第三百八十八話 成り立ってしまった方程式?ついに見つかった!?
一話目。
最近外に出かけることが多くなってきました。
明日も予定があります…でも、更新はサボらないつもりです。
「断る!そもそも俺は男だ!!」
虚勢を張る意味も含め、大声で断る。
身長差というものは大きく、原始的な恐怖が生まれる。自然界では大きいものが強いことはしばしばある。
「オトコ?どこがだ?」
「どこがだと!?どこからどう見ても……………」
顔→女顔にされた。
髪→長い。
体→そもそも男に戻り忘れた。
顔+髪+体=女
「………はい、そうでした。」
「ドウシタ?元気、無い。」
頭の中で成り立ってしまった方程式で、一気に気分が暗くなる。
とりあえず、元に戻るためにレアモンドの結晶に触れるべく、ポケットを探る。
「……ん?
無い、無い、無い!やっぱり無い!?」
しかし、そこにレアモンドの結晶は無かった。
まさか落とした!?
…いや、ここに来るまでの間には見なかった。というと…
「…まさか、気絶して運ばれてる間に落としたのか?」
やばい、男に戻れない。
『…守、それはさすがに嘘だろ?』
『もっとしっかり探してみろよぉ~。あぁ~るかも知れないぜぇ~?』
既に探しつくした。調べる場所なんてポケット四つくらいしかないからな。
しかし、目当てのものは見つからなかった。なんてことだ…
「…なあ、駄目元で聞くが、誰かティエスの実持ってないか?」
『無い。』
『そんなもの、持ち合わせているわけが無いだろぉ~?』
デスヨネー。
ちなみに、俺もそんなもの携帯してない。
してたらしてたでとっくに腐ってるだろうし、なによりレアモンドの結晶があった。
そちらも同じ効果を持っているのに、わざわざ劣化品の方を持ち歩いている訳が無い。
「それよりオマエ、オレの頼み断った。何故だ?」
「……訳あってこんな姿だけど、俺は男だ。
…彼女も居るし。」
もちろん彼女はハッタリだ。
しかし、そう言った方が奴も諦めやすい…のかもしれない。
普通の奴なら諦めるだろうが、コイツは…
「信じると、思うか?」
デスヨネートゥワイス。
この世界でも、性別が変わるなんて事は稀なのだろう。
でなければ、以前俺がルーマと名乗っていた時、すぐに正体がばれていただろう。
「それにな。会ったばかりの奴のものになるほど、俺は軽い奴じゃない!」
「…なら、オマエいらない。この剣で切り捨てる。」
人モドキは背の剣を抜き、構える。
結局戦闘になったか…
「デュア!ルソード!頼む!」
二人の顔をつかみ、剣になったことを確認して構える。
『しかし、よく分からぬが…守は今、魔法が使えぬのではないか?』
『それで勝機はあるのかぁ?主ぃ~?』
…そうだった。
というと、強化無しの素の力で戦わなければならないのか…
心配すぎる。
タカミが突然いなくなり、俺達は動揺を隠せなかった。
しかし、俺達はギーナの魔法によりなんとか落ち着きを取り戻し、居なくなった皆と出口の捜索をしていた。
「皆、ここまでで怪しい扉とかは無かったか?」
全員が首を横に振る。まだ誰も見つけていないらしい。
「太郎、その質問何回目?」
確かに、今の質問はこれが初めてではない。
既に十回以上はしただろうか。とにかく気分が落ち着かない。
『心配なのは分かるが、少しは落ち着け。
焦って探しても、見逃すだけかもしれないからな。』
落ち着かなければならないのは分かっている。
しかし、こうも立て続けに居なくなり、安否すらも分からないのだ。そう簡単に落ち着けるものではない。
現に誰もが焦り、その様子に落ち着きは無い。落ち着けと言ったフォルフもだ。
「……」
ギーナが険しい顔をして何かを見ている。
その視線の先にあったのは階段。それも、下に通じるものだ。
「階段だ!こっちに皆が…」
俺は見えた階段に走る。
ギーナ以外の皆も走りだす。
「あ、待って!何かの罠かもしれ…!」
しかし、その足はすぐに止まった。
「……なんで階段がこんなにあるんだ?」
階段は一つではなく、複数あったからだ。
「多分、ほぼ偽物ね。」
追いついてきたギーナが言う。
「あんな奴が罠を考えてるのよ?
正解の道をこんなに作るとは思わないし、最悪全部偽物かもしれないわ。」
しかし、道はここで行き止まりだ。
ここに正解が無ければ、進む道はどこにも無い。
「危険かもしれないが、全部調べるしかないな。」
「え!?皆で調べた方が、正解の道を見つけた時は」
「甘いぞ津瑠。
皆で行けば、出口の大きさからして一気に全員逃げることは出来ない。確実に誰かが逃げ遅れる。
しかしその点、一人なら逃げられる可能性はあるんだ。
二人以上で行って助けに入った結果、二人とも罠にかかるかもしれないしな。」
確かに、一般的に言えば単独行動は危険だ。
だが、時として集団行動の方が危険な場合もある。
「階段は全部で八つ。
八人が行くとして、念のため四人はここで待機と言うことにしましょ。
というわけで、分担の話し合いを始めるわ。」
話し合いの結果、残るのは俺、キャビ、レイ、津瑠となった。
ここの階段のどれかに正解があれば良いんだが…
待つことになった以上、俺はそれと全員の無事を祈るしかなかった。




