第四百五十六話 無駄だった?試せてない!?
一昨日からゴールデンウィーク、休日グォレンダァ!
だと言うのに、今年のゴールデンウィークは今日が初投稿。アイディアが出てきませんでした。スランプですかね?
去年は一日四話とか言ってたっけなぁ…活動報告で。
目の前で守がドラゴンに睨まれている。
守はドラゴンを見たまま動かない。早く助けないと守が…!
「俊太!助けに…」
声を掛けようと俊太を見ると、俊太は固まっていた。
あの能天気な俊太までこんな状態に…
かくいう私も、少し気を緩めれば2人と同じ様に動けなくなってしまうだろう。
「「……す…」」
二人の前に飛び出そうとすると、ほぼ同時に2人がしぼりだすように声を出した。
何か伝えたいことがあるのかもしれないと耳を傾ける。
「「すっげええええええええええええええええええええええ!!」」
その直後、突然2人は叫んだ。
……み、耳が…
「本物なのか!?マジで!?なあ!」
「サインください!お願いします!!」
いつの間にか俊太までドラゴンの前に居た。
このはしゃぎようはなんなの…死ぬかもしれないって言うのに。
「バカヤロウ!サインじゃなくて足型だろ!!」
「そうか、その手があったか!と言うわけで頼む!!」
「グ、グルルル…」
2人の勢いにドラゴンが困っているように見える。
伝説ではとある大国を焼き尽くした、あのドラゴンが…
「…フッ。」
…笑った?
数秒前からは考えられない光景に、私はしばし固まっているのであった。
「…無駄だったみたいね。」
タカミは夜空を飛ぶドラゴンを見て呟く。
俺は自由時間に町を1人で回っていた時、偶然聞いたのだ。
偽者達がドラゴンが封印されたと言う場所に行き、守達がそれについていくことを。
本人達は内緒のつもりだったらしいが、3人が出て行ったタイミングで皆を起こして俺が聞いたことを話した。
すると、異世界組の皆は口をそろえて危険だと言い始めた。
そう言うだろうとは思っていたが、皆から聞いたドラゴンの強さは、俺の想像のそれとは全く違った。
守、ギーナ、俊太。この3人ならドラゴンだって倒せるだろう。そう高をくくっていた俺はそのまま何も言わないで置くつもりだったが…
3人が出て行ったあたりで妙な胸騒ぎがした。放っておいたら3人はこのまま帰って来ない気がしたのだ。
妙な焦燥感に駆らつつも全員を起こして事情を話したところ、衝撃の真実を聞かされて急いで守達を追った…そして今に至る。
着いてみると、守と俊太はドラゴンの背に乗って飛び立つところだった。その近くには木の影で呆けているギーナを見つけた。
「…夢にしては少し鮮明すぎると思わないか?」
「太郎に起こされた辺りから全部夢とか?」
「じゃあ、全員お互いに頬を思いっきりつねってみるぞ。容赦は要らない。」
俺達は輪になって全員隣の奴の頬を思いっきりつねった。そして放す。
数人頬を抑えているが、これで判明した。
「普通に痛い。ってことは…」
夢じゃないって訳か…
「ちょっと!容赦は要らないとは言われてたけどあんなに本気でつねる事は無いじゃない!!」
「タカミ、少しは手加減しろ!千切れるかと思ったぞ!?」
「……つねられてない…すり抜けた…」
「…ミャ~…」
引っ張った奴に抗議している者、約一名+一匹試せなかった者も居る。
頬を引っ張ったところで再確認しようと空を確認する。
やはりそこには2人を乗せて飛んでいるドラゴンが……止まっている?
ドラゴンはその翼を羽ばたかせ、ヘリのホバリングのように空中に留まっている。
その視線の先には何があるのか、それを確かめようとした直前に一つの咆哮が響いた。
足型を取ろうにも墨も紙も無いことに気付き、途方に暮れ掛けた俺たち。
俊太が駄目元で背中に乗せて飛んでくれと頼んでみたら、ドラゴンは乗れと言わんばかりに少しかがんでくれた。
憧れのドラゴンに乗せてもらい、それに感動したのも束の間のことだった。
「グルルル…」
ドラゴンは突然空中で止まり、何かを威嚇し始めた。
その視線の先は暗くて見えない。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
だが、次の瞬間には大きな咆哮が聞こえた。
「なんだ!?」
「グルルルル…グルァ!」
ドラゴンは咆哮の主が居ると思わしき場所に一筋のブレスを放った。
「「セイントストリーム!!」」
思わずアニメで使われた技名を叫んでしまった。俊太とハモる。
中二病っぽいが、気持ち良いからノープロブレム。
しかし、気配は攻撃を避けてこちらに跳んできた。
飛んでいるドラゴンにジャンプで届くとは…恐ろしい脚力の持ち主らしい。
…気配はする。だが、その姿は見えない。
見えない気配はドラゴンを攻撃し、ドラゴンはそれを避けるために急激な動きをした。
その結果、俺と俊太は地面へと真っ逆さまに落ちていった。




