第四百四十七話 どさくさに紛れて?皆なんとなく!?
一話目。
昨日は何故か時間が無くなって執筆できませんでした。
一体どこで時間が無くなったんだ…?
「あれ?なんでまだいるの?」
異世界組に説明をしていると、タカミが出てきた。
もちろん、さっきからいるタカミではない。多分3回目の戦いを終えたタカミだろう。
「いや、タカミの能力の説明は終わったんだがな。
何故タカミが増えたのか…これが結構複雑でな。なかなか説明が終わらないんだ。」
「頭でわかってても、いざ説明すると結構難しいっていうか…」
「…説明なら私が変わるから、アンタは助けに行って。
もう能力には目覚めてるんだから、行こうと思えば行けるわ。」
「わ、分かった…」
さっきから居た方のタカミは、その数秒後に消えた。
能力を使って過去に戻ったんだろうな。数分前の俺たちを助けに。
「で、説明だけど……」
その後、タカミが説明に加わるとすぐに説明が付いた。
俺たちの苦労は一体…
「そう言えば、さりげなく消と麻里の能力目覚めてなかったか?」
「「あ。」」
さっき麻里はドーム上の壁を創って河童の突撃を防いでいたし、消は普通に白い光線を出して河童を消滅させていた。
どさくさに紛れて能力目覚めてたんじゃねえか。
「タカミの事のせいでその説明を忘れてたね…」
未来から来たタカミは色々と衝撃的だったからな…戦い方とか。
「実は、タカミに降ろしてもらった後に突然目覚めたって分かったんだ。」
「私も。」
「なんでだ?」
「……なんとなくだ。」
「私も。」
「なんとなくって何だよ!?」
「でも、能力目覚める時って本当になんとなくで分かるからな…俺の時もそうだった。」
「私は未来の私に教えてもらった後から…やっぱりなんとなくだったけど。」
「本当に皆なんとなくなんだな…」
げんなりし始めるフレン。
なんだ、そんなにもっと派手な目覚め方を期待してたのか?目覚めた能力が辺りに放出されるとか…
…って、もしそうだったら消の能力ではとんでもないことになるぞ。周りの物が消える。
「それで、3人ともコントロールは出来るんですか?」
「ああ、この通り自由自在だ。」
と言って、消は指を回して白い光線の輪を作る。
「私もだ。」
丸く黄色いドーム状の壁を手のひらに乗せ、ボールのように放り投げる。
……何故投げたし。
「私は言わずもがなね。」
タカミは既に2回も能力を使っている。誰が見ても完全に制御している事は分かるだろう。
「…そうですか。
じゃあ、もうお別れなんですか…」
お別れ……そうか。
そう言えば、俺、タカミ、消、麻里の4人が旅をしている理由は能力を制御するため。
俺はとっくに制御できていて、3人が能力を制御できるようになった以上、旅を続ける理由はもう無い。
「……そうか。
この長かったような短かったような旅は、もう終わりなのか…」
「そして、レイン達ともお別れだね…」
別れは惜しいが、俺たちはいつまでもこの世界に居るわけにはいかない。
俺は元の世界に戻って、皆のところに帰る…そうしたいし、そうするべきなんだ。
「…しんみりしているところ悪いが。
お前ら、どうやって帰る気だ?」
「「「「あ。」」」」
「なんて言うと思ったか?
ちゃんと元の世界に戻る手段はある。安心しろ。」
「そ、そうだな。」
…なんかこいつら、忘れてなかったか?
まあいいか。
「でも、準備に丸一日かかるからどっか安全な場所で準備しないとな。
こんな森の中で準備しても、魔物が来たらまずいしな。」
丸を描いて魔力を流し込み、丸一日待つ。
すると異世界に通じる穴が出来て、その穴に入れば…見事に元の世界に帰れるというわけだ。
しかし、その方法には欠点がある。
丸に魔力を流し込んで丸一日経つ前に丸に飛び込むと、爆発するのだ。試した事は無いが。
…試したくもない。
「って訳で、まだしばらく世話になる。」
飛び込んだのが人間じゃなくても、魔物だろうが獣だろうが爆発してしまうだろう。
その度に魔力を流し込むのではだんだん日数が過ぎていってしまう。だから最初から邪魔をされない場所で作る。
『もっとも、障壁で囲えば邪魔が入らないだろうけどね。』
それを言うな。




