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第四百五十三話 早すぎた反応?どこか似ている!?

一話目。

「時間を渡る、か…」


 話し終えると、俊太がやたら良い笑顔で呟いた。

 嫌な予感しかしない…それはこの場に居る誰もが思った事だろう。

 …まあ、一緒に旅してたのが父さんと母さんだなんて言ってないし(全員名前を聞いてなかったことにした)、タカミの能力じゃなくて世界の歪みを通ってタイムスリップをしたってことにしたんだが。


「でも、高壁君が話してくれて本当に良かった~!」


 そこまで嬉しい事なのか?


「その目は分かってない目ね…」


「勘違いするな、鈍感だからじゃない。

 リア充の気持ちが分からない…そんな憐れな非リア充だからさ。」


 自分で言ってて悲しくなってきた。


「…そのリア充になるチャンスを蹴った人の台詞じゃないわね。」


「告白までされといてそれは無いだろ。」


「俺が言いたいのはそう言うことじゃない!

 恋愛感情を持ち合わせた事が無いって言ってんだよ言わせるな悲しい!!」


 威勢は張っているものの、マジで泣きそうだ。

 徐々に視界が歪んできている。


「へ~、いつぞやのドッキリで顔真っ赤にしてたのは誰だったかしらね~?」


「う、うるさい!

 あの時はお前もそうだっただろ!?」


「ああ、中学の時の告白」

「なに!?その告白って!!

 その話、詳しく聞かせてよ!もしかして光も」

「守相手にそんな感情持ってないから安心して!!」


 …なんかもう滅茶苦茶だ。

 俊太は告白ドッキリと言いたかったんだろうが、津瑠の反応が早すぎたからこんな事に…あ~あ。


「当事者が呆れてどうすんの?」


「へ?だって俺関係」

「その告白をされた側でしょ。アンタは。」


「高壁君にもじっくり聞かせてもらうからね!」


 俊太と光に向いていた津瑠の矛先が、一瞬だけ俺に向いた。

 …タカミ、余計なことを…!


「それより、タカミは良いの?」


「何が?」


 せめてもの現実逃避にと、タカミとギーナの会話に耳を傾ける。


「あなた、その能力があるなら未来に帰れるんじゃないの?」


 …そう言えばそうだな。

 タカミは時間を渡る事ができる。つまり、タカミが居た未来へと帰れるということ。

 しかし、タカミは今もこうしてここに居る…タカミは帰りたくないのか?と言うのがギーナが言った事だろう。


「…もちろん試したわよ。

 過去の旅で一度帰りたくなったからね…」


「なら…」


「でも、帰ろうにも帰れないのよ。」


 帰れない?

 タカミは未来へ行く手段を持っている。なら帰れるはずじゃないのか?


「この姿は仮のもので、本当の私は魔法も何も使えないただの人間なんだけど…

 そのただの人間の姿に戻れなかったって訳。」


「……?」


 なるほどな…

 つまり、タカミは元の時間に戻れても、姿はアバターのまま。

 羽とわっかがあるというのに、そのままの姿で家に帰れる訳が無い。


「この姿で帰ったら両し…

 …両親は大丈夫かもしれないけど、周りの人は…」


「そう…」


 …って、両親は大丈夫なのかよ。どんな親だ…


「でも、心配は要らない。

 だって、私は皆がいるここも好」

「次!高壁君!」


「へぇ!?」


 タイミング悪っ!?

 せっかくタカミが良い事を言いそうだったのに…


「さあ、じゃんじゃん訊いていくから覚悟してね!」


 …勘弁してくれ…


「じゃあ早速一つ!

 なんで私の告白の時は無表情だったのに、そのドッキリの時は真っ赤になってたの!?」


「それは言うまでの時間が長すぎたから…」


 あと理由がチョロ過ぎると思ったから…


「言い訳は聞きたくない!」


 理不尽だ!訊いたのそっちなのに!!

 その後、津瑠の質問攻めはしばらく続いた…結果、まだ正午過ぎだというのにかなり疲れた。

 …この後大丈夫か?







「お前達はなんなんだ!」


「逆に訊こう。そう言うお前はなんなんだ。」


 次の村に着くと、大人数の集団が突っかかってきた。何故かは分からない。

 ひい、ふう、みい…この後が分からん。とにかく、数えてみると俺たちとちょうど同じ人数だった。

 心なしか俺たちに似てるような気がする。主に容姿が。

 今突っかかってきたのは黒髪でロングヘアーの女か…なんかもの凄くリセスと被ってるな。その割には男口調だが。


「まるで俺達に似せたみたいだな…

 まさか、お前らが偽者集団か!?」


「偽者?」


 なんの偽者だよ。ってか似せてねえし。


「しらばっくれるな!

 ここらで俺達の偽者が出没するって噂だぞ!」


「…さっきから偽者偽者って言うけど、似せられてるって言うあなた達はなんなの?」


「な…俺達を知らねえのか!?」


「知らん。マジで誰だ。」


「…レッドサーカス団を助けたと言ったら分かるか?」


「え?

 まさかまたレイガーが攫われたのか?」


「また?レイガーの誘拐事件は一回だけだぞ。何言ってんだ。」


「え?」


「え?」


 話が噛み合っていない。

 何かがおかしい。


「何言ってんだ。レッドサーカス団の事件を解決したのは俺たちのはずだが?」


「な…ま、まさか…

 いや、そんな訳無いか。」


 何をぶつぶつと…


「何を言ってるの?

 その事件は私達が解決したのよ。」


 青髪のロングヘアー…ギーナみたいだな。まるでコスプレ…ん?


「…あなた達何言ってるの?」


「それはこっちの台詞よ。」


 …今度はタカミみたいな奴が…

 羽とわっかみたいなものがある。髪の色も銀…いや、白か?

 なんというかクオリティが低い。安っぽいコスプレみたいだ。

 もう確信した。こいつらは俺たちの真似をした…偽者という奴だ。

 何故真似たし。

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