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第四百四十五話 確信はフラグ?んな訳あった!?

一話目。

「皆!河童はいつくるか分からない!

 タカミは飛んで、あとの2人はひたすら動き回るんだ!」


「「了解!」」


「分かってる!」


 河童はいつ仕掛けてくるか分からない。

 動き回る事で、少しでも3匹をかく乱できれば…ひょっとすると避けられるかもしれない。


「もし避ける気なら、規則的に動かないで読まれないようにしてください!」


「「わかった!」」


 レインからもアドバイスが飛ぶ。

 確かに、読まれてしまっては動き回る意味が無い。ただの体力消費でしかなくなるな。


「………来ないな。」


 3匹が出るまで待っているのだが、全く出てこない。

 なんだ?まだ喧嘩してるのか?


「…!

 見ろ!地面が!」


 よく見ると、3人…いや、タカミは飛んでるから2人か。

 2人がいる地面が、だんだん泥のようになり始めている。


『いくら動き回っていても、ここまで広範囲なら避けようがあるまい。』


「しまった…!」


「早く離れ…」


 3匹の河童は底なし沼になりかけているぬかるみから出てきた。

 運の悪い事に、2人は動き回った結果ぬかるみの中心付近にいる。

 移動しようとしても、抜け出す前に動けなくなってしまうだろう。


『勝った…我々3匹の勝利だ!』


「「それはどうかしら?」」


 という声が聞こえた直後、消と麻里が消えた。

 突然聞こえた声は、紛れも無くタカミのものだった。

 しかし何故か声が重なっていて、しかも目の前にいるタカミが喋った様子は無い。


「私じゃな…!?」


 タカミは酷く驚いている。

 そりゃ、アレを見れば誰だって驚くさ。一瞬見えた俺も驚いている。何故なら…

 俺は上を見る。一瞬消えたかのように思ったが、よく動きを見れば2人は上に飛んでいた。

 そしてそこには…


「「驚いた?

 まあ、そんな反応することは知ってたけどね。」」


 タカミが2人いた。

 2人はそれぞれ消と麻里を抱えている。

 さっきから飛んでいるタカミを合わせると、全部で3人。

 何故だ?タカミは分身の術なんて使えなかったはず…

 それに、最初から居るタカミも驚いている。じゃああの2人はなんなんだ?


「驚いてるみたいだけど、」


「説明は後で。早くしないと4人とも沈むから。」


 シンクロまでしてやがる…

 って、確かに説明どころじゃないな。こうしている間にも沈み続けている。


「先に助けたいトコだけど、あの3匹に邪魔されたらまずいから、」


「河童を片付けることを優先するわ。」


「何呆けてんの?アンタも協力して!」


「え!?わ、わかった…」


 どう見ても事態の処理が追いついていないタカミを無理矢理現世に引き戻し、協力を図るタカミ。

 …ややこしいな。


『とりあえず逃げろ!』


「させない!皆!」


「分かってる!アレを!」


「え!?アレ!?」


 2人のタカミはキャンプなどで使うテント用の小さい杭…ピックのようなものをどこからか取り出し、遅れてもう1人のタカミも同じピックを取り出す。

 そして、3人同時に潜っている河童に向かって投げた。

 ピックはぬかるんだ地面にぶつかってもその速度を維持し、進んでいって見えなくなった。

 すると、何故か河童がすぐにぬかるみから出てきた。


『危ねえだろ!なんだあれは!?

 ぬかるみでも速さが変わらなかったぞ!?』


「ゲームでは貫通能力があるアイテムだったからね…

 しかも、どれだけ進んでも速度減衰は無し。何かに当たっても止まらずに突き抜けるだけ。」


 なんだそのチートアイテム。ってか、んな物騒なもん投げるなよ。

 今頃あのピックはこの星の裏側にでも突き抜けてるんじゃないか?







「くっ…」


「ハッハッハ!お前も最早ここまでのようだな!!」


「せっかくここまで辿り着けたのに…こんなところで終われるかよ!!」


「威勢が良いな。

 だが、縛られていては死ぬのを待つだけだ…お前もお前の両親と同じ運命を辿るがいい!!」


 この部屋には俺と奴だけ…

 俺を捕まえた手下は、こいつ自ら下がらせた。

 縄さえ解ければ、こんな手下の影に隠れる奴なんて…くそっ。


 シュッ


 パラッ…


「…は?」


「…何?」


 下から何かが出てきて、縄が切れて天井に穴が3つ開いた。

 何があったかは分からないが、チャンスだ!


「くらえ…親父をおふくろの仇だあああああああああああああああ!!」


「な、そんな…ばかなああああああああああああああああああああ!!」


 親父…おふくろ…仇、取ったぞ。






 って、んな訳無いか。

 さすがに星を突き抜けるなんて事は…

 …無いよな?


『くっ!とりあえず逃げろ!』


「そして、逃げると見せかけて消と麻里を狙う…」


『何!?』


 タカミが呟くと、消と麻里の前の地面がぬかるんで3匹の河童が出てきた。


「なにをしても無駄なことよ。」


「私達には全てが分かる…

 あんた達3匹がどう動くか、そして、私達がどうやって勝つかもね!」


「え?え?え?」


 そう言って河童達を動揺させる気なのだろうか。1人だけその作戦に引っかかっている味方が居るが。

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