第四十六話 太郎がしょんぼり中?廃屋の真相!?
「じいちゃん…ばあちゃん…」
二人が成仏して、太郎はしばらく二人がいた場所を見ていた。
目の前で親しい人が成仏したんだ。そりゃ、思うところもあるだろう。
「太郎…」
俊太が太郎のところへ行った。
「元気出せよ!」
「痛っ!?」
と思ったら俊太が太郎の背中を思いっきり叩いた。まあ、俊太が行った時点で嫌な予感はしてたが。かなり痛そうだ。
「なにすんだよ!」
「いつまでもしょぼくれてんじゃないぞ?」
俊太の台詞には星を付けたくなってしまうものだった。これがかの有名なシリアスブレイクか。
「全く…ま、いいか。さあ!帰ろうぜ!」
太郎も何かが吹っ切れたらしい。こういうことに関しては俊太も天才だな。
あの後、俺たちは外に出た。長かったような肝試しのような何かは終わりを告げたのだ。
「は~怖かったな~」
「まあ、守は術があったしね。術が僕に掛かってたらと思うと……嘘だろ…」
振り向いた火太郎は突然言葉を切り、唖然とした。
「おい、どうしたんだ?」
「う、後ろ…皆!後ろだあああ!!!」
「あ、おい!」
火太郎は逃げるように走り出していった。一体どうしたんだ?
「なんなんだ?まるで幽霊でも見たような顔して?…あ、幽霊に遭ってたな、俺ら。」
「後ろ…って言ってたよね?なんだろう?」
「皆、いっせーのーでで振り返るよ?いっせーのーで!」
光の掛け声とともに、俺たちは振り向いた。そこには…
「無い…?何も無い…?そんなバカな…」
「……」
何も無かった。そう、何も無いのだ。さっき俺たちがいたはずの廃屋も…
「…すごい…」
「どんな仕掛けなんだろ!?」
皆が唖然とする中、移図離とフラルだけは、平常運行だった。相変わらずだなお前ら…
移図離とフラルの調査の結果、あの屋敷自体が幽霊だったらしい。まさに幽霊屋敷だ。
ちなみに元の屋敷は、おじいさんが死んだ後に取り壊され、そのまま空き地になっていた、と、通りかかった中年の警察官に聞いた。
空き地の調査も終わった俺たちは、帰路についていた。
「そういえば、今何時なの?」
光が突然言った。まだ暗くはないし、七時のテレビには充分間に合うと思うが。
「…四時くらい…」
移図離がケータイを見ながら言う。
廃屋に入ったのは十一時くらいだ。もう五時間もいたらしい。どうりで…
ぐるるるる~…
腹が減るわけだ。
「そういえば、俺たち飯食わずに来たんだな~飯食ってから行けばよかった…」
「俊太、それを後の祭りって言うんだ。覚えておけ。」
「もうとっくに覚えとるわ。で、まだテレビまで時間があるが、どうする?」
「それは帰ってから考えよう。…ってもう着いたし。」
「そうだな。火太郎も家にいるだろうしな。」
俺たちは俺の家に入っていった。
次回はキャラ紹介です。
そこは譲れません。




