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第四百三十三話 タカミの真意?瑠間の作戦!?

一話目。

「タカミ!」


 見えなくなるまで先に進んでいたタカミに、ようやく追いついた。

 見失っても追うことが出来たのは、足跡を辿ってきたからだ。

 もしタカミが飛んでいたら、追いつくことは叶わなかっただろう。


「……ここまで来れば良いわね。」


「何?」


 振り返ったタカミの目に涙は無かった。

 さっきまで泣いてたんじゃないのか?


「ゴメンね、ちょっと皆を騙してた。」


「騙す?

 一体なんでそんなことを…」


「簡単なこと。あんた達4人を連れ出して、守を一人にするためよ。」


「な!?」


「それじゃあまるで…守を見殺しにしてるみたいじゃないか!」


 まさかそんな…タカミは守を…


「フフッ、そうよ…」


 タカミが暗い笑みを浮かべ、フレンの言葉を肯定する。


「何故だ…俺達は友達じゃなかったのか!?」


「そうだよ!」


「…なんて言うと思った?」


 タカミは暗い笑みを止め、呆れたような表情になる。

 ……え?違うのか?


「守っていう人間は、ああなったら止められない。

 そして、なんとか解決して無事に帰ってくる…それは私が良く分かってる。

 だからわざわざ演技までしてあんた達を連れてきたのよ。」


「なんでそんなことが分かるんだ?」


「なんでって、そりゃ…」








「ほう…なかなかやるようだな。」


 私は飛び掛ってくる子鬼をなんとか全員倒した。

 時には障壁でねじ伏せ、時には殴り倒し…長い戦いだった。

 体力は大分減った。


「…本当に戦いを楽しみたいなら、こんな前哨戦しなきゃ良かったんじゃないの?

 自分も相手も最高の状態で戦った方が楽しいんじゃないの?」


「フン、お前みたいな小娘に何が分かる。

 俺様は強い相手と戦いたいんだ。だから子分を倒しても俺様と戦えるような奴でなければ」

「負けるのが恐いんじゃないの?」


「…今、なんと言った?」


「負けるのが恐いから、子分に戦いを任せてるんじゃないの?

 それで戦えなかったときはその程度の相手だと言い訳して、自分は戦おうともしなかった…違う?」


「何を言うかと思えば、そんな戯言ざれごとを!

 俺様が負けを恐れているだと?笑わせるな!!

 俺様が恐れなどを感じるような弱者ではない事を…身を持って知れ!!!」


 ボス鬼が怒りつつ、私の目の前に下りてくる。


『…良いのか?そんな大口叩いて。

 実際、体力は結構削られてるだろ?そんな状態で戦っても…』


(守、私がなんの策も無しにあんな挑発すると思う?

 私は瑠間である前に、守でもある。守は相手を挑発する時、何も考えてないの?)


『…そうだったな。

 八つ当たりしてるだけかと思ってた。スマン。』


 八つ当たりしたかったっていうのも全く無いとも言えないけどね。


『おい。』


(あ、聞かれてた?)


『まあ、俺が瑠間の立場だったら同じく八つ当たりしてただろうから何も言わないけどな。

 それより、どうする気だ?』


(それは見ててのお楽しみ。)


「でかい口叩いておいて逃げるな!!」


 守との会話の間、飛び降りてきたボス鬼から遠ざかっていた。


『あ、スマン。邪魔したな。』


(別に良いよ。)


 守との会話が終わったので、考えていた策を実行する。

 まずは障壁の棒を創り、その棒に力を反射する機能を付ける。

 これでボス鬼の攻撃を反射して、逆にダメージを与える。

 怒ってるから攻撃は単調で読みやすくなり、更に力が大きくなっている。だから下手な挑発でボス鬼を怒らせた。

 これで勝てる…そう思って機能を付けた瞬間。


「うわ!?なんで!?」


 障壁の棒が上っていく。

 それを止めようとして下に持っていこうとすると、更に上への力が大きくなっていく。


「何をしている?

 ふざけているのか?」


「こっちは大真面目だよ!!おっとっと…!?」


 ますます怒りのボルテージが上がっていくボス鬼を横目に、私は浮かび始めた。

 もちろん自分の意思じゃない。


『落ち着いて考えるんだ!

 そうすれば、きっと分かる!!』


「そう言う守は分かってるの!?」


『知るか!今必死に考えてるところだ!』


「なら偉そうに言わないでよ!」


「う、浮いた!?

 ってそれより、俺を無視して誰と話している!!」


「あ、口に出てた?」


『みたいだな。』


「って、きゃあ!?」


 守との会話が口に出てたことに驚いて一瞬力が抜け、何故か突然地面に落ちた。


『おいおい、なにやってんだよ……!』


(!)


『そういうことだったのか!』


(なるほどね、だからあんなことに…)


「ゴメンゴメン、やっとさっき浮いてた理由が分かったよ。

 …これから本気出すけど、準備は良い?」


「それはこっちの台詞だ。俺様を挑発した挙句、散々待たせやがって…策があるのかと思ったら何も無いしな。

 そこまでして、ただで帰れると思うな!!」


 私はしっかりと障壁の棒を構え、ボス鬼と向き合う。

 次の瞬間にはボス鬼が駆け出し、右の拳を引いて殴りかかろうとしていた。

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