第四百六十七話 この言葉はこのために?言うな…って、言うな!?
一話目。
気分やノリで書いているせいか、書いている小説は書いている時の体調の影響を受けるようです。
体調が悪かったり、気分が暗いままだと、小説も暗くなる…そのせいでグダったんじゃないかと思います。
最近投稿ペースが遅いのも疲れているせいかもしれません。
皆さんはしっかり体調を整えて執筆しましょう。
とにかく、こんな格好では旅どころではない。
まずは帰って着替え…………移動鞘が無い。
「ああ、ここには移図離の能力を使ってきたから、あのナイフは無いわ。」
くっ、こっちの行動は予想済みって訳か…
だが、障壁で…
「あ、そうそう。
この前みたいに即席の服を創ろうとしても、私達には見逃す気は無いから。」
…封殺。この言葉はまさにこんな状況のためにあるのだろう。
「…というと何か?
今日からの2日間、この格好で過ごせと?」
「そういうことになるわね。」
…地獄だ。
この2日間は町に着きませんように。あと、誰ともすれ違いませんように。
「何祈ってるのかは知らないけど、そろそろ次の村よ。」
「それも、私の村ですね。
やっと報告が出来ます。」
次はトーナの村か。
トーナも早く報告したかったみたいだし、さっさと報告を済ませて村から出て行こう。
…着けばな。
その後、無事にトーナの村に着いた。
幸運にもと言うべきか、不運にもと言うべきか…迷うところではあるが。
『幸いじゃない?無事なんだし。』
まあ、怪我して着かないよりは良いだろうが…あ。
瑠間と替わればいいじゃないか。
『さすがに、私もその服装は恥ずかしいよ。』
いや、俺は男だからこんなに精神的に着てるわけであって、精神が女の瑠間ならダメージは少ないはずだろ?
だから頼む、替わってくれ。
『それは良いんだけど…
どうやって替わるつもり?』
眠る、気絶する…今はどっちも使えないな。
さっき眠ったばかりだから眠れないし、気絶は力加減を間違えれば、そのままコロリと…なんてことも考えられるので、リスクがでかい。
しゃーない、今日一日はこれで過ごすか…
『一日なんてすぐに終わるよ。頑張って。』
…なんか、この前と比べて瑠間が優しいな。
『この前は守に散々当り散らしたし、分身の術のおかげで外に出られたからね。
それで鬱憤が大分無くなったんだ。』
(そうか。
なら、明日は一日中表に出て満喫してるといい。)
『それ、押し付けも入ってるよね?まあ良いけど。』
とりあえず、今日をいかに過ごすかだな。
まず、あまり目立たないように行動して…
「ん?誰かこっちに来てるな。」
気配を探ると、確かに何者かが俺たちに近付いてきている。
ドドド…
「…まだ見えない距離のはずなのに足音が聞こえてきたぞ。」
「この無駄に大きい足音、まさか…」
「トーナ?」
トーナの顔が引きつっている。
心当たりでもあるのだろうか。
ドドド…ドド…ドドド…
「…ナ~」
遠くから何かが聞こえた。
ナってなんだ?
「ト~……ナ~…」
「この声、やっぱり…」
ドドドドドドドドドドッ…!
「ト~ナ~!ト~ナ~!!」
どうやらさっきからトーナを呼んでいたらしい。
「ストップ、お父さん。」
「おっと!
危うく愛しい我が娘を轢いてしまう所だった、危ない危ない…」
恐ろしい事を笑顔で呟くなよ…
「久しぶりだなトーナ!帰ってきてくれてお父さんは嬉しいぞ…!」
なんかいきなり号泣し始めたこの男は、トーナの父親らしい。
やたらムキムキで、
「今日も上腕二等筋が光るぜ!」
なんて言いそうだ。第一印象は暑苦しいの一言に尽きる。
「いい歳してそんなに泣かなくても…」
「あ~っとそうだった!
トーナ、守ってどんな奴なんだ!?
家の娘を誑かしやがって…!一発でも殴らないと気がすまねえ!」
…え?なんで俺が?
トーナを誑かした記憶なんて、塵ほどにも無いんだが…
「……えっと、その守はここに居る守じゃないよ?」
「何!?じゃあどの守…」
「別の世界の守。」
「……はぁ?」
開いた口が塞がらないトーナの父親。
別の世界でピンと来たのだが、この世界のトーナは異世界ドタバタ騒動の世界の俺について言及したのだと思われる。俺は会ってすらいないからな。
そもそも、今そこに居る方のトーナの旅の目的は、この世界のトーナの関係者への事情説明。
きちんと詳しい事情を説明して、関係者、特に親に安心してもらうべく俺たちに付いて来たのだ。
…説明、こじれそうだな…
「あ、ちなみにこの世界の守はコレよ。」
「人をコレって言うな…って、言うな!!話がますますこじれるだろ!?」
「お前が守か…」
「だから、俺とトーナを誑かした俺は無関係で…」
って、何言ってんだ俺。悪魔のカミングアウトのせいでテンパった。
「って、こいつは男じゃないだろ。別人じゃないか?」
別人には変わりないんだが、男を否定されたところがちょっとな…
「だから、そう言ってる訳で…」
「?」
もう俺にも分からなくなってきた。もう説明はトーナに丸投げさせてもらおう。
「詳しい事情は家で話すから、一旦帰らない?」
「ああ…」
トーナの父親は、トーナに連れられてトーナの家に向かった。
俺たちもそれに付いて行く形でトーナの家に向かった。
どうでもいいが、トーナは父親なら口調が砕けるらしいな。
『本当にどうでも良いね。』




