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第三百九十六話 怒りの一撃?あっけなさすぎ!?

一話目。

前話の現状が間違っていたので修正しました。

なんで合流させ忘れたし…

 ピエロの動きは規則性が無く、普通なら攻撃を当てるのも困難だろう。

 …普通なら、な。

 無造作に鉄格子の棒を振る。すると、飛んでいったカマイタチがピエロの頬を掠めた。


「いっ!?痛い!?」


「…覚悟しろ、と言ったはずだ。」


 だが、俺は気配察知であらゆる生き物の動きが分かる。

 飛んでいるのがピエロの意思なら、飛んでいこうとする場所に注意が向く。

 気配察知によって相手の注意している場所が分かる(シンとマソーの一件のように)ので、相手の注意が向いている場所が飛んでくる場所だと分かる。

 以前の瑠間が大男と戦ったときも、同じ事が起きていた。

 大男の注意が、殴る場所に向いていたからこそどこに攻撃が来るのかが分かったのだ。

 心を読むまではいかないが、どっかの覇…いや、これ以上は止めよう。それと似たようなものだ。


「そ、それならこっちも攻撃する!出て来い!」


 ピエロの周りに、火、光、水、電気などが現れる。

 一種類一つとかではなく、一種類をいくつも出している。魔法を使うのがよほどうまいのだろう。

 廃屋のギーナを思い出させるな…あの時は逃げるので精一杯だったが。


「行けーーーーーー!!」


 懐かしんでいると、魔法が一斉に飛んできた。

 気配察知で読むと、この魔法郡の2割ほどは俺狙い、残った8割は逃げ道を塞ぐため。

 大層な数だが、その割には動かなければ当たらないものばかりだ。絶対に避けると思ったのだろう。

 目の前に障壁を創り、魔法を全て防ぐ。

 数を多くしすぎたせいか、一つの魔法の威力が小さい。だから普通の障壁で防げた。

 それに、障壁の能力だって相当強くなっているはずだ。使うごとに強くなるのは魔法だけでなく、能力も同じだからな。

 最初の頃の俺が同じことをすると、恐らく障壁が壊れていただろう。


「な、なんで…なんで何も通じないんだ!」


「決まってるだろ。徹底的にお前を叩き潰すために戦っているからだ。」


 ピエロの前に障壁の足場を創り、強化魔法を使って一瞬でそこに移動する。


「ひ!?」


「さあ…俺の怒りをくらえ!」


 機能も性能も付けていない鉄格子の棒を振る。

 その一撃は空気を切り裂き、音を立ててピエロに迫る。

 その一撃を受けたピエロは壁まで吹っ飛び、壁に叩きつけられる。

 ピエロは壁にめり込んでぐったりとし、小さくうめき声を上げた。


「……命があるだけありがたく思え。」


 これで完全に怒りが静まったわけではないが、ある程度静まったので深呼吸をして冷静になる。

 魔物と皆が居る下を見る。魔物はさっき見た時よりも数を減らし、残った魔物も疲弊している。全部片付くのも時間の問題だろう。


「さて、早く戻って加勢するかな…」


 そう呟き、障壁で次々と足場を創って下りていく。

 8人は固まっていたので、俺も固まっていた場所に下りた。


「よっ!ピエロ片付けてきたぜ!」


「片付けた!?マジか!!」


「本当に!?」


 太郎とキャビが驚く。ピエロがめり込んでいる壁を指差し、本当だと言う事を伝える。


「アレを見ての通りだ。じゃあ、俺も戦うぞ。」


 右手の鉄格子を、魔物の群れに向かって振り回す。

 それによって飛んだカマイタチが魔物を切る。これであらかた片付いてしまった。


「……なあ、苦労して減らしてきた魔物をそんなあっさり片付けないでくれないか?

 なんか、ものすごく複雑な気分になるから…」


「いいだろ。下手に長引かせたり苦労したりして、余計な体力を使ったら皆と合流する前に力尽きるかも知れないんだぞ?」


 この戦闘が終わっても、皆と合流するまで全く戦闘が無いとは言い切れない。

 だから、その時に備えて体力を温存した方が良い。

 それに、落ちてきた皆の話によるとここは罠だらけらしい。

 疲労した状態で冷静に罠を回避するのは難しいからな。


「……まあ分かった。じゃあ、この調子で魔物を片付けちゃってくれ。」


「あいよ。」


 と言って、巨大な障壁を魔物の上に出現させる。

 空中固定ではないので、重力に従って下に落ちる。

 魔物の上に障壁が落ち、魔物は身動きが取れなくなった。


「はい、終了。止めを刺すもほっとくも自由ってことで。」


「うわ…あっさり過ぎる。」


「ってか、ピエロんとこ行く前にこれで倒せばよかったんじゃね?」


「言うな。」


 あの時はお姫様呼ばわりされてピエロを叩き潰す事しか考えてなかったんだ。仕方ないだろ。


「さて、この広間から出て行きたいところだが…守達が来た道の先に、どこかに行けるところがあったか?」


 牢から来た六人全員が首を横に振る。

 俺たちが進んできた道以外は扉も道も無かったし、戻って行っても行き止まりしかない。


「じゃあ、太郎達はどこから来たんだ?」


「ああ…あのシャッターが閉まってるところだよ。」


 太郎が指差す方向を見ると、シャッターが見えた。

 つまり、俺たちはここに閉じ込められたってことか…


 バコン!


「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


 皆で閉まっているシャッターを見ていると、突然シャッターが凹んで倒れた。

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