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第四百五十四話 トラブルメイカーの鼻?いい町の基準!?

調子乗りすぎました。ごめんなさい。

一昨日一周年記念の後書きに色々書いてましたが…一周年達成とアウトオブ本編の完成で舞い上がりすぎたようです。

しかし、募集は止めません。もし良ければ宜しくお願いします。

「皆様~!」

 

 偽者達と話し込んでいると、少し遠くから1人の老人が声を掛けてきた。

 

「おお、ここにおられましたか。

 相談事を話しますので、ついて来てください。」

 

「あ、ああ。分かった。」

 

 と言って付いて行ったのは偽者一行の方。

 老人は俺たちではなく、偽者一行の方に声を掛けたのだ。

 

「……どうする?」

 

「決まってるだろ。あいつらを追う。」

 

 …し~ん…

 

 と、俊太が突然しゃしゃり出てきて言うが、誰も同意しない。

 

「…なんだよ。なんでしけるんだよ。」

 

「いや、なんでわざわざ偽者に付いて行くんだ?

 面倒事の臭いしかしないんだが。」

 

「はぁ?お前の鼻は大丈夫か?

 むしろ、面白そうな臭いがプンプンするだろ。」

 

 ……俊太の鼻は大丈夫か?

 さすがトラブルメイカー。奴の鼻は信用できないな。

 

「…ここからは自由行動にするか。

 俊太、絶対に追うなよ。」

 

「…ああ、分かった。」

 

 怪しい、俊太は気配でマークしておこう。

 俺たちは分かれ、町を散策し始めた。

 

 

 

 

 

 

「……良い町だな。」

 

 町を歩き、ぼそっと呟く。

 なにせ、今の今までナンパが一度も出てきてないからな!

 

『守の良い町と悪い町の基準ってそんなことなの…?』

 

 そんなこと?

 何を言ってるんだ、これほど重要な要素はそうあるもんじゃないぞ?

 

『空気が良いとか、風景がきれいとか…』

 

 確かに、それも大切な要素だ。

 しかしいくら空気が良くても、どれだけ綺麗な景色が見られても、ナンパがいたら完全にアウトだ。

 

『厳しいね…』

 

 そりゃ、楽しく観光してても途中で男にナンパされたらな。

 同性にナンパされるほど嫌な事は無いぞ。

 

『まあ、確かにね…

 …それより、さっきから俊太の気配がぴったり偽者達の気配について行ってるね。

 これはもう確定だね。思いっきり尾行してる。』

 

 俊太の気配は、さっきから偽者達の近くから離れていない。

 偶然ということもあるかもしれないのでしばらくは見逃していたが、さすがに偽者と全く同じ方向に移動し続けていたらつけていることくらい分かる。

 

『そろそろ止めに行く?』

 

(そうだな。)

 

 俺は俊太の気配がする場所へと走り出した。

 

(…屋根伝っていった方が早いか?)

 

『騒ぎになりそうだし失敗した時怪我するから止めて。』

 

(ちょっとやってみたいなと思っただけだ。ロマンがあるからな。)

 

『本当に出来るからしゃれになってないんだよ…』

 

 と、瑠間と話している間に俊太の下へと辿り着く。あっという間だったな

 

「俊太。何してんだ?」

 

「げっ!?ばれた!!」

 

「そりゃ、お前があの程度の口止めで止まる訳無いからな。

 もしそうだったらそれだけ楽だったか…」

 

「よく分かってるな。

 ところで、お前が分かってる通りあいつらを尾行してたら面白い話が聞けたんだが。」

 

「あ、聞くのは遠慮しとく。」

 

 俊太の“面白い”は、騒動の種だからな。

 

「いいから聞けって。」

 

 そして、遠慮してるのにも拘らず強制的に聞かされる。

 何度このパターンで騒動に巻き込まれたことか…

 

「この村の近くに、ドラゴンがいるらしいぞ?」

 

「ドラゴン?」

 

 ファンタジーの代名詞、ドラゴン。

 俺はこれまで三ヶ月弱異世界を旅してきたものの、一度もその存在を目にした事は無かった。

 …え?ジルム?あれは化けてただけだし。

 

「ああ。

 どうも、この村の近くにドラゴンが封印されていると言われる祠があるらしくてな。

 最近その祠の周囲の様子がおかしいっていう噂を聞いたから、俺達の偽者に様子を見るように頼んだらしいぜ。」

 

 ……完全にフラグだな。

 最近様子がおかしいって言うのは何かが起こる前触れ、というのはよくあることだ。

 見てきてくれないかと言われた場合…ほぼ100%何かが起こる。フラグ的に考えて。

 

「…で、お前はそれに付いて行こうと?」

 

「そりゃそうだろ!

 生でドラゴン見れるチャンスだぜ?見逃す手があるかっての!」

 

「止めとけ。」

 

「…は?」

 

「止めとけって言ったんだ。

 ドラゴンの強さはゲームとかで分かってるだろ?」

 

「ああ、だから憧れるんじゃねえか。」

 

「…その力がもし自分に向いたらって、考えないのか?」

 

「は?なんで俺に?」

 

「……あのな。

 相手はちょっとむしゃくしゃしてたってだけで簡単に命を奪える力を持っているんだぞ?

 もしそのドラゴンが無理矢理封印されていたとしたら、それが解けても暴れないって言えるのか?」

 

「ん~…まあ、絶対に暴れるってわけでもないから大丈夫だろ。」

 

「大丈夫じゃない可能性が限りなく高いから止めてるんだよ。」

 

 ドラゴンが封印されたのは、何か理由があるはずだ。凶暴すぎるとか、暴れまわって大きな被害を出したとか…

 本当の理由は分からないが、少なくとも穏やかな事じゃないことくらいは分かる。

 そんなことに首を突っ込んで、無事で居られる保証はどこにも無い。

 だから、この話は聞かなかったことにして無関係で居るのが一番だ。

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