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第三百九十四話 数の利と害?謎の気配!?

一話目。

「お前は…!」


「なぁ~んてなぁ~?」


 ピエロがムカつく笑みを浮かべると、照明が点いて広間が照らされた。

 その挙動の一つ一つがムカつく。


「捕まった皆とタカミはどこに居る!無事なのか!?」


「それを言うと思いましゅか~?」


「くっ…」


 こちらが弱みを握っているわけでもないので、話すわけが無かった。

 むしろ、弱みを握られているのは俺達の方だ。

 消えたタカミや罠にかかったりして捕まった皆がどうなっているのか、俺達は知らない。

 もしかすると、命の危機に晒されているかもしれないのだ。


「今回はご来場の4名サマのために、特別な仲間を用意させていただきましたよ~?出て来い!」


 ピエロが両手を上げると、壁が倒れて魔物が押し寄せる。

 その魔物の大きさは、どれも俺達の背丈の二倍ほどもあった。


「さあお前たち、客にたっぷりサービスしましょうねぇ~!」


 ピエロの号令と同時に魔物が押し寄せてきた。


「まずい!逃げるぞ!」


 こちらには戦えない津瑠がいる。

 四人しか居ないというのに、そのうちの一人を守りながら戦うのは難しい。


「残念ながら逃がしましぇ~ん。ポチッと!」


 ガラガラガラピシャン!


「出口が!」


 ピエロがボタンを押すと、俺たちが来た階段への逃げ道にシャッターが下りた。これで逃げられないというわけか…

 しかし、元々そう階段から離れていない位置に居たため、津瑠だけはなんとか逃がす事ができた。


「太郎!キャビ!レイ!」


「津瑠は上に行ってギーナ達を呼んで来てくれ!それまではなんとか持ちこたえる!」


 階段はそう長いわけではない。津瑠が上に上がるまでなら持ちこたえられるかもしれない。


「行くぞ!」


 まずは近くに居た魔物に飛び掛る。

 狼のような魔物の前足の爪が迫る。それを避けて腹の下に潜り込み、魔法で強化したアッパーを打つ。

 その直後に魔物が左から来たので、右に跳ぶ。

 すると、左から来た魔物のパンチが狼の魔物に当たり、吹っ飛んだ。

 吹っ飛んだ魔物が当たりそうになったが、なんとか避ける。しかし、避けた先には別の魔物が居た。


「数が多すぎる…!」


 胴は馬、角は羊、羽は蝙蝠と、訳の分からない魔物の突進をなんとか避ける。

 訳の分からない魔物が突進していった先には別の魔物がいて、思いっきりぶつかる。

 …さっきからフレンドリーファイアが多いな。

 魔物の多さが災いしちゃってるよ。攻撃避けてれば勝手に全滅するんじゃね?

 下手に攻撃しようとすると隙が生まれかねないしな…同士討ちを狙おう。

 と思った瞬間、先程吹っ飛ばされていた狼のような魔物がいつの間か近付いていて、炎を吐き出す。

 視界の端には捕らえていたが、炎は完全に予想外だった。

 とっさに避けようとするも、いつの間にか魔物に囲まれていて逃げられる場所が無かった。

 まずい、当たる…!

 俺は目を瞑って攻撃に備えた。







「やっと通路が終わったな…」


 通路をしばらく進んでいると、扉が見えてきた。

 罠を警戒しながら進んでいたので、結構時間が掛かってしまった。


「もう疲れた…主に精神的に。」


「俺もだ…もう罠なんて見たくねえ。」


 罠を見たいなんて言う奴は居るのだろうか。仕掛ける側ならともかく。

 ずっと罠を警戒し、神経を張り詰めていたのだ。疲れもするだろう。


「休むのはここから出て行ってからだ。気を緩めたらすぐに罠にかかると思え。」


「鬼…」


 本当の鬼は罠を考えた奴だろうに…俺は罠にかかって欲しくないから忠告しただけだ。むしろ天使だろ。


『男で天使って言うのはどうかと思うけど…』


(他に良い例えが思いつかなかったんだよ。なんか他にあればな~…)


 太っ腹は違うしな…悪魔と違って鬼の対義語なんて無いし。


『パッと見美少女なので天使でも』

(良くねえよ!)


 あの女神サマは何を言ってるんだ…!


(人は見た目じゃない、中身が重要なんだ!

 例えパッと見美少女でも、それが実は男なら幻滅して絶望するだろ!!)


『幻滅しない人が居るから男の娘というジャンルがあるんですがね…男の娘さん?』


(ええい、何も言うな!マジで止めてくれ!)


 それより、皆は今頃何をしてるんだろうな。

 罠にかかって捕まったりしてなければいいが…


『考える事を変えて逃げましたか…』


(逃げる?

 違う。遠ざかっているだけだ!)


『それを逃げるって言うんだよ!』


 更に話題から遠ざかるため、気配を探って皆の位置を割り出す。


(…!

 ちょっと考え事に集中させてくれ。)


『…分かった。』


『ふざけてる場合じゃなさそうですね…』


 あの扉の向こうに、魔物が大量に居る。

 しかも、誰かがその魔物とたった二人で戦っている。気配からして、魔物のサイズはさっきと同じ。

 更に気配を探知して、それはそうだと納得した。この扉の向こうに居る魔物はさっき俊太達を追いかけていた魔物と全く同じだ。

 その証拠に、さっき魔物が居た広間には魔物の気配が………

 …なんだ?この気配は?

 俺が人モドキと戦った部屋から、何かの気配がした。

 少なくとも人モドキではない。奴の気配は微弱とはいえある。

 この気配は一体…


『守!早く二人を助けに行こう!』


 瑠間の声でハッとした。

 そうだ。今は考えて分からないような事を考えている場合ではない。

 手遅れになる前に早く二人を助けないと…

 俺は扉まで走り、勢い良く開けた。

現状


広間 太郎、レイ、キャビ

報告 津瑠

残り 令音、フォルフ、リセス、ルー

捜索 火太郎、ギーナ、居図離、タム

脱出 俊太、フラル、光、ルド、トーナ、守

?? タカミ

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