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第四百四十三話 守の不運?当たり前すぎてアングリー!?

一話目。

昨日投稿した第四百四十三話ですが、本編から削除して活動報告に載せました。

もしまた読みたくなった場合は、じりゅーのユーザーページから活動報告へと移動してください。

 夫婦の誤解をなんとか解き、旅を再会した俺たちだったが…


「………」


「どうしたんだ?上に何かあるのか?」


 俺がしきりに上を見ているのは、何か不吉な予感がするからだ。

 そう、例えば空から何かが降ってくるとか…


「守、上ばっかり見てると危ないわよ。」


「うわっと!?」


 突然足が沈んだ。

 足元をよく見ると、地面がぬかっていた。どうやらその場所に足を突っ込んだらしい。


「なんでこんなところにぬかるみがあるんだよ…

 昨日は雨が降った訳でもないだろ?別に沼がある訳でもないし。」


「でも、なんかこの辺はぬかるみが多いんだよな。」


 上を見ていたから気付かなかったが、辺りにはぬかるみだらけの地面があった。

 そりゃ、そんな中で上を向いて歩くのは危ないか…

 と考えつつ、ぬかるみにはまらなかった方の足をぬかるみではない地面に付けてぬかるみから脱出する。


「まあ、とにかく足元には気をつけないとな。」


「ついさっきまで上を見ながら歩いてた人に言われても…」


「うるさい。

 とにかく、こうして下を見ながら歩けば大丈…あだっ!?」


 今度は道に突き出した木の枝にぶつかった。


「どこが?」


「くっ…卑怯な手を…」


「それ、誰に言ってるんですか?

 タカミは何もしてませんよ?」


「……も、森とか?」


「「「「「「……」」」」」」


「止めろ!俺をそんな目で見るなああああああああ!!」


 俺は思わず走り出した。

 しかし、またぬかるみにはまったのですぐに止まることとなった。

 …なんか、俺の運悪くないか?







「ヘルプ!誰でも良いからマジで助けて!!」


「……はぁ…」


「そっちがため息つきたくなるのもわかる!

 でも、今回ばかりは自分で抜け出せないんだ!!」


「………あのね。

 アンタ何回ぬかるみにはまってるの!?」


 10回以上。

 あの後俺はいくら注意しても、何度もぬかるみにはまった。

 心なしか、俺が歩いたところにあわせてぬかるみが出来ていた気すらする。

 今までは片足しかはまってなかったので、その度に自分で抜け出す事ができたが…

 今回はついに両足がぬかるみにはまってしまった。

 いつかやるんじゃないかとは思っていたが、まさか本当にはまるとは…不覚。

 どちらかの足を抜こうとしても、全くあがらないどころか更にぬかっていくと言う始末。マジで出られない。


「というか、ぬかるみがどんどんでかくなってるような気がするんだが。」


「あれじゃあ、助けに行った人がぬかるみに…」


 確かに、ぬかるみ…というか底なし沼だろこれ。

 底なし沼は、どんどん巨大化している。

 おかしい…ってか、どういう原理で巨大化するんだよ。


『やっと完全に掛かったか…』


 背後から異質な声がしたので振り向く。

 すると、底なし沼のだいたい中心の場所に一つの影が見えた。

 その姿は全身が緑色で、頭に皿が乗っている…まるで河童のようだった。


『全く、てこずらせやがって…

 一体何回罠を作らせる気だ!あれ一回の体力消費なめんなマジで!』


 ……罠?

 こいつは一体なんの話をしてるんだ?


「何の話だ?」


『オマエが今掛かってる罠のことだよ!

 オマエ1人捕まえるために、どれだけ苦戦したか…』


 今掛かってる罠…底なし沼の事か。

 となると、さっきまで見てきたぬかるみは全部底なし沼で、こいつがアレを全部作ってたってわけか…

 つまり、アイツが元凶。

 今までぬかるみにはまっていたのは、俺が間抜けだからでなくてコイツが俺を狙って底なし沼を作っていたからで、不幸のせいでもなかったって事か…


「じゃあ、一応訊こう。何故俺を狙った?」


『一番狙いやすそうだったからだ!』


 ヘぇ…

 狙いやすそう、か…

 弱そうだとでも言いたいのか?


「タカミ、ちょっとヘルプ。」


「はいはい。」


『え?』


 タカミに頼み、飛んで沼の上に来て引っ張ってもらってあっさりと底なし沼を脱出する。


『…は?

 そりゃ無いだろ!こっちがどれだけ苦労したか分かってんのか!?』


「知るか。罠にかかったら脱出するに決まってるだろ。」


 当たり前な体操でもやってない当たり前すぎる事実を言っただけなのに、河童はあんぐり…いや、アングリーしている。


「でも、守が泥でとんでもないことになってるぞ?」


「肩まで浸かってたからな…」


 もしもあと少し助けが遅かったら、底なし沼から首だけ出ているというホラー染みたことになっていただろう。

 沈んでるだけだからホラーではないと思うが…


『くそ…こうなったら、実力行使だ!』


 河童は底なし沼から出てきて、俺に飛び掛ってきた。

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