「指導ですよ?」


 と言い、元不良は、


「………」


 黙り込み、決まってその爽やかな笑顔に汗をダラダラと流しながら震えたそうな。

 何があったのか。何をされたのか。それを知る者は、校長と元不良のみだという…


『嘘臭いよね。』


(だが、あの話は本当なんだろうな…

 ちょっと前に学校に忍び込もうとしてた不審者を捕まえてたらしいぞ。余裕で。)


『…信じたくないよね。』


(遅刻したくないよね。)


 瑠間の真似をしながら、打開策を考える。


「ちらっと。」


「…?」


 ちらっと移図離を見る。

 移図離ならこの意図を察してくれるはずだ。と信じたい。

 決してとんでもない曲解をしたり、そっぽを向いて無視をするなんて最低の行為はしないはず…


「……」


 …だと信じたかった。

 なんで顔ちょっと赤いんだよ。マジで止めろよ。

 あ、今口元がニヤついた。確信犯じゃねーか。


「何余所見してるんですか?二回目ですよ?

 もう容赦しなくてもいいですよね?本気で怒ってもいいですよね?」


 今まで本気じゃなかったのか。これ以上とかマジで止めろ。

 こうなったら…プランBだ!


「皆、いいのか!?

 このままじゃ、明日遅刻しかねないんだぞ!?」


「遅刻…あ、そうだった!あの噂!」


「早く戻るぞ!守を置いてでも!」


 と言って、移図離は俺とリセスを置いて転移した。


「……えぇ?

 えぇ~……」


「遅刻だかなんだか知りませんが…

 説教を止める理由にはなってませんね。

 では、続けますよ?」


「帰してくれえええええええええええええええええええ!!」


 全ての作戦は、使い切った。

 …少なすぎる?こんな状況でそんなに考える余裕無いに決まってるだろ。リセスの怒りに当てられながら考えたんだぞ。






 はい、翌朝です。眠いです。


『説教が長すぎたせいでリセスの口調が混ざってませんか?』


(恐らく、深夜テンションも手伝っての事でしょうね。それと、お前もです。)


 説教は朝まで続き、登校の時間まであと2時間を切りました。

 当然、とってもまずい状況です。あと2時間で元の世界に帰り、学校に登校する…そんなタイムアタックの時間が始まってしまいました。

 最短で異世界から現代に帰る、なんていう小説は読んだ事も聞いた事もありません!誰か書いてくれよチクショー!

 なんていう本音はともかく、早速始めていきましょう。まずは手段から。

 手段1、丸書いて魔力。

 これは丸一日かける必要があります。2時間以内に帰るって言ってるだろ。

 どこぞの料理番組のように完成品を用意しているわけでもないため、この方法は使えません。

 手段2、移動鞘。

 持ってきてません。持って来る前に拉致られました。

 手段3、能力。

 機能と性質を付ける能力を使うには、まず性別を変える必要があります。ですが、そんな手段はありません。いつもの障壁は持って来る前に(ry

 ティエスの実を探す、と言うのも難しいでしょう。どこに生ってるか分かりません。

 メタフォの森まで戻る、と言うのも現実的な手段ではないでしょう。あの森からは離れている上、地図が無いのでどう行けばいいのかすら分かりません。

 では、第四の手段を創りだすしかありませんね。シャイニングシンク!


『和訳すると光る思考ですね。』


 …真っ白です!


『光ったせいか、それとも何も思いつかなかったのか…言うまでも無いですね!』


(瑠間さん、うるさいですね!)

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