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第三百九十五話 ついに来たあいつら?怒り心頭!?

二話目。

 

「津瑠!?どうしたの!?」


 太郎に報告を頼まれて階段を駆け上がってると、階段を下りてくる火太郎、ギーナ、居図離、タムの4人と会った。


「それが…」


 階段を上がってきて息が上がったものの、4人に手短に太郎達がこの先の広間に魔物と閉じ込められ、なんとか逃げられた私が応援を呼ぶために来た事を伝える。


「太郎達が!?」


「数で攻めて来たのね…こうしちゃいられない。早く行こう!

 津瑠は上で待ってる皆を呼んできて!皆無事だから!」


「分かった、無理はしないでね。」


 4人はさっきよりも急いで階段を下りていく。

 私も急がないと…!






 炎の熱が離れていても伝わってくる。

 目を瞑っていても炎の光は眩しい。

 炎が迫ってくる中、そんなことを考えていた。

 魔法で防御しようとしても間に合わない。もうすぐ俺は炎に飲み込まれて…

 最悪の事態を考えてしまい、思わず身震いする。

 まだ死にたくない。しかし、命乞いをしても魔物も炎も止まってくれないだろう。

 終わりか…長いようで短い人生だった。

 守や光と出会い、遊んだ幼稚園。

 色々な友達が出来たが、なんだかんだで守と光が一番の友達だった小学校。

 俊太や移図離と出会い、よくトラブルに巻き込まれた…

 …炎が来ない?

 これだけ人生を振り返っていれば、とっくに来たであろう炎が来ない。

 そう言えば、さっきから炎の熱も光も無い…まさか、死んだことに気付かずに幽霊にでもなったのか?


「太郎!大丈夫か!?」


 目を開ける。

 すぐさま目に映ったのは黒。これは黒い壁だ。

 そしてさっきの声…間違いない。


「「守!」」


 キャビと声が重なる。

 キャビのことが完全に頭から除外されていた。すまないとは思う。


「随分スゲーことになってるな。助太刀するぞ!」


「守だけじゃねえぞ!俺達も居る!」


 続いて俊太の声。


「太郎、右に跳んで!」


「おっと…光!」


 光の声に従って右に跳ぶと、その横を魔物の爪が通り過ぎた。

 声の方を見ると、他にも居る。フラルにルド、トーナ…無事だったんだな。

 こっちは九人。魔物はまだまだ居るが、このメンバーなら勝てる。そんな確信が持てた。







「な、なに!?まさかお前ら…牢から脱出したのか!?」


 上から声が聞こえる。

 見上げてみると、どうやってかは知らないがボールに乗って空中に浮いているピエロっぽい奴が居た。


「そうだが…誰だお前?

 やたらピエロチックな奴だな…」


 少なくとも味方ではない事は分かるが、それ以外はさっぱりだ。


「おっと、君は囚われのお姫様。まだ会ってましぇんでしたね~、初めまして。」


「誰がお姫様だ!

 皆、魔物を頼む!!」


 助太刀すると言っておきながら、魔物を放っておくのもどうかと思うが…

 まあ、あいつも敵みたいだし奴が何もしてこないとは限らない。仮にも敵だ。

 障壁を伸ばして上に上がり、ピエロの場所まで行く。


「黙っていれば俺の標的にならずに済んだものを…

 お姫様呼ばわりする相手を間違えた事、後悔させてやるぜ!!」


 お姫様はリセスだ。

 確かにそっくりさんではあるが、一般市民の、それも男がそんな呼び方をされる筋合いは無い。


「丸腰で勝てると思うんでしゅか~?

 それに、魔物と戦ってるお仲間は助けなくてもいいんでしゅか~?」


「皆の事なら心配無い。8人いれば充分だ。

 それに、丸腰じゃないぜ?」


 さっき切って作った鉄格子の棒を、両手に二本持つ。


「そんなもので何が出来るんでしゅかねぇ~?近付かなければ当たらないような武器で、空中戦をするとでも?」


「さて、本当にそうだと良かったな。」


 俺には障壁を創る能力以外にももう一つの能力がある。

 一旦ポケットにある性別変更機能つき障壁に触れ、女になる。

 そして二本の鉄格子の棒に機能をつけ、また障壁に触れて男に戻る。

 機能や性質を付ける能力は女の時限定だ。男の時はまだ使えない。


「今何をしたんでしゅか~?」


「ちょっとした細工だ。」


「細工…まあ、近付かれなければどうという事は」

「なければ良いな!」


 右手に持つ鉄格子の棒を振る。

 するとその軌跡に合わせて刃ができ、真っ直ぐに飛んでいく。


「ひょ!?」


 ピエロはその攻撃を避けたが、攻撃が当たった壁には刃と同じ形の傷が入った。


「避けたか…」


 この鉄格子の棒に付けた機能は、振るとカマイタチができて飛んでいく機能だ。

 以前この能力を調べた時にしたのだが、その時のことを思い出したので不意打ちの意味も込めてそれを選択した。


「危ないだろ!なんだよいきなり!!」


「俺の親友を魔物に襲わせて、よくそんな台詞が言えたな。」


 実を言うと、かなり頭にきている。

 お姫様呼ばわりもあるが、俺は仲間が話題に上がったときに気付いたのだ。こいつが親友の太郎と仲間のキャビ、レイを魔物に襲わせたことを。

 二人が魔物に襲われていて、太郎達と同じ場所に居るのに魔物に襲われていない敵。

 この状況を見て、こいつが二人を襲わせたことに気付かないわけが無いだろう。


「覚悟しろよ、この罪は重いぞ。」


「へっ、何を言うか!攻撃はできるらしいが、当たらなきゃなんの意味も無いでしゅよ~!」


 と言って、ピエロは縦横無尽に飛び回り始めた。

現状


広間 太郎、レイ、キャビ、俊太、フラル、光、ルド、トーナ、守

報告 津瑠

残り 令音、フォルフ、リセス、ルー

階段 火太郎、ギーナ、居図離、タム

?? タカミ


追記 現状を修正

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