表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
478/630

第四百五十七話 隠す気も無い?ほぼ名指し!?

一話目。

連休の最終日に間に…合わなかった!?

「障壁!」


「速度低下!」


 ドラゴンの背から落ちた俺たちは、障壁を創り速度を落とすことで無事に着陸する。


「ったく、何があったんだ?突然振り落とされたけどよ…」


「気配ぐらい探っとけ。見えなかったが、確かに何か居ただろ。」


 ドラゴンが急激に動く直前、ドラゴンの前に何かの気配が出てきた。

 あれがさっきドラゴンを攻撃し、今もなお戦闘を繰り広げている…のだろう。

 はっきりしない言い方になってしまったのはその気配の正体が見えないからだ。


「ねえ…あれ何?」


 気配の正体を探っていると、ギーナが訊いてきた。

 そう言えばさっきまで何してたんだ?俺がドラゴンを見に行ってから見てないが。


「ああ、ドラゴンとなんか良く分からない気配が戦ってるんだ。」


「はぁ?」


 よく分からない説明だと言うのは分かっているが、俺にはそうとしか言えない。

 俊太が説明しても、似たような…いや、もっと酷い説明をしかねないな。


「…なあ守、今俺にとって失礼な事を考えなかったか?」


「何故ばれた。」


「そりゃ流れで…

 って、隠す気も無しかよ!せめて否定しろ!!」


「そんなことより、ドラゴンと戦ってるって言う気配は魔力を使ってないわね。」


「そんなことじゃ」

「魔力を使ってない?」


「ええ、私は能力もあって魔力を察知できるんだけど、あの気配が使ってるのは魔法じゃなくて種族の特性みたいなものね。

 例としては、炎を吐く、危険の察知とか…そんな感じよ。」


 種族の特性…デンキウナギの電気とか、毒蛇の毒とかそんな感じか?

 後は、猛火とか新緑とか…激流も静電気もあるな。


『途中からなんか違うような…

 その前も的を得てるようには思えないけど。』


 ピッタリの例えが思いつかなかった。他のいい例えがあれば募集する。


『募集対象人数一名って…ほぼ名指しじゃん。

 あと、私は何も無し。』


 …それはさておき。

 ミラーアイズセイントドラゴンの敵なんて、アイツしか居ない。

 そう考えれば、気配はするのに見えないことも種族の特性も納得だ。


『いや、さすがに現実と魔闘劇は関係ないんじゃ…』


(いや、フィクションは何かしらの元ネタが存在するなんてざらな事だ。

 それに、目の前に魔闘劇の魔物が居る。だったらそのライバルが居ても不思議じゃないだろ?)


『そうだけど…』


(なら…)


「光を放て!セイントドラゴン!!」


「グルゥゥゥ…グオォ!!」


 俺の言葉を合図に、ドラゴンの全身が光る。

 するとドラゴンの近くに一点の闇が見え、その闇はやがて消滅する。

 闇の中から出てきたのは悪魔そのものの姿を持った魔物としか言いようが無いものだった。


「やっぱりお前か…ディープダークデーモン!」


 ディープダークデーモン。

 魔闘劇に出てきた魔物で、ミラーアイズセイントドラゴンと肩を並べる実力を持つと言われる悪魔。

 魔闘劇のアニメにおいては主人公を何度も苦しませ、しのぎを削って戦いあった魔物だ。


「アイツの特性は闇を創り出すって言ったところか…通りで今まで見えなかったわけだ。」


 悪魔が創り出した闇が夜の闇に紛れていた。

 だから気配はしても見えなかったし、魔法を使っていたわけでもないと言う訳だ。


「……悪魔とドラゴンの闘い。

 伝説にも語られた、あの闘いがこんなところで…まずい!

 皆、あの戦いを止めないと大変な事になるわ!」


「そんなこと分かる!もういくらか流れ弾がその辺に来てるからな!」


 2体の戦いに夢中になっていたが、辺りの地面は凹んでいる場所がいくらか出来ている。

 今もなおドラゴンのブレスや悪魔の足跡が地面に刻まれ、悲惨な状況を作り出そうとしている。

 障壁結晶でいけるか…?いや、こんな一撃を耐えられるわけが無い。

 相手は伝説の存在。俺たちに止められようが…


「おい!ドラゴンが押されてるぞ!」


 その言葉で俺は上を向く。

 見ればドラゴンも悪魔も傷ついているが、ドラゴンのほうが傷は多い。

 悪魔はドラゴンより小さく、ドラゴンよりも優れている小回りの効きを活用してヒットアンドアウェイを行っているため、ドラゴンは反撃してもなかなか攻撃が当たらない。

 …俺はドラゴンに勝って欲しい。

 俺はあのドラゴンのカードが大好きだった。

 それに、俺はアニメのようにドラゴンがあの悪魔を打ち勝つ瞬間を見たい。

 アニメでは、あのドラゴンは一匹で悪魔に立ち向かっても負けていた。

 しかし、あの悪魔に無い仲間との絆、団結の力で悪魔と闘えば勝っていた。

 だがここは現実。アニメ通りのドラゴンの仲間を呼ぶことは出来ない。

 だから俺が仲間になる。あの悪魔を倒しえる力の一部に。


「守!?」


 障壁を伸ばし、ドラゴンの近くへと行く。

 少しでも良い。悪魔に隙を作れば、ドラゴンは今も溜めている力を使って勝ってくれるだろう。


「大きく後ろに飛べ!セイントドラゴン!」


 ここからはアニメとは違う。

 俺とドラゴンで新しい勝利を創り出す!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ