第四十五話 太郎がピンチ?これで終わりか!?
なんだかんだで過去最長になってしまった…
遅れてすいませんでした。ではどうぞ!
太郎に黒いもやが流れ込む。俺たちはあまりにも唐突な出来事になすすべも無く、見ていることしか出来なかった。
「た、太郎!」
俊太が叫ぶ。太郎は…
「…怖い…幽霊怖い…」
震えながら何かを呟いている。この状態は…まさか…
「俺がさっきあんなことになっていたのは、お前のせいだな?」
「そうだよ。まあ、さすがに分かるかい。お前にはばれないように少しずつ術をかけたからねぇ。辺りが真っ暗だったから気づかなかっただろう?
…突然光を出したときはヒヤヒヤしたがねぇ。」
やはりこいつのしわざか。光を出したときと言うのは魔法を使ったときのことだろう。しかし、本当に全く気がつかなかったな。こいつの言ったとおり真っ暗で黒いもやなんて見えなかったし…
…ん?待てよ…俺が魔法を使った後ってその術とやらは使い続けたのか?もしそうだとすると…
「まさか…!お前!今も術とやらを使っているんじゃないだろうな!?」
可能性としてはありえる。俺は術とやらを魔法を使った後も気づけなかった。照明がついているこの部屋に入ってからもだ。だったら今使ってる可能性も…!
「…!そ、その手があったか!でかしたぞ小僧!」
「おい!なに敵の手助けしてんだ!」
…え?気づいてなかったの?
「こんなときになんで敵に塩を送ったの!?」
「そんな気は無かったんだ火太郎!」
「…守のバカ…」
「い、移図離にも言われた…」
「…」
「ギーナ、何か言ってくれ…無言で恨めしそうな表情されるよりそっちのほうがましだ…」
「今更後悔しても遅い!全員術の餌食に…な!?打ち消された!?」
老婆から出る黒いもやがこちらに向かう途中で金色のもやに打ち消される。金色のもやは、太郎にも流れているようだ。そのもやの先には…
「「「「「ギーナ!?」」」」」
「ふう、やっと術の対抗魔法ができたわ。」
まさか黒いもやを見てから作ったとか言い出さないよな…あ、こいつなら言いかねんな。
「守の治療の時に、基礎は出来てたからね。後はどんな形で放出するかってだけだったのよ。」
なるほど。でも、それを踏まえても充分すげえな。
「…くっ!貴様らなんかに邪魔されてたまるか!」
「報復して、どうなるんだ?」
太郎が訊く。どうやら復活したらしい。
「天国の二人がうかばれる!そうだろう!」
「ばあちゃんがしようとしてることは二人には関係ない!ただのばあちゃんの個人的な恨みだ!」
「!」
「天国の二人が報復してくれと頼んだのか!?死ぬ瞬間まで恨み言を言ってたのか!?違うだろ!俺は聞いたぞ!
二人が死ぬ前に事故は偶然起こったから仕方ない、息子を頼んだ、って言ってたことを!」
「な…!」
太郎が誰から聞いていたのかを言っていなかったが、恐らく太郎の今の両親だろう。
「…そうだった…二人が事故の後病院に運ばれて…その場にいた人にそう言ったんだ…忘れていたよ…」
「やっと…思い出してくれたんだな…」
「!その声は…」
突然した声の方を見ると、さっきでてきたお爺さんの幽霊が出てきた。
「お前も幽霊になってたんだな…」
「そりゃこっちの台詞だよ、爺さんや。」
「わらわが間違っていた…ごめんよ…皆…」
そう言うと、老婆は白く光り始めた。
「ばあちゃん…?ばあちゃん!」
太郎がうろたえる。
「太郎、わらわはもう、成仏するみたいじゃ…もう、この世に未練は無いからのう…」
「わしもじゃ。太郎。昔みたいに三人、集まった。妻も改心した。わしも未練は無いわい…」
おじいさんも白く光っている。
「「未練を消してくれてありがとう。」」
二人はそう言うと同時に、白い光に包まれ、消えた。




