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第四百八十話 勝手に来といて?反省してないだろ!?

今日の朝、二ヶ月前の失敗にようやく気付きました。

活動報告で上げている一周年記念ですが、後で消そうとしていた部分がそのままでネタバレしてましたね…申し訳ありません。

『……』


 何も無い空間。

 俺はタカミの能力の説明中、とうとう体力の限界が来て眠ってしまった。

 その結果、俺の精神世界的な場所に連れてこられた。

 …何がその結果だよって?俺もそう思う。ってか、いい加減喋れよ。


『考え事くらいゆっくりさせてくれないか?

 僕とて暇ではないのだ。』


 なら来るなよ…

 勝手に来といて考え事させろとかほざいたコイツは世界の意思だ。

 なんでまた夢の中に出てきたし。


『おっとすまない。

 悩み事のせいでイライラしていたらしい。許して欲しい。』


 悩み事?

 非常に厄介な事を言われそうな気がするな…その悩み事を解決しろとか。

 わざわざ忙しい(本人談)中俺の夢に来たのだ。それくらいは覚悟しておいた方がいいだろう。


『お察しの通り、その悩み事はいずれ君に解決してもらうが…

 今は調査中なので何も出来ない。今すぐ頼むと言う事はないから安心してくれたまえ。』


 いつか頼まれんじゃねーか。安心できねーよ。


『なに、心配は要らない。

 その悩み事を解決する為に君達をこちらの世界に連れてきたのだからな。』


 そんなことのためにか…

 あ、そう言えばやるべき事があるとか言われた事があったような。それか。


『そんなこと、ではない。

 僕の悩みは、君達にも無関係ではないのだからな…』


 え?そんな意味深なこと言わなくてもいいから。

 不安煽ってどうすんの。あ、おい、何も答えずにフェードアウトとかやめ…







「……また天井か。くどいぞ。」


「あ、起きた。」


 本日二度目の天井だ。本日限りじゃなければ何度目だろうか。

 え~と、とりあえず普通に寝て起きたときにも見てるから、365×15+30×9…更に今月の分を足して…あ、うるう年とか昼寝とか気絶とか寝る前とかも含めて…

 ………三桁を含めた暗算はきつい。式多過ぎ。はっきりしない数多い。無理。


「守、聞いてる?」


「へ?何が?」


 完全に計算に集中していたので、話なんて全く聞いてなかった。


「王子はどこに隠したって訊いてるの!さっき何か言いかけてたでしょ?」


 そう言えばそうだったな…ゴロボ一味に遮られたが。


「あ、ああ…その件なんだが…

 非常に言い辛いことだから明日まで待ってくれないか?」


「待てるか!言い辛い事になってるなら尚更だろうが!!」


「じゃあ言うか…

 俺にもわかんねぇ。」


「なんだ、言いづらいって割にはあっさり言ったな………って、え?」


「え?」


「え?」


「え?」


「え?」


「え?」


「ゑ?」


「え?」


『え?』


「え?」


「え?」


「え?」


「え?」


「え?」


『え?』


「え?」


「え?」


「え?」


『え?』


「え?」


「え?」


「え?」


『えぇ?』


「え?」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「『『『『ええええええええええええええええええええええええええええええ!!!???」」」」」」」」」」」」」」」」」」」』』』』







 その後、リンスは無事に発見、保護された。

 いつまでも王子を持って歩いていたら、王子だけ取られるかもしれないと思った俺はその辺の倉庫に隠したのだ。

 しかし、あろうことか王子を隠した倉庫がどこだったかを覚えていなかった。

 非常時で焦っていたということもあるが、倉庫に特徴らしい特徴が無かった上、周辺に同じような倉庫がいくつも建っていたのだ。

 幸い人数だけは多かったので、倉庫をしらみつぶしに捜した結果割とあっさり見つかってホッとしたが……リンスに恨みでも持たれたかもしれないな。

 隠しておいて放っていた上、よく確認していなかったせいで魚が入っていた箱に入れてしまったからだ。おかげで生臭くなっていた。

 表ではそんな様子を見せないのがなお怖い。いっそ怒鳴ってくれた方がありがたいくらいだ。

 ちなみにこの村に来た目的だが、自分用の剣を打ってもらう為だったらしい。試し切りとか言って俺に切りかかってこないかハラハラしたものだ。

 剣を打って貰って満足したリンスは、念願の剣を帯びて帰国した。何もせずに。

 王子を見送った俺たちは、トーナの家に来たのだが…


「守!なんてことしたの!?」


 一国の王子に対してあの扱い。リセスの怒りは当然だろう。


「悪いとは思ってるし、反省はしてる。

 だから見逃して」

「いいえ!見逃しません!!

 最悪国際問題に取り上げられかねないのですよ!?そうなったら、隣国がこの国の交渉を受け入れてくれるかどうか…

 そもそも、なんで間違いを訂正してくれなかったんですか!?結局守さんが私だと勘違いしたまま帰ったじゃないですか!!」


「もちろん訂正はした。

 ただ、聞き入れてくれなかったというか…」

「聞き入れさせてくださいよ!なんとしてでも!!

 そもそもですね、守さんは相手が王子という意識が無さ過ぎましたよ!?だからこんなことに…」


 …この後、延々と説教が続く。

 その間他の皆はと言うと、リセスの怒りっぷりに驚いている。ここまで言うのか…みたいな顔で。

 さっき言ったとおり、悪い事をしたという自覚はあったし、反省もしている。

 だから、リセスの説教は聞き流す事にした。

 反省してる人間に説教なんてしても、余計落ち込むだけだ…キリッ。


「つまり、隣国だけでなく、他国からしてもこの国の印象が…聞いてますか!?」


「もちろん。」


 聞いてない。

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